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「指導」の名の下の暴力


       ☆雇用システム研究所メールマガジン☆
                               第4号
                               05/09/16


皆様、こんにちは。
秋暑ひときわ厳しい日が続いておりますがいかがお過ごしでしょうか?

雇用システム研究所メールマガジン第4号をお送りします。

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「指導」の名の下の暴力…パワハラを考える

 数々のドラマを生み出す「夏の風物詩」が、今年はことのほか、ほろ苦い後味を残しました。57年ぶりに夏の甲子園2連覇という快挙を成し遂げた駒大苫小牧高が、指導者による部員への暴力と事件隠蔽により、あわや「優勝取消」という憂き目を見た一件です。


■指導の場での暴力--------熱血指導の一環か? いじめか?


 指導の現場で起きた暴力には、大きく分けて2つの見方があるようにみえます。

 一つは、「優勝を目指す強豪チームであれば、選手強化や規律維持のために厳しい指導があって当然。名将と謳われたプロ野球の元監督も鉄拳制裁で有名だったではないか」という“熱血指導”是認論。互いの信頼関係と目的の正しさがあれば、一定の暴力性は昇華される。そもそも指導は「被指導者への一定の強制力」がなければ成立しない――との見方です。

 もう一つは、「指導に名を借りた暴力は、抵抗する術を持たない弱者への『いじめ』にほかならない。教育現場で行われるなどもってのほかだ」という暴力反対の原則論。指導者と被指導者の関係であればなおのこと、一切の暴力性があってはならない。指導者への権力の集中は、支配と従属の関係を過度に構造化して危険――という見方です。


■43%の企業でパワハラ発生という実態


 「暴力性と隣り合った指導」「指導の名の下の暴力」は、何も高校野球に限った話ではありません。

 企業の中でも、達成困難なノルマや、人格攻撃を含む執拗な叱責や、見せしめ的な集団無視といった形で、暴力性と地続きの指導が行われている現実があります。最近流行の言葉でいう「パワーハラスメント(パワハラ)」ですが、中央労働災害防止協会の調べによれば、なんと43%の企業でパワハラが発生事例があるそうです(*)。

(*「パワーハラスメントの実態に関する調査研究報告書」(平成17年3月):東証一部上場企業のうち1000社を調査し209社回答)


■健全かつ効果的な指導のあり方


 パワハラは、社員の心の健康を害し、職場風土を悪くし、生産性の低下すら招きます。優秀な人材の流出や企業イメージ悪化にもつながりかねません。先の調査結果によれば、82%の企業がパワハラ問題を重要課題の一つであると認識しているそうです。

 しかし、いざ問題を取り上げていくとなると、「管理者が弱腰になる」56%、「上司と部下の深いコミュニケーションがとれなくなる」48%、「権利ばかり主張するものが増える」44%、「若手をきちんと教育できなくなる」33%といった問題への派生に懸念があるとのこと。暴力反対原則論と熱血指導是認論の間のジレンマといえましょう。

 企業をめぐる環境が変貌し、社員の意識・価値観もかつてと今日とでは異なってきています。健全かつ効果的な指導のあり方について、皆さんはどうお考えになりますか?
(福島敏之)

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◆ 編集後記◆
  
 例年8月末に1泊の人間ドック検診を受けています。15年ほど受診していますが、今年は検診体制が大幅に変わり、はじめは「えー」という感じでした。よくよく考えると4月よりの個人情報保護法の施行にともなう病院としての対策であることに気がつきました。例えば、4回ある採血も以前はホールで一斉に行われていましたが、今回はその都度病室まで来ていただけましたので、受診者にとってはサービスの向上かなと思いました。

 個人情報保護法の施行にともない各企業は細心の注意を払っていますが、病院は異常とも思えるほどの対応ぶりで、企業においては社員の健康管理に支障が出てきました。安衛法の定める定期健康診断の検診結果はすべて事業者に集積されるべきものですから、労働者の同意は不要です。しかし、病院は個人情報保護法をたてに検診結果を渡してくれないことがあります。このような場合は、下記の事項を病院側に説明してください。

 (1) 安衛法120条による健康診断を実施する義務が刑罰により強制されている。

 (2)健康情報を入手できないと安衛法66条の7による必要な措置等を講ずることができない。

 (3)判例上認められている安全配慮義務を履行することができず、その結果、損害賠償を負担させられ得る場合がある。

皆さんも、年1回は必ず健康診断を受けて健康な身体で仕事に励みましょう。
(白石) 

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発行者  雇用システム研究所 代表 白石多賀子
     東京都新宿区新小川町9番5号畑戸ビル   
     アドレス: info@koyousystem.jp



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お楽しみいただければ幸いです。これからさらに内容充実していきたいと思います。
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