本文へスキップ

人事・労務に関する御相談は東京都新宿区 社会保険労務士法人 雇用システム研究所まで

電話での相談・お問い合わせはTEL.03-5206-5991

〒162-0825 東京都新宿区神楽坂2-13 末よしビル4階

発刊済みメールマガジンMail Magazine

2016年は日本人の「働き方改革」元年
〜求められる法令改正への対応と
 人材確保に向けた新たな仕組みの構築を〜

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏━━┓    
┃\/┃    ★雇用システム研究所メールマガジン★
┗━━┛                           第165号
                              2016/01/01

           http://www.koyousystem.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新年あけましておめでとうございます

旧年中は、ご購読いただき
誠にありがとうございました。
今年もお役に立てるよう、情報の発信をしてまいりますので
なにとぞよろしくお願い申し上げます。

雇用システム研究所メールマガジン第165号をお送りします。

=============================================

□ 目次 INDEX‥‥‥‥‥

◆2016年は日本人の「働き方改革」元年

 〜求められる法令改正への対応と人材確保に向けた新たな仕組みの構築を〜

■次世代法、女性活躍推進法施行で求められる高いハードル
■労基法改正案など労働法制改革が促す“働き方改革”
■柔軟な働き方の早期構築が人材確保と成長を支える
(以上執筆者 溝上 憲文)

■雇用状勢の改善により、高齢者支援に予算充当
(以上執筆者 日本労働ペンクラブ 津山 勝四郎)

■[編集後記] (編集長 白石 多賀子)

=============================================

◆2016年は日本人の「働き方改革」元年

〜求められる法令改正への対応と人材確保に向けた新たな仕組みの構築を〜

2016年は企業に対して子育て支援策の充実や女性活躍推進、長時間労働の削減
を迫る法令の改正が相次いで施行される。
単なる後ろ向きの対応ではコスト負担だけが高まるだけではなく、企業の競争力
にも影響する。従来の働き方を根本的に見直す機会とし、長期的な人材の確保と
定着を図るための新たな仕組みの構築が個々の企業に求められている。

今年は日本人の “働き方” が大きく問われる年になりそうだ。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■■■ 次世代法、女性活躍推進法施行で求められる高いハードル ■■■
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 2015年4月1日には改正次世代育成支援対策推進法が施行され、有効期限が
 2025年3月31日まで10年間延長された。
それに伴い「くるみん認定基準」が改正されるとともに、
新たに「プラチナくるみん」が創設された。

くるみんの認定を受けるには一般事業主行動計画の策定において計画期間の女性
労働者の育児休業等取得率が以前の70%から75%に引き上げられた。

 プラチナくるみんの認定を受けるには、計画期間の男性労働者が育児休業等を
取得した割合が13%以上か、企業が講じる育児目的の休暇制度を利用した者が
30%以上かつ育児休業等を取得した人が1人以上のいずれかを満たすことが要件
になっている。また、労働時間については
(1)1年間の平均週労働時間が60時間以上の労働者の割合が5%以下、
(2)1年間平均月時間外労働時間が80時間以上の労働者が1人もいないこと――
のいずれかを満たすことになっている。

 くるみん取得はもちろん任意であるが、求職者が企業を選ぶ際の指標にされる
可能性も高く、人材確保にも影響してくるだろう。

 また、4月1日に昨年8月に国会で成立した女性活躍推進法が施行される。労
働者301人以上の企業は4月1日までに女性の活躍推進に向けた行動計画を策定
しなければならない(300人以下は努力義務)。

 具体的には
(1)自社の女性活躍に関する状況・課題分析、
(2)それを踏まえた行動計画の策定、社内周知、公表、
(3)行動計画の都道府県労働局への届出、
(4)女性の活躍に関する状況の情報の公表――の4つが義務づけられている。

女性活躍に関する状況把握には女性採用比率、
勤続年数男女差、労働時間の状況、女性管理職比率などが含まれる。
さらに行動計画には目指すべき女性管理職比率などいくつかの選択肢から数値目
標を一つ定める必要がある。

