欠員をものともしないチーム力
☆雇用システム研究所メールマガジン☆
第2号
05/06/09
皆様、こんにちは。
蒸し暑い日が続いておりますが
いかがお過ごしでしょうか?
雇用システム研究所メールマガジン第2号をお送りします。
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層の厚さ――ジーコジャパンとわが社
福島敏之
■日本代表――欠員をものともしないチーム力
6月8日、日本中が沸いた。
世界最速でワールドカップ出場を自力で決めた夜。第三国開催での無観客試合で行われた対北朝鮮戦。
小野も高原も故障で欠いたうえ、中田ヒデも中村俊介も三都主も累積警告で出場停止。
絶対負けられない戦いで、これまで控えに甘んじることの多かった小笠原や中田浩二が活躍した。難しいバウンドのルーズボールに猛スピードで突進して得た柳沢のゴール。一瞬の隙を見逃さずに飛び出してキーパーを危なげなくかわして得た大黒のゴール。
そこには、欠員が出ても難なくカバーできる頼もしい「層の厚さ」「チーム力」が見えた。
■風通しの悪さも、層の「薄さ」も…
ひるがえって、会社における人員配置を考えてみる。
育児休業、介護休業、あるいは傷病による休業者が出たとき、それを補ってパフォーマンスの継続性を確保できるだけのバックアップ体制が十分にあるだろうか。それとも「主力選手」を欠いたらすべての歯車がまわらなくなってしまうか。
それを決めるのは、仕事を進めるさまざまのノウハウを社員で共有できているかどうかである。特定の人物だけにノウハウが集中していれば、「この仕事はあの人に聞かないとわからない」「俺がいないと会社の仕事は回らない」となる。時に「権力」を生み、社内の風通しを悪くもする。いざというときにバックアップできない。育児休業などとんでもない(!)となる。
■「知の刀狩」
ただ、ノウハウの共有とは、言うは易し、だ。ノウハウを共有化する行為自体、相応の手間や時間がかかる。ただでさえ、自身の努力で獲得したノウハウを、保有者が何の対価もないままに、進んで他者に提供しようという気になるだろうか。「俺がいないと…」というプライドの源泉を、いとも簡単に差し出すだろうか。
いや、そんな奇特な労働者はそうはいない。
誤解を恐れずにいえば、ノウハウの共有とは、「知の刀狩」である。
だから、刀を差し出してもよいと思わせる取引材料を会社は用意する必要がある。
それゆえ、能力に応じた正当な人事評価が必要になってくるのだし、円滑に共有化が図られるようにノウハウを受け取る側の資質向上の研修が必要になってくるのだといえる。
■一流同士ならどこでも即戦力?
ある実験結果によると、サッカー選手に任意の状況でのプレーを選択させると、初心者はバラツキがあるのに、上級者では似通ってくるのだそうだ。即席で集められた一流のサッカー選手たちがいきなり見事な連携プレーを展開できるのは、そうした発想(暗黙知)のありようの類似性による、というのである。
会社も、社員のノウハウ・スキルがそこまでに行き着けば、育児休業も痛くないのかもしれないが…。
◆ 編集後記◆
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発行者 雇用システム研究所 代表 白石多賀子
東京都新宿区新小川町9番5号畑戸ビル
アドレス:info@koyousystem.jp
今週のメールマガジン第2号はいかがだったでしょうか?
お楽しみいただければ幸いです。これからさらに内容充実していきたいと思います。
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