「壁」を打破するために(2)
☆雇用システム研究所メールマガジン☆
第13号
06/02/01
寒さの中にも、どことなく、春の兆しを感じるようになりました。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
雇用システム研究所メールマガジン第13号をお送りします。
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「壁」を打破するために(2)
〜ライブドアショックと社員の「忠誠心」
前回のメルマガが発信された1月16日、ライブドア社に東京地検特捜部の強制捜査が入りました。
「偽計取引」と「風説の流布」という二つの容疑でしたが、翌日から株式市場が大混乱に陥る事態となったのは、皆様ご承知のとおりです。命名された「ライブドア・ショック」という言葉は、すでにもうインターネット上の百科事典「Wikipedia」で詳細な解説が掲載されているほどです。
☆☆ 厚遇と冷遇の格差が生み出す「リスク」 ☆☆
こういう時にありがちですが、元社員によるマスコミでの「暴露」も始まっています。会社にとって、社員は“可能性”であると同時に、“リスク”でもあるということを、実感するひとコマです。
同社は徹底した成果主義を敷いているといいます。高い査定を受けた社員の中には月収2000万円を得ている者もいたのだとか。しかし、社員の平均在籍期間はわずか1年3カ月。
厚遇と冷遇の格差は、悔しい思いを抱く無数の敗残者を生み出してしまうものなのかもしれません。それは、期せずして、「リスク」を量産することにもなっているのではないかという気がします。
☆☆ 「誠実な人には絶対に失望させない」 ☆☆
人が働くのは、何もお金のためだけではありません。もちろん、それも重要な要素の一つではありますが。
社員を大事にする会社として日本でも紹介されるシチズンズ・ファイナンシャル・グループ。そのラリー・フィッシュ会長は、毎朝出勤すると一番に、何人かの優秀な社員に向けて功績を称える手書きのメモを送るのだそうです。
社員1000人をファーストネームで呼ぶことができ、社員が顧客から不当な非難や嫌がらせを受けた場合は大口の取引を中止してまで社員を弁護するとも。
「誠実な人には絶対に失望をさせないと言ってある。その約束を果たすことができれば、社員は崖っぷちにだってついて来てくれるだろう」「自分の職場に誇りを持たせるのは大切なことだ」とはフィッシュ会長の弁です。
(詳しくお知りになりたい方は、ロナルド・J・オルソップ著『レピュテーションマネジメント』日本実業出版社をご参照ください)
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社員が「誠」を尽くしてくれるように、会社がなすべきことは何か。
私見ですが、それは「精神的支柱を示す」ということではないでしょうか。
自分に近い年代の者に対してだけではなく、若年世代にも愚直に粘り強くアピールしていく。
それは、給与体系の見直しよりも重要なことなのかもしれません。
忠誠心はお金では買えるものではない――わけですから。 (福島敏之)
■ビデオの推薦■
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各巻 38,000円 2巻セット 75,000円 監 修 白 石 多 賀 子
平成18年4月1日より「高年齢者雇用安定法」が改正されます。
改正法の基本と導入の留意点等について事例を含めてわかりやすく説明しています。
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◆ 編集後記◆
先日、朝日新聞の「ひと」欄に、第85代警視総監に就任された伊藤哲朗氏の記事が掲載されていました。
伊藤氏は、11年前の阪神大震災のとき、警察庁交通規制課長として東京の対策本部で地図を広げて現地を動かしていましたが、机上から次々と繰り出す指示にいらだつ現地の部下から「災害はそっちの会議室で起きているわけじゃない。無茶をおしゃるなら一度いらしてみたらどうか」と言われ、部下の気持ちに応え、直ぐに現場に赴き、「確かに来てみないとなあ」と感じたそうです。
そして部下は、伊藤氏のこの素速い行動力にただ絶句したとのことです。まさに、『踊る大捜査線』の名台詞と同じ状況です。
現場で頑張っている社員達は、「現場をもっと知ってほしい」との声を発しています。
人材の大切さが叫ばれはじめた昨今、「社員」を大切にするためにも現場に出向いてコミュニケーションをはかることが肝要ではないでしょうか。(白石)
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発行者 雇用システム研究所 代表 白石多賀子
東京都新宿区新小川町9番5号畑戸ビル
アドレス: info@koyousystem.jp
今週のメールマガジン第13号はいかがだったでしょうか?
お楽しみいただければ幸いです。これからさらに内容充実していきたいと思 います。
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