 取り組みを促進するため、行動計画の策定・届出を行った企業のうち、取組実
施状況等が優良な企業に対する認定も実施する。認定企業については公共入札で
の加点も検討されている。
数値目標を達成しなくても罰則はないが、次世代法に基づく「くるみんマーク」
と同様に認定取得によって他社との差別化を図る企業も出てくるだろう。目標達
成のためにはワーク・ライフ・バランスの推進や長時間労働の削減などの働き方
の改革が必要になってくる。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■■■ 労基法改正案など労働法制改革が促す“働き方改革” ■■■
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 それだけではない。
労働契約法や昨年4月に施行された改正パートタイム労働法による非正規社員に
対する不合理な差別的取扱いの禁止への対応も求められている。
2018年4月には5年超の有期契約労働者の無期転換権が発生する。
労働契約法には雇止め法理があるために安易な雇止めは許されない。
無期転換対象者の育成と教育、新たな処遇制度などについてどう対応していくの
か、その準備も急がなくてはならない。

 さらに今年は働き方の変革を促す労働法制改革が国会で審議される予定だ。
1億総活躍社会の実現の目玉の一つである
「介護離職ゼロ」に向けた介護休業の分割取得を含めた育児・介護休業法の改
正、さらに労働基準法改正案が通常国会で審議される予定だ。

 労働基準法改正法案は大きく長時間労働の見直し策と高度プロフェッショナル
制度の創設や企画業務型裁量労働制の拡大などの働き方の見直しの2つ。
長時間労働の見直し策としては

(1)年次有給休暇の付与日数が10日以上の労働者を対象に年5日間の時季指定
 を使用者に義務づける、
(2)中小企業の月60時間超の残業代50%割増賃金の支払い義務化
 ――が盛り込まれている。

 高度プロフェッショナル制度は、一定の年収要件(1000万円以上を想定)を
満たし、職務の範囲が明確で高度な職業能力を有する労働者を対象に、時間外・
休日労働協定の締結や時間外・休日・深夜の割増賃金の支払義務等の適用を除外
する仕組みだ。対象業務は省令で規定することになっている。

 企画業務型裁量労働制の拡大は、新たに
(1)企画立案調査分析と一体的に行う商品やサービス内容に係る
課題解決型提案営業の業務、
(2)事業の運営に関する事項の実施の管理と、その実施状況の検証結果に基づく
事業の運営に関する事項の企画立案調査分析を一体的に行う業務――が想定されて
いる。同時に

(1)労使委員会決議の本社一括届出を認めるとともに、
(2)定期報告は6か月後に行い、その後は健康・福祉確保措置の実施状況に関
する書類の保存を義務付けるという手続きの簡素化も盛り込まれている。

 法律が成立・施行されても企業側にとっては運用上の課題も多い。例えば高度
プロフェッショナル制度や企画業務型裁量労働制の対象者の選定をどうするの
か。従業員のモチベーションにどのような影響を与えるのかといったメリットと
デメリットの検証が必要になる。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■■■ 柔軟な働き方の早期構築が人材確保と成長を支える ■■■
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 一連の法制度は法的側面から働き方の改革を促そうというものだが、企業に
とっても人材確保と活用の観点から柔軟性のある働き方の改革は重要な課題とな
りつつある。生産年齢人口の減少による人手不足はすでに顕在化している。非正
規労働者は4割を超えているが、単に非正規を正社員に転換すれば問題が解決す
るわけではない。労働時間に制限のない正社員ではなく、あえて非正規を選んで
いる人が圧倒的に多いのも事実だ。
 時間の制約がある人たちを取り込み、最大限の能力を発揮してもらうには、正
社員の働き方自体の見直しを含めた長期的な生産性の向上につながる仕組みを構
築していく必要がある。どんな仕組みを作るかは個別企業の事情によって異な
り、困難な課題が山積している。

 また、ワーク・ライフ・バランスを推進していくには当然ながら相応のコスト
がかかる。例えば仕事と育児との両立においては、妻だけではなく夫の支援も不
可欠になる。だが、そのための人材投資は長期的な企業の持続性と成長を支える
ことは間違いないだろう。                 (溝上 憲文)


