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ヒゲ抜き強要でセクハラ損害賠償


        ☆雇用システム研究所メールマガジン☆
                                第27号
                              2006/09/01
           http://www.koyousystem.jp


秋とは申しながらも、残暑の厳しい日が続いております。
みなさま、いかがお過ごしですか?

雇用システム研究所メールマガジン第27号をお送りします。


ヒゲ抜き強要でセクハラ損害賠償――セクハラを考える(1)


 今夏の記憶に残るニュースの一つに、「ヒゲ抜き強要でセクハラ損害賠償」というのがありました。勤務中に同僚女性に「ヒゲを抜いてほしい」と再三要求するなどした男性職員が、セクシュアルハラスメントの損害賠償で訴えられ、55万円の支払いを命じられた――というものです。自分のヒゲを他人にわざわざ抜いてもらうという行為はかなり特異ですし、それをわざわざ職場で強要するというのも"何でだろう?"と首を捻らざるを得ません。そして、裁判官も「勤務中に女性の同僚にヒゲを抜いてほしいなどと求めること自体著しく相当性を欠いており、違法」と断じました。

☆☆ 自分は「逸脱が許される存在」との意識? ☆☆

 訴えられた男性職員は、ヒゲ抜き強要のほかにも、職員有志の旅行会の際に「勝負水着で来て下さい」などという案内文書をつくって回覧するなどの行為を重ねていたとのことでした。
 セクハラとは、一般的には「相手の意に反して、性的な言動を行い、相手に肉体的または精神的な被害を与えること」です。
 言動の発信者側が"そんなつもりはなかった"といっても、受け手側がそれによって具体的に被害を被っているのならば、社会通念に照らして不法行為責任が問われることにもなります。
 しかし、よく引き合いに出される常套句が、「アイツがやったらセクハラになるが、俺はならない」というもの。丁寧に翻訳すれば、《多少の逸脱も"ジョーク"として許されるような関係性を、自分は容易に成立させられるし、すでにそういう関係を多々築いている》といったところでしょうか。
 ヒゲ抜き強要職員も、そうした揺るぎ無い自信をもって事に至ったのでは…? と推量さるのです…。

☆☆ 幼児性と集団心理と使用者責任と… ☆☆

 他人の暗黙の協調性・恭順をあてにして「俺だから許される」という発想は、いかにも幼児的です。職場に醸成される集団心理のありようも、セクハラ発生のリスクを左右します。ただ、規律の緩みを放置して暴走を許してしまった事業主も使用者責任を免れません。(上記事件でも使用者責任を認められました) 男女雇用機会均等法は現在、セクハラ防止のための「雇用管理上必要な配慮」
を事業主に義務付けています(第21条)。来年4月以降は、法律改正によって、より厳格な「雇用管理上必要な措置」が義務づけられるようになり、事業所が是正指導に応じない場合は企業名が公表されるようにもなります。

 「セクハラ」について、続けて考えていきたいと思います。  (福島敏之)


ワンポイント講座……………労働安全衛生法……………


安全衛生管理体制について

労働安全衛生法では、事業場の業種・規模(常時使用する労働者数)に応じて各管理者の選任、報告や各委員会の設置を義務付けています。
あなたの会社の各事業場の労働者は何人ですか。
労働者50人が管理体制を見直す最初の目安です。業種を問わずまず整えるのは次の3点です。

(1)衛生管理者
  その事業場に常勤し、試験に合格して都道府県労働局長の免許を受けた者より選任します。毎週1回作業場等を巡視して、労働者の健康保持のための措置を講ずることを主な職務とします。

(2)産業医
医師免許を持ち、産業医の講習を終了した者より選任します。労働者の健康管理を行い、また、毎月1回作業場等を巡視して、作業方法・衛生状態が適切であるよう努めることを主な職務とします。

(3)衛生委員会
一定の基準により事業者より指名された者で構成され、労働者の健康障害を防止するための対策等を話し合い、事業者に意見を述べるために毎月1回以上開催します。最近の精神疾患の増加に伴いその役割はますます重要となる会であると言えます。

【用語のPOINT1】
 ▼事業場とは?
  日常業務を管理する者がいて1つの単位となります。
  従って一般社員のみの少人数の営業所等はその上位にあたる長がいる事業場と合わせて1事業場と見なされます。
【用語のPOINT2】
 ▼常時使用する労働者とは? 
 労働の対価として賃金を得ている全ての者が労働者となりますので、雇用保険の被保険者だけではなく、常勤であれば雇用保険の要件を満たさないような短時間勤務のパ−ト、アルバイトでも含まれます。 (坂林)


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 パート・高齢者・非正社員の処遇のしくみ

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◆ 編集後記◆  

 今日は、NHK 朝ドラ『純情きらり』からお話をします。
 その時間は、「私は通勤途中」、「もう仕事をしている」とおっしゃる方もおられるでしょうが、お許しください。

 戦時中の昭和18年、主人公の義兄杉冬吾が鋳物工場で働いている場面で、工場主が「給料は月極めだから、月の終わりまで働かなければ支払えない」という台詞がありました。

この台詞を聴いて、「えー、戦前は既往労働分を支払ってもらえないの・・・。
町工場なら日給制が普通なのに月給制?」と疑問に感じました。
 暑気払いでお会いした労政記者クラブの方にこの疑問点をお話ししたところ、賃金の変革過程の資料をお送りいただくことができました。その資料の中に、台詞に対するズバリな答えはありませんでしたが、給料はやはり日給制が妥当のようです。
 また、日頃、賃金設計をするときに基本的にしている「生活保障」は、昭和18年頃に戦局による社会不安を打ち消すために考えられ、また年功賃金制度や家族手当等は、昭和14〜5年頃から国の政策の中から派生した産物とのことです。
 
何気なく見ているドラマでも、台詞や行動に気をとめてみると学ぶことが多いです。
皆さんも、ちょっとした場面展開や台詞に気をとめてみますと、そこからまた違う世界が見えてくるかもしれません。 (白石)

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発行者  雇用システム研究所 代表 白石多賀子
     東京都新宿区新小川町9番5号畑戸ビル   
     アドレス:info@koyousystem.jp



今週のメールマガジン第27号はいかがだったでしょうか?
お楽しみいただければ幸いです。これからさらに内容充実していきたいと思います。
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