東北地方太平洋沖地震に伴う災害による対応について
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┃\/┃ <雇用システム研究所メールマガジン>
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2011/03/18
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3月11日(金)に発生したマグニチュード9.0という観測史上最大の
東北地方・太平洋沖地震、及びそれに連続して起きた隣接県等での地震で
被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。
被害が甚大ですので、人と人との助け合いや、地域の中の助け合いで、
お互いに支えあって、この最大の苦難を乗り切っていきましょう。
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◆東北地方太平洋沖地震に伴う災害による対応について◆
=休業手当と労働災害補償=
T休業手当の取扱い
U地震発生当日の時間外手当
V労働災害補償
W被災地域の取扱い
(以上執筆者 白石 多賀子)
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◆今回の東北地方太平洋沖地震に伴い発生した
休業手当・労災補償等の取扱は以下のようになります。
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■■■ T休業手当の取扱い ■■■
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(1)事業所が業務を遂行できない状態による休業
・倒壊等直接被害を被ったためのもの
・計画停電により電力供給がされないためのもの
上記により休業せざるを得ない場合には、事業主の責めに帰すものではないため、
原則として休業手当を支払う義務は生じません。
ただし、就業規則に支払う旨記載のある場合には支払を要します。
(2)取引先が業務を遂行できない状態による休業
取引先が被災したことにより仕入れができない等間接的な理由により休業を行う場合には、
代わりの仕入れ先を見つけることができるか等の代替措置を行えるかどうかで
判断がなされます。
代替措置が行えると判断がなされた場合、事業主の責めに帰する休業となり、
休業手当の支払い義務が生じます。
(3)計画停電による鉄道運休により出社できない等の場合
通勤している労働者が計画停電による鉄道運休により出社できない等(欠勤・遅刻など)の 場合で、使用者の判断で休業命令を出したときには、休業手当の支払義務が生じます。
ただし、温情的に「無理をする必要はない。」等の指示を出した場合、
これを休業命令と言えるかどうかの明確な判断はできないため、労使間の話し合いにより
取扱について決定していただくこととなります。
(本人の有給休暇取得、無休休暇、有給の特別休暇もしくは休業手当の選択です。)
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■■■ U地震発生当日の時間外手当 ■■■
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地震発生当日に事業所に宿泊した者の取扱いについては、業務命令として不測の事態
に備えて会社に待機させた場合、手当の支払い義務が生じます。
就業規則、労使協定に定めがある場合にはその定めに従って賃金を支給することとなります。
定めのない場合には当人の給与額に合わせた時間外手当を支給せねばなりません。
ただし、時限的に労使協定で支払額を定める等の措置を講じることで対応することができます。
(基本的に宿日直手当に準ずる金額で事足ります。
金額は対象予定者に対して支払われる賃金の1人1日平均額の3分の1を下回らない額にしてください。)
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■■■ V労働災害補償 ■■■
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(1)災害時に就業していて負傷等をした場合は、業務災害として労災保険が適用になります。
業務災害の認定基準は阪神淡路大震災の時に準じるという指針が厚生労働省から
出ておりますが、詳細は状況により判断され個別対応となります。
(2)計画停電に伴う鉄道運休により通勤経路を通常と大幅に変更した場合でも
(他の鉄道会社を利用する、徒歩、自転車等を含みます。)
合理的経路と判断され、通勤災害の対象となります。
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■■■ W被災地域の取扱い ■■■
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(1)被災地域にある事業所について、社会保険料・労働保険料の納付期限の
延長及び猶予されます。
(2)激甚災害と指定されたことに伴い、事業所が災害を受けたために、やむを得ず、
事業を休止又は、廃止したことにより休業するに至り、就労することができず、かつ、
賃金を受けることができない状態にあるときは、実際に離職していなくとも失業している
ものとして失業の認定が行われ、雇用保険の失業手当を支給できる特例措置が
実施されます。
(白石)
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発行者 雇用システム研究所 代表 白石多賀子
東京都新宿区新小川町9番5号畑戸ビル
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最後に、今回大きな被害を受けた皆様にお見舞いを申し上げますとともに、
一日も早い復興をお祈り申し上げます。
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