[食品表示偽装の「罪」と「罰」]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ☆雇用システム研究所メールマガジン☆ 第55号 2007/11/01 http://www.koyousystem.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今年は暖かい晩秋のようです。 みなさま、いかがお過ごしでしょうか?
雇用システム研究所メールマガジン第55号をお送りします。
--------------------------------------------------------------- □ 目次
[食品表示偽装の「罪」と「罰」]
● 罪の意識あったが…会社がどうなるか
● 職人の目から「輝き」を奪った偽装
(福島敏之)
[編集後記] (編集長 白石多賀子) ---------------------------------------------------------------
食品表示偽装の「罪」と「罰」
全国で食品表示の偽装問題が相次いでいます。 ブランドに便乗したり、製造年月日・消費期限・賞味期限をごまかしたり…。 残念なことに、日本を代表するような老舗も含まれておりました。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
☆☆ 罪の意識あったが…会社がどうなるか」 ☆☆
「5年ほど前に罪の認識が生まれたが、 すでに売り上げの半分を偽装商品が占めており、 会社がどうなるかと考えると恐ろしく、やめられなかった」
とコメントしたのは、タダ同然で取引される原材料で作った加工食品に高級ブランド「比内地鶏」を冠して出荷していた食品会社の社長。
消費者の好みが多様化し、中国産の安い(=価格競争力の強い)食材料が大量流入してくる今日。経営環境が厳しくなる一方であるものと理解します。そのなかで、消費者の求めに応じ、会社として存続し、従業員の雇用を守らなければならない。延々と続くプレッシャーも相当であったろうと察せられます。
もちろん、だからといって、消費者を欺いた上の利益で会社経営をしていいということにはなりませんし、食への信用を失墜せしめた責任は重大です。
☆☆ 職人の目から「輝き」を奪った偽装 ☆☆
「2人の石切り職人」という寓話があります。
新しい教会の建設現場で2人の石切り職人が働いていて、そこへ出くわした旅人が2人に「何をやっているのですか」と聞くと、石切り職人の1人は「俺はこのいまいましい石を切るために悪戦苦闘しているのさ」と答えたのだと。ところが、もう1人の職人は目を輝かせてこう言ったそうです。 「ええ、私は人々の心の安らぎの場となる素晴らしい教会を作っているのです」
自分の仕事がどのように世の役に立つかを意識しながら仕事をしている後者の職人は、単調な仕事に不平もなく働いている。おそらく、この職人のほうが、不平たらたらの職人よりも、実りある時間に満たされた人生を送ることができるでしょう。どういう文脈で仕事をするかということが、決定的に大事であるということです。
ひるがえって、ブランド偽装の会社。罪の意識に苛まれた社長の胸中には、従業員やその家族の暮らしへの責任感が、おそらくは去来していたことでしょう。 しかし、社長のしてきたことは、その従業員をして
「ええ、私はわが社の企業価値が最大化するように、
偽装にいそしんでいるのです」 と言わしめることと同義でした。
同社では、先月末、全従業員に解雇の通告をしたとのことです…。
* *
清く、正しく、美しくあること。
それは、遠回りのように見えて、会社を守り、 社員を守るものではないでしょうか。 (福島敏之)
-------------------------------------------------------------------------- ◆
編集後記◆ --------------------------------------------------------------------------
ミートホープ社の牛ミンチ偽装、「白い恋人」、「赤福」、「名古屋コーチン」、「比内地鳥」等々、次から次へと内部告発による食の偽装が発覚しています。
ミートホープ社の牛ミンチは、多分口にはしていないと思いますが、お土産に北海道では「白い恋人」、名古屋から京都方面では「赤福」、焼き鳥は「名古屋コーチン」、冬のきりたんぽ鍋には「比内地鳥」と決めている私は大ショックです。特に大好きな「赤福」は40年前からとのことで、私が初めて口にしたときには既に偽装が始まっていたのです。
皆さんもこれだけ事件が続くと、「開いた口がふさがらない」の心境でしょう。特に食するものは健康面への配慮から、商品の成分や産地等は必ず確認して厳選んでいますが、これでは消費者は何を信じていいのか不安になるばかりです。なぜ、「雪印」事件の教訓を生かせないのでしょうか。
社員の終身雇用制度が崩れ、会社に対する忠誠心・愛社精神が無くなったと言われていますが、モラールを高めることは経営トップの責任です。大切な社員の顔を思い浮かべながら、愛情、思いやりを注いでいただきたいですね。
そして、事件が発覚したら「人のふり見て我がふり直せ」を実行していただきたいです。 (白石)
------------- ☆ ☆ ☆ -------------- 発行者
雇用システム研究所 代表 白石多賀子 東京都新宿区新小川町9番5号畑戸ビル アドレス:info@koyousystem.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今週のメールマガジン第55号はいかがだったでしょうか?
お楽しみいただければ幸いです。今後もさらに内容充実していきたいと思います。 ご感想は
info@koyousystem.jp
にお願いします。 「こんな記事が読みたい!」というリクエストも、遠慮なくどうぞ。 次回の配信は11月中旬頃情報を送らせて頂きます。
e-mail: info@koyousystem.jp [過去のメルマガ随時更新] http://www.koyousystem.jp
---------------------------------------------------------------------- メールマガジンの配信が不要な方は、お手数ですが、 こちら
http://www.koyousystem.jp/mail_magazine.html から配信停止を行って下さい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・『雇用システム研究所メールマガジン』に掲載された情報を許可なく転載することを禁じます。
|
|
|
|