新入社員育成(2) 〜仕事は"塊"として渡す/自身の可能性を実証させる〜
☆雇用システム研究所メールマガジン☆ 第44号 2007/05/17 http://www.koyousystem.jp
うっすらと肌の汗ばむ季節、初夏の足音が聞こえてくるようです。 みなさま、いかがお過ごしでしょうか?
雇用システム研究所メールマガジン第44号をお送りします。
新入社員育成(2)
〜仕事は"塊"として渡す/自身の可能性を実証させる〜
自分の一生をかけるにふさわしい仕事なのか。 自分の可能性を開花させられる職場なのか。
――入社後に特有の迷いの淵から新入社員を救うには、一歩一歩着実に「成長」している自分を実感させてあげることしかありません。もちろん、自分の配属に納得できず、不満を感じる社員もいるでしょう。だからこそ、できるだけ早くに、「組織のなかで機能し、承認され、感謝される自分」を見出せるように、成長を促す必要があります。
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☆☆ やる気の「5つの条件」 ☆☆
成長のための最も大事な要素は、"やる気"です。
人材育成コンサルタントの森田英一氏によると、部下に仕事を渡すときに、それを意識するのとしないのとで部下のやる気がまったく異なってくる「5つの条件」なるものがあるといいます。アメリカの心理学者ハックマンとオールダムの研究成果に基づくものですが、それは次の5つ。
@スキルの多様性
…仕事の内容が変化に富んでいて、多様な能力や技術を活用できる。
A完結性
…一つのまとまった仕事を最初から終わりまで自分で完成できる。
B重要性
…自分の仕事の結果が他の人々に対して明らかな影響を与える。
C自律性
…仕事の進め方を自分で決めることができる。
Dフィードバック
…自分がやった仕事の結果や仕上がりのレベルを明確に知ることができる。
(森田英一著『「3年目社員」が辞める会社辞めない会社――
若手流出時代の処方箋)』東洋経済新報社刊)
これらを満たすのに効果的なことは、その社員に責任を持って担当させる「仕事の塊」を意識的につくるということだそうです。部分部分を渡すのではなく、全体を渡す。仕事の内容が変化に富み、その仕事のはじめから終わりまで立ち会うことができ、やりがいを感じ成長実感を持てる、というわけです。
☆☆ 「水を運ぶ」役割へのフォローを ☆☆
そもそも、ベテランの域に達する社員も含めて、100%満足のいく環境で仕事をしている人など、まずいません。それでも、その環境に対応する努力を重ねています。
サッカー日本代表のオシム監督が言うように、「水を運ぶ」役割が組織には必要です。大事なことは、その役割を担わせられたからといって、「水を運ぶしか能がない」と認定されたわけではないということです。環境に適応し、機能したという事実が、可能性を一つひとつ実証するプロセスであるという点にこそ着目すべきですし、そのようなフォローが必要でしょう。
眼前の環境への適応感度を鈍らせる「自分は何者か」という問いは、ひとまず括弧に入れて、組織のなかで機能する。そのことの大切さを、彼ら・彼女ら自身の成長実感を通じて伝えたいですね。 (福島敏之)
ワンポイント講座----------- 年 金 法 編
-----年金法が改正されます―その2-----
4月から実施される年金法の改正のうち、年金受給に関する項目について説明します。
【70歳以上の在職老齢年金制度】
保険料を負担している現役世代との公平をはかるため、今まで年金を全額受給していた70歳以上の在職者(厚生年金保険の被保険者の資格要件を満たしている者=健康保険の被保険者)も在職老齢年金制度の適用対象になりました。
70歳以上の在職者は、厚生年金被保険者にはなりませんので、保険料の負担は事業主、社員ともに発生しません。
しかし、事業主は70歳以上の在職者に関する報酬月額や賞与額の届出が義務付けられています。
在職老齢年金の調整方法は、65歳台後半に適用されるしくみと同じです。
改正の対象者は、昭和12年4月2日以後生まれの方です。昭和12年4月1日以前の生まれの方は在職中でも改正法は適用されません。
【65歳以降の厚生年金繰り下げ】
65歳以後の老齢厚生年金を受給できる方が、65歳で受給せず、66歳以後に支給の繰下げの申出をした場合、その申出をした月の翌月から増額された老齢厚生年金を受けることができます。
対象は平成19年4月1日以後に65歳以後の老齢厚生年金の受給権が発生した方です。
老齢厚生年金の受給権を取得したときや取得してから1年を経過した日までに遺族年金などの他の年金を受給できる権利を有している方は繰り下げの申出はできません。
繰り下げの申出は月単位で行うことができ、1か月につき0.7%増額され、最大で42%増額されます。
従来より老齢基礎年金は繰り下げることができますが、老齢厚生年金と同時に繰り下げることも、どちらか一方だけ繰り下げることもできます。
在職老齢年金の対象者が繰り下げをする場合は、在職老齢年金制度を適用して、支給される部分が繰り下げされます。ですから、全額支給停止となる場合は繰り下げをしても増額はありません。
また、60歳台前半に支給される特別支給の老齢厚生年金は繰り下げ受給ができません。
【受給権者の申出による支給停止】
本人からの申出により、年金を全額受け取らないことも可能となりました。
申出した翌月から支給が停止され、また、いつでも停止の撤回の申出ができ、その翌月から支給が再開されます。繰り下げとは違いますので、停止期間中の年金は増額されません。(石橋)
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モチベーションを高め有能な人材を確保する
パート・高齢者・非正社員の処遇のしくみ
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パート等の非正社員の活用の仕方で、企業の生産力に格差がつきます。
今、雇用問題では、団塊世代の大量定年退職の2007年問題、非正社員の処遇問題があります。これらの問題を解決するために第一歩を踏み出していただきたいと願い執筆しました。また、労働基準法等の法律解説、労働・社会保険の知識についてもわかりやすく解説しています。
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平成18年4月1日より「高年齢者雇用安定法」が改正されます。
改正法の基本と導入の留意点等について事例を含めてわかりやすく説明しています。
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編集後記◆
まだ5月だというのに、各地で30度を超える暑さが記録されています。
豪州では干ばつで、50年ほど前のメルボルン五輪のボート競技会場だったウェンドリー湖の水が干上がったそうです。近年、地球全体が高温傾向にあるようです。雨より晴れの方が、心も弾み行動もしやすいですが、急激な気温の変化は季節感を失い、また、疲労感も増幅します。
日本青少年研究所は、日米中韓4カ国の高校生についてアンケートによる意識調査を実施(2006年10月から12月)し、その結果を発表しました。その中の意欲に関する質問で、「偉くなりたい」と回答した高校生は、日本ではわずか8%で、他の3カ国より大幅に低く、その理由として「時間がなくなる」「責任が重くなる」との答えが多かったようです。
最近、この「偉くなりたくない」という意識について、結構相談を受けることがあります。企業が社員の経験・能力を判断してリーダー等の役職に就けると、逆に退職してしまうケースが見受けられます。
今回の調査対象となった高校生もこれから5年位の間に、社会人として企業に就職してきます。この若者達を迎える企業にとって、「やる意欲」や「仕事の楽しさ」を如何にして身につけさせ、「責任」の大切さをどのように指導していくか、かなり難しい課題ですね。(白石)
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発行者
雇用システム研究所 代表 白石多賀子
東京都新宿区新小川町9番5号畑戸ビル
アドレス:info@koyousystem.jp
今週のメールマガジン第44号はいかがだったでしょうか?
お楽しみいただければ幸いです。今後もさらに内容充実していきたいと思います。
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