=============================================


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■■■ 雇用状勢の改善により、高齢者支援に予算充当 ■■■
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 今年は申年。私事ながら筆者も早?回目の年男で、厚労省OBと連合OB、報道機
関OBで構成されている「申友遊会」では、大いに遊ぶ企画が予定されている。こ
の連載執筆も長くなったが、もう暫くだけお付き合いお願いします。

 さて、1月4日から通常国会が開会され、まずは今年度補正予算案、そして平成
28年度予算案の審議が3月末まで審議され、その後各省提出の個別法案の審議に
入いる。

 厚生労働省では前国会で継続審議となった改正労働基準法が審議される予定だ
が、今国会の目玉は若年、高齢者、女性等の雇用対策が最重点である。

 昨年の日本再興戦略改訂2015(平成27年6月30日閣議決定)では、65歳以上の
高齢者の雇用促進、働き手個人が「セルフ・キャリアドック(仮称)」を受けた
際の経費の一部助成が盛り込まれ、11月26日に決定した一億総活躍社会の実現
(この言葉は厚労省の女性キャリアが発案した)に向けた緊急対策において、
介護休業の前後で所得を安定させるため、介護休業給付の給付水準を現行の40%
から育児休業給付の水準(67%)にまでの引き上げることと、高齢者が働きやす
い環境をつくる企業、NPOや起業を支援するとともに、雇用保険の適用年齢の見
直しを行うことが盛り込まれた。

 施策実現のための財源は平成26年度末で達した6兆2586億円の積立金と、同じ
く8329億円を計上した雇用安定資金の残高が充当され、今国会では雇用保険法、
高年齢者雇用安定法、育児介護休業法、
男女雇用機会均等法の改正が審議される。

 このため厚労省は昨年10月の幹部異動において、生田正之職業安定局長を留任
させ、雇用均等・児童家庭局長には年金局長から香取照幸氏を就任させた。香取
氏は旧厚生省出身で、その政財官界への人脈は同省トップと言われ、厚生行政の
大きな転換期にはいつも先頭を歩いていた人材である。同時に担当審議官とし
て、若手時代から将来の厚労省の幹部と言われていた吉本明子前愛知県副知事を
配置した。

 以下、制度見直しを順を追ってみる。

 雇用保険制度の見直しは多岐にわたり、
基本手当水準(給付日数、給付額、給付率等)の見直しは今後の課題として、
現行の暫定措置(有期契約労働者等の給付日数の充実、
個別延長給付、常用就職支援手当の支給対象者の追加)の期限が平成28年度末ま
でとなっていることから、取扱いを連動していくことになるが、正当な手続きに
よらない解雇・離職に対する離職理由の取扱いについては、特定受給資格者とし
て、現行基準の見直しが行われる。

 就職促進給付のうち、再就職手当は支給残日数3分の1以上の者については給付
率を50%から60%に、支給残日数3分の2以上の者については60%から70%に引き上げ
られ、平成26年に創設された就業促進手当の上限額は、現行の支給残日数3分の1
以上の者40%、支給残日数3分の2以上の者30%の上限から、再就職手当と合計して
支給残日数の100%になるよう改正される。

 現在、65歳に達した日以後に雇用される者は雇用保険法の適用除外とされてい
るが、見直しでは新たに雇用保険の適用対象とし、現在の高年齢受給資格者と同
様に高年齢求職者給付金として支給し、失業認定の取扱いの見直し、教育訓練給
付や介護休業給付の対象とすることも盛り込まれる。同時に65歳に達した日以後
に雇用される者からも保険料を徴収するが、中小企業には別途経過措置が考慮さ
れる。また、65歳以上の高齢者を一定割合以上雇用している事業主への助成措
置、高齢者向けに健康管理制度を導入した助成措置などの創設も検討される。

 教育訓練給付については現行の教育訓練給付に、一般教育訓練の受講にあたっ
て労働者が自己負担により企業の外部でキャリアコンサルティングを受けた場合
も給付の対象とし、その際、一定の質を担保する観点から、来年4月から登録制
の名称独占資格として位置付けられるキャリアコンサルタントが行う一般教育訓
練が対象となる。

