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社会的非難とメンタルヘルス ――年金問題の社保庁職員は…?


        ☆雇用システム研究所メールマガジン☆
                                 第46号
                               2007/06/18
          http://www.koyousystem.jp


東京は梅雨の時期に入りました。今年は水不足といわれていますが、
恵みの雨になるでしょうか。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

雇用システム研究所メールマガジン第46号をお送りします。


社会的非難とメンタルヘルス
――年金問題の社保庁職員は…?

 年金問題が、いま日本を揺るがしています。
 持ち主が確認できない納付記録=「宙に浮いた年金」が約5000万件、システム
に入力されず放置されてきた記録が約1430万件、入力の正確さを調べるためのサ
ンプル調査で見つかったミスの割合が約1%――。次々と明らかになる年金記録管
理の杜撰さに、「自分の年金記録は大丈夫なのか」との不安が噴出し、社会保険
事務所の窓口や専用ダイヤルに問合せが殺到しています。新たに開設したフリー
ダイヤルでは、開設後24時間の間に47万件の電話があったとのこと。


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☆☆ 社会的非難の矢面、暴行事件まで発生 ☆☆

 企業や官庁の不祥事が社会問題化するたび、そこに勤める職員たちの心持ちは
いかばかりか、さぞや「針のむしろ」の心持ちではなかろうか…と推し量られま
す。まさか自分が、職業人生において社会的非難の矢面に立たされるとは思って
もみなかったでしょう。
 特に、今回の年金問題は、積年のお役所仕事批判や公務員の天下り問題ともあ
わせて国民の怒りを買っています。行政府のトップたる総理大臣からも「親方日
の丸的に、上から人を見るような気持ちがあった」「社会保険庁を解体し、出直
しをさせなければいけないというのは国民の声だ」との指弾が。顧客からも経営
者からもダメを出された格好です。
 そして、暴行事件まで発生してしまいました。年金記録の問い合わせのために
社会保険事務所を訪れた男(65歳)が、応対した男性職員の態度に憤慨して殴り
かかって現行犯逮捕されたというものです(6月12日浜松市)。
 詳しい事情はわかりません。職員の態度が本当に我慢できぬほどに横柄だった
のかもしれませんし、あるいは相談者から激しい罵声を浴びせられて売り言葉に
買い言葉を返してしまったものであったかもしれません…。


☆☆ 厳しい批判+手を打てない状況=有害ストレス ☆☆

 全国の社会保険事務所では、いま、土日も休日返上で相談対応にあたっている
ということですが、第一線の職員たちのストレスはいかばかりかと案じられます。
 というのは、こうした状況下のストレスは、身体の健康に少なからず影響を及
ぼす“悪性度の高い”ストレスであることが実験で裏付けられているからです。



「…被験者たちを耳障りな騒音から不快な人間との対決まで
種々のストレスにさらして結果を調べた。

すると、いろいろなストレスのなかで群を抜いて悪性度が高いのは、
厳しい批判にさらされながら、何も手を打てない状況に置かれる、
というストレスだった」

「侮辱されて黙って耐えている人たちには血圧の大幅な上昇が見られる。
自分を見下すメッセージを我慢し続けているうちに
無力感や不安感が強まり、最後には憂鬱になる――こうした気持ちが
長期にわたって続くと、心臓血管疾患を発症する可能性が著しく高まる」

(ダニエル・ゴールマン
『SQ生きかたの知能指数〜ほんとうの「頭の良さ」とは何か
 日本経済新聞出版社 刊)



 組織としての膨大な不作為が国民の権利をないがしろにしてきた経緯からする
と、社保庁も十分批判を受けるだけのことをしてきたのだといえます。しかし、
現場を疲弊させ、そこで働く人にストレスを加えることが益になるとも思われま
せん。
 …では逆に、職場の中では「有害ストレス」にさらされるリスクにいかに向き
合っていけばよいのか。次回以降考えてみたいと思います。   (福島敏之)




ワンポイント講座-----------年 金 法 編 編


-----年金法が改正されます―その3-----

4月から改正された“遺族年金”について、ご説明します。

【65歳以降の併給調整の見直し】

平成19年3月までの併給方法は、次の3通りの中から選択をしました。
(1)老齢基礎年金+遺族厚生年金
(2)老齢基礎年金+老齢厚生年金
(3)老齢基礎年金+老齢厚生年金の2分の1+遺族厚生年金3分の2
夫が死亡して、妻が遺族年金を受け取る併給方法で、一番多かったのは(1)
です。
 それは、男性と比べて、女性の厚生年金加入期間が短かく、また、賃金が低い
ため、自分の老齢厚生年金額より、遺族厚生年金額の方が高いためです。
これでは、自分で納めた厚生年金保険料が掛け捨てになってしまいます。そこ
で、自分で納めた厚生年金保険料を年金額に反映させるため、次のように改正さ
れました。

〈平成19年4月以降の併給方法〉
 まず、自分の保険料納付に基づく上記(2)が支給され、その額が上記(1)や
(3)よりも少ない場合は、その差額が遺族厚生年金として支給されます。
 ただ、内訳が変わるだけで、年金受給額は今までとは変わりません。

【30歳未満の妻への支給見直し】

 妻への遺族厚生年金は、再婚したときなどを除き、終身支給されていました。
しかし、若年期(30歳未満)であれば、就労の可能性が高いと考えられ、夫の
死亡時に、子のいない30歳未満の妻に対しての遺族厚生年金の支給は、5年間
の有期給付としました。
 夫の死亡時、妻が30歳以上であれば、子の有無に関わらず、再婚などの場合
を除き終身支給されます。

【中高齢寡婦加算の見直し】
平成19年3月までは、夫の死亡時35歳以上の子のいない妻に対し、妻が40
歳から65歳になるまで、遺族厚生年金に「中高齢の寡婦加算」が加算されてい
ました。平成19年4月以降は、夫の死亡時に40歳未満の子のいない妻に対し
ては、中高齢の寡婦加算が支給されません。(石橋)



◆ 編集後記◆  


6月12日、涼しかった前日とうって変わり30度近い蒸し暑い日となりまし
た。この日、新宿西口イベント広場で“5士業による無料相談会”が開催されました。
今、「消えた年金」等の表現で、年金記録漏れ問題が連日の新聞やテレビのトッ
プニュースで取りあげられています。その影響もあってか、相談者が昨年の4倍
を超え、そのうち年金相談が95%を占めました。NHKの取材も2グループ入
りましたが、他士業の方には誠に申し訳ないほど、年金相談を受けている私たち
社会保険労務士のブースのみの取材でした。
今回の相談会を通して、国民の皆さんがいかに不安を感じているのか痛感しまし
た。年金は私たちの老後の生活の基本となるものです。これを機会に、国民の皆
さんにはご自分の年金に関心を持っていただき、また、行政にはきちんと体制を
整えて対応していただきたいと思います。
なお、私たちの社会保険労務士会では、国民の立場に立ち、不安を払拭するため
に、6月16日から2週間、毎日200人体制で年金電話相談の協力をします。
皆さん、年金手帳などご自分の記録をお確かめください。
梅雨に入りましたので、健康にお気を付けください。       (白石)



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発行者  雇用システム研究所 代表 白石多賀子
     東京都新宿区新小川町9番5号畑戸ビル   
     アドレス:info@koyousystem.jp



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