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従業員の「メタボ」に対する会社の責任は?

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         ☆雇用システム研究所メールマガジン☆
                                 第67号
                               2008/05/16
           http://www.koyousystem.jp
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  立て続けの台風の影響で、5月の爽やかな日が待ち遠しいです。 
  皆様、いかがお過ごしでしょうか。

  雇用システム研究所メールマガジン第67号をお送りします。  

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  □ 目次

  ■ シリーズ:今春からの生活習慣病対策、企業はどう向き合う?

  -----5 従業員の「メタボ」に対する会社の責任は?
       特定健診と「安全配慮義務」

  ■安全配慮義務違反のリスクが拡大する?
  ■たとえば「夕食の時間」という要素

                    (以上執筆者 福島敏之)


  ■[編集後記](編集長 白石多賀子)
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  シリーズ:今春からの生活習慣病対策、企業はどう向き合う?
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 5 従業員の「メタボ」に対する会社の責任は?
   特定健診と「安全配慮義務」
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  最近では“メタボ健診”なる通称が一般化してきた「特定健診」。40歳以上の国民一人ひとりの生活習慣病の発症リスク(特にメタボリックシンドローム)を把握して、それに見合った指導を展開するというものですが、企業に雇用される従業員については、労働安全衛生法 に基づく「事業主健診」を受けることで代用できます。
  ただし、その事業主健診は、従来になかった「腹囲の検査」が追加されるなど、検査項目の見直しが4月から図られたところです。
 この見直しをめぐって、企業には不安が広がりました。そう、

 「安全配慮義務 違反のリスクが拡大するのではないか」という懸念です。


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 ■■■ 安全配慮義務違反のリスクが拡大する? ■■■
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  過労死等をめぐる裁判では、定期健康診断の結果であろうと法定外の健康情報であろうと、事業者が知ってしまった以上は、当該健康情報に基づいて安全配慮義務を問われるというケースが増えてきています。
  …である以上、企業の知ることとなる「従業員の健康情報」の範囲が拡大することは、有事の際の賠償責任の幅が広がることにもなりかねません。

  また、腹囲が85センチ以上であった者に対する「安全配慮義務」として、具体的に何をすればいいのかという問題もあります。
 いわゆる「就業上の措置」としての、労働時間短縮や就業場所の変更や休業といったオプションのなかで、実際に何をすればいいのか。
  むしろそれは肥満者に対する差別だとの反発を招きかねないのではないか。
 何もしないで過労死にでもなれば、それはそれで「安全配慮義務違反である」
 と断罪されるのか――等々。


  これらの問題は、特定健診が施行される前から経営者団体がこぞって問題提起していたものでした。
 一応、この問題については、「腹囲」は医師が労働者の状況を総合的に判断するための指標のひとつであり、改正前の「BMI」という従来の指標となんら扱いは変わらない――と整理され、腹囲測定の項目追加という事実をもって「責任範囲拡大」
 を意味するものではない旨が、指針や通知に明記されました。

  「この項目の追加によって、事業者に対して、従来と異なる責任が求められるものではない」(健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針=平成20年1月31日)

  「従来からBMIのみで事後措置を求められることはなかったのと同様に、腹囲のみで事後措置を行う必要はない」(基発第0121001号=平成20年1月21日)


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 ■■■ たとえば「夕食の時間」という要素 ■■■
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  しかし、指針や通知で「従来どおり」とされているからといって、それを鵜呑みにしてしまっていいものでしょうか。
 ここは、法令の意図する たとえば、現在の知見では、深夜に飲食すると脂肪の蓄積が起こりやすくなるとされています。
 だとしたら、これはメタボリックシンドローム該当者や予備群に限ったことではないですが、残業続きで夕食が連日深夜に及ぶことのないように、業務量を調整したり、軽食を摂る時間を認めるなど、《本人の努力ではなかなか越えられない壁》を低くしてあげる配慮が求められるのではないでしょうか。

  実際、20〜40歳代男性の夕食の開始時刻は3人に1人が「午後9時以降」で、30歳代・40歳代男性の7.0%以上が「午後11時以降」あるとのこと。傾向として、年齢層にかかわらず男女とも午後9時以降の夕食が増えているそうです 
 (厚生労働省「平成18年国民健康・栄養調査」)。

  個人のライフスタイルの変容という一面もあるでしょうが、厚生労働省は「人員削減で社員減少などによる長時間労働が影響しているのではないか」と分析しています。


   *     *


  会社の発展は、従業員の「心身の犠牲」を踏み台にしたものであってはなりませんし、そのような見られ方をされないような配慮も必要なのだと思います。
  今春からの特定健診も、法令や指針や通知だけを見るのではなく、その背後にある“時代の求めるもの”をキャッチするきっかけにしていただければ…と念じます。



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□■ 編集後記  
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  皆さんは、講習会・講演等に参加したときに隣り合わせた方に話しかけますか?
 長時間あるいは継続的な講習会の場合は別として、単発的な会で初対面の方とお話しするのはなかなか難しいと思います。
 でも思い切って声を掛けてみる と意外な展開があって、思いがけず楽しいひとときを過ごすことができたり、新たな情報や知識を得ることもできます。

 最近は、メールでの情報交換が多くなりましたが、軽便性とは裏腹に「情報の誤認」や「理解力不足」等による誤解や疑念も生じやすいとの嘆きの声も聴きます。
 情報量は、「言語」では7%、「音声」では38%、「身体」では55%で、“Face to Face”のコミュニケーションで得られる情報量は格段に大きいとのことです。

  顔を合わせ、お互いの表情を見ながら会話をすることにより、見えなかったものが見えるようになり、より広く深く相手を理解することができます。
 この積み重ねが人材の開発に繋がります。

  日本能率協会発表の新人社員の意識調査で、上司との人間関係をつくるには複数回答ですが、最多は「飲み会への参加が有効」89%、「社員旅行」 70%です。
 また「定年まで勤めたい」は33%で年々増加傾向とのことです。そしてこの調査結果から「人間関係を保ちつつ長く働きたい意識が読み取れる」と分析しています。

  職場では、家族以上に長い時間一緒に過ごすことになりますので、相互に心通わせ相手の特性を引き出すような接し方をしたら如何でしょうか。(白石)




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 発行者    雇用システム研究所 代表 白石多賀子
     東京都新宿区新小川町9番5号畑戸ビル   
     アドレス:info@koyousystem.jp

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    お楽しみいただければ幸いです。今後もさらに内容充実していきたいと思います。
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   次回の配信は新年6月初旬頃情報を送らせて頂きます。


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