「壁」を打破するために(3)
☆雇用システム研究所メールマガジン☆
第14号
06/02/16
春の訪れを思わせるころとなりました。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
雇用システム研究所メールマガジン第14号をお送りします。
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「壁」を打破するために(3)
〜任せること・向き合うこと
前回の当欄では、社員が「誠」を尽くすに足るだけの「精神的支柱を示す」ことの重要性と、それを実践している企業について触れました。今回のお話は、その先の話です。
採用した社員に、会社に貢献しうる能力・スキルをわが身で体得してもらい、できるだけ長く実績を上げ、働き続けてもらうために何をどうすればよいのか...について。
キーワードは、「任せること」です。
こんなエピソードがあります。
従業員わずか数名から急成長した、ある情報サービス企業を興した経営者は、こうよく言っていたという。「うちの会社では育てられようとする社員は要らない。必要なのは勝手に育っていく社員だ」
その言葉だけ聞いた人は、その経営者が人材育成に無関心だったと思うかもしれない。しかし、事実は違う。その会社からは、実際に多くの人材が輩出され、その経営者をモデルに、みずからも会社を興すべく育っていった。人が勝手に育つためには、 しっかり一人の社員をみつめ、適材適所に配置し、責任を与え、自分も一緒に走っていかなければならないのだ。
それをその創業者が実践していたからこそ、その会社は本当の意味で人材を育ててきたのである。
(佐藤博樹・玄田有史著『成長と人材――伸びる企業の人材戦略』
勁草書房 より)
この経営者の言葉は、一見、「人材が育つかどうかは、会社の取り組み如何ではなく、個人の資質の問題だ」という自己責任論の主張のようにも見えます。
もちろん、会社がいくら笛を吹いても踊らない社員がいることを考えれば、社員の育つ・育たないの責任は、すべて会社に帰せられるとはいえません。言い方は乱暴ですが、“育てられようとする社員は要らない”は、経営を預かるものとしてのホンネでありましょう。
しかし、この経営者は、実際には社員の個性を踏まえて、責任を伴う仕事を「任せ」た。一緒に走って、育て上げた。しっかり向き合っています。※もちろん、成功の裏には、採用した社員の資質もあるでしょうから、採用も重要な要素なのではありますが...。
* *
最後に、同書から、いいフレーズがあったので、引用して終わります。
《 期待され、任されることで、社員は企業への帰属意識を高め、
そこにやりがいを感じるのである。
任すことは一つの重要な人材育成の戦略である。 》
(福島敏之)
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◆ 編集後記◆
先日、リッツ・カールトンホテルの日本支社長高野登氏の講演会に行ってきました。
リッツ・カールトンはディズニーランドと並び、「お客様の満足を超えるサービス」を提供しています。
最近は、多くの企業がこの2社の経営に関心を示しており、今回の講演会は通常の倍近い人々が参加していました。
リッツ・カールトンは、世界中どこの国で働いていても、企業理念を理解して行動ができる人材を育成しています。
そして「やらない文化より、結果は失敗でもやる文化」を大切にし、成功・正確ではなく、考えて行動に移すことを重要視しています。
「理解した」のと「理解して行動に移せる」のとは違います。その差は、リーダーがいかに指導するかにあるようです。
リッツ・カールトンホテルは、2007年に六本木の旧防衛庁跡地にオープンしますので、「お客様の満足を超えるサービス」とはどういうものか、一度体験してみてはいかがですか。(白石)
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発行者 雇用システム研究所 代表 白石多賀子
東京都新宿区新小川町9番5号畑戸ビル
アドレス: info@koyousystem.jp
今週のメールマガジン第14号はいかがだったでしょうか?
お楽しみいただければ幸いです。これからさらに内容充実していきたいと思います。
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