人間関係のストレスの持つ、これだけの脅威
☆雇用システム研究所メールマガジン☆
第47号
2007/07/04
http://www.koyousystem.jp
7月に入り、梅雨明けが待ち遠しく感じる今日この頃です。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?
雇用システム研究所メールマガジン第47号をお送りします。
人間関係のストレスの持つ、これだけの脅威
前回は、いわゆる“社保庁バッシング”から出発して、「厳しい批判にさらされながら何も手を打てない状況」が群を抜いて悪性度の高いストレスである、というお話をしました。人間関係にまつわるストレスが特に心身を困憊させるのは体感的にも実感されることですが、それを裏付ける次のような調査研究結果もあります。
▽理不尽に批判される、上司が自分たちの問題に耳を貸してくれない、 というような不満を感じている労働者は、公平な扱いを受けていると 感じている労働者に比べて、心臓の冠動脈疾患の割合が30%高い
▽現に人間関係で問題を抱えている人は、そうでない人に比べて
風邪の感染率が2.5倍も高い
▽ストレスの原因に人間の意図が絡んでいるかどうかで、ストレスホルモン
(コルチゾール)の分泌量が正常化するまでの時間に5割の差がある
(ダニエル・ゴールマン
『SQ生きかたの知能指数〜ほんとうの「頭の良さ」とは何か』より
日本経済新聞出版社 刊)
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☆☆ 公然たるダメ評価、生命の危険に匹敵するストレス ☆☆
しかし、なぜ人間関係のストレスがそれほどまでによくないのでしょうか。
人間は誰しも、原初的に「誰かに受容されたい」「どこかに所属していたい」という欲求を有しています。本能レベルで、自分を温かく迎えてくれる「人」や「集団」を求めているのです。言うなれば樹木のようなもので、豊かな大地(自分を温かく迎えてくれる「人」や「集団」)があって、太い根をはりめぐらすことができるからこそ、幹や葉を上へ上へと伸ばすことができるのです。
ストレスに満ちた人間関係とは、その部分の土壌が液状化し、根元がグラついてしまっている状態です。他に安全な人間関係を持っていなければ、それは「倒壊」の危機ともなります。
ダニエル・ゴールマンは、次のように述べます。
「他人の目の前で自分の地位や名望が脅かされるという状況は生物学的に非常に強い影響を及ぼすストレスで、生命の危険に匹敵するほどのストレスだ」
職場内では、相応に“叱責”もあるでしょうし、場合によっては降格人事が行われることもあるでしょう。しかしそれが瞬間的に《生命の危険に匹敵するほどのストレス》というのですから、いかに日頃のコミュニケーションやフォローが大切かということなのだろうと思います。
☆☆ 「旅は道連れ、世は情け」 ☆☆
日頃のコミュニケーションといえば、まずは「挨拶」。
挨拶とは「あなたに対して心を開きます」というシグナルだ、というのは精神科医の夏目誠氏(大阪樟蔭女子大学教授)。目的達成の道具として部下を見るのではなく、「旅は道連れ、世は情け」の気持ちで、毎朝気分をリセットされてみてはいかがでしょうか。
(ストレスとメンタルヘルスの話は次号も続きます)
(福島敏之)
◆ 編集後記◆
また、年金のお話です。
「浮いた年金」「消えた年金」で、会う人ごとに年金記録の問題が話題になります。
社会保険労務士が協力している電話による年金相談が16日から東京都の研修センターで始まりました。この研修センターは、長い間使用されていなかったためにエレベーターと水道が使用できません。蒸し暑いこの時節、もちろんクーラーも使用できませんので、数台の扇風機を頼りに、電話による応対作業に追われています。それでも20日過ぎから電話の受信件数は減少してきているようですし、社会保険事務所の年金相談でも待ち時間が短縮されたようです。
友人から「熱しやすく冷めやすい日本人の特性なのでしょうか」とのメールが届きましたが、私たちの老後を支える大切な年金です。
先ずは自分の記録をしっかり確認してから冷めていただきたいと思います。
しかしながら、次から次へと出てくる「保管記録紛失」「横領」の記事に、年金制度に携わる者として辛く、いいようのない心境にあります。いずれにせよ、この機会を逃さず、徹底して原因を究明し、私たちが信頼できる体制を整えていただき、安心した老後を迎えられるようにしてほしいですね。(白石)
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発行者 雇用システム研究所 代表 白石多賀子
東京都新宿区新小川町9番5号畑戸ビル
アドレス:info@koyousystem.jp
今週のメールマガジン第47号はいかがだったでしょうか?
お楽しみいただければ幸いです。今後もさらに内容充実していきたいと
思います。
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