 育児・介護休業については、労働政策審議会雇用均等分科会での審議と併行し
ていくが、
介護休業の分割取得(3回まで取得可能)、
有期契約労働者の育児・介護休業の取得、
育児休業の対象となる「子」の範囲等の見直し等は育児・介護休業法の改正に委
ねられることになる。
また、年間10万人に達する家族の介護や看護を理由とする離転職者の雇用継続へ
の効果として、介護休業給付の給付率を育児休業給付と同様に、当面は暫定措置
として67%に引き上げられる。

 前出の高齢者雇用対策では平成24年の高年齢者雇用安定法の改正により、希望
者全員が65歳までの雇用確保措置を講じることが企業の義務となり、制度は浸透
してきているが、今後は地域における多様な雇用・就業機会の確保が重要となる
ことから、関係行政機関、シルバー人材センター、労使関係者、社会福祉協議
会、地域の金融機関、NPOなどで構成される協議会が設置できるようにする。特
にシルバー人材センターの機能強化は急務で、従来の清掃や剪定などの職域にと
どまらず、人手不足分野や育児支援等、現役世代を支える分野での就業機会の拡
大に取り組んでいく。そのために取扱業務、派遣・請負の区分に関する基準や、
就業時間制限の拡大、会員の就業条件に関することなど総合的な見直しが必要と
なる。これら各方面への根回しを2年前からやってきたのが金子順一元厚労省事
務次官で、官僚の政策視点が中長期に置かれ、政治家の短期的視点と異なるよい
事例と言える。

 いずれにしろ、今年の最大の関心は参院選である。ここで与党が大勝すれば一
気に憲法改正に向かうことになろう。ある意味、厚労省の施策は少数の人しか関
心を持たない専門分野でしかないのかも知れない。国民の生活に直結しているこ
とは間違いないが、消費税の議論にみられるように、今年の通常国会は参院選に
向けた政策一色となるだろう。             (津山 勝四郎)



編┃集┃後┃記┃
━┛━┛━┛━┛********************************************************

 “一年の計は元旦にあり”

 皆様は、年頭にどのような計画を立てましたか。

当所は、今年から組織変更し新たに社会保険労務士法人雇用システム研究所とし
て出発いたします。
新組織では、今まで以上に雇用環境を取り巻く目まぐるしい変化に対応し情報の
提供等のサービスを高めていきたいと思っています。

今年からマイナンバーが順次、社会保障、税、災害対策の行政手続で使用されま
す。現時点では使用に対して不安を感ずる状況です。

また、今年も政府が掲げる「一億総活用社会」の実現に向けて、
法律改正が多いかもしれません。

今冬は温暖予報です。
しかし、急激の寒さに襲われることも度々あると思います。
呉々もご自愛のうえ、充実した一年をお過ごしください。          
                               (白石)



-------------☆ ☆ ☆ --------------

発行者 社会保険労務士法人雇用システム研究所
代表社員 白石多賀子 東京都新宿区神楽坂2-13末よしビル4階
アドレス:info@koyousystem.jp

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今週のメールマガジン第165号はいかがだったでしょうか。
お楽しみいただければ幸いです。
今後もさらに内容充実していきたいと思います。
ご感想は info@koyousystem.jp にお願いします。

「こんな記事が読みたい!」というリクエストも、遠慮なくどうぞ。

次回の配信は2月初旬頃情報を送らせて頂きます。

e-mail: info@koyousystem.jp

[過去のメルマガ随時更新]⇒ http://www.koyousystem.jp
=============================================
メールマガジンの配信が不要な方は、お手数ですが、
こちらhttp://www.koyousystem.jp/mail_magazine.html から
配信停止を行って下さい。


社会保険労務士法人
雇用システム研究所
雇用システム研究所

〒162-0825
東京都新宿区神楽坂2-13
        末よしビル4階
TEL 03-5206-5991
FAX 03-5206-5990