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「後期高齢者医療制度」騒動の底流を読む

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         ☆雇用システム研究所メールマガジン☆
                                 第69号
                               2008/06/16
           http://www.koyousystem.jp
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  紫陽花の色も鮮やかに、大輪の花を咲かせる頃となりました。
  皆様、いかがお過ごしでしょうか。

  雇用システム研究所メールマガジン第69号をお送りします。  

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  □ 目次

  「後期高齢者医療制度」騒動の底流を読む

  ■老人医療の「財政規律」は社会の要請だった
  ■国民皆保険維持は並大抵ではない
  ■政治的衝突を避け、産み落としてはみたものの…
                    (以上執筆者 福島敏之)


  ■[編集後記](編集長 白石多賀子)
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 「後期高齢者医療制度」騒動の底流を読む
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  前回まで「特定健診・特定保健指導」についてご紹介してまいりましたが、それと同時に今春からスタートした制度に
  「後期高齢者医療制度(長寿医療制 度)」があります。

  どちらも、医療制度改革の一環として実施されたものですが、後期高齢者医療制度については“入山料とる姥捨て山”との強烈な造語も登場するほどに不評を買っています。

  政府は低所得者向け軽減策を打ち出しましたが、制度に対する不信感はなおも止む気配がありません。そもそもなぜ同制度の導入が必要とされたのか、
  同制度のいったい何がいけなかったのか――。
 
  掘り下げて整理してみたいと思います。


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 ■■■ 老人医療の「財政規律」は社会の要請だった ■■■
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  今年3月末まで、お年寄りの医療保障は「老人保健制度」という制度で運営されていました。

 老人保健制度は、一言で言えば国民健康保険(国保)を救済するための仕組みです。職場の健康保険は原則として在職中しか加入できないため、定年等で退職した後には国民健康保険が受け皿となるわけですが、現役を引退して収入が細ったうえに加齢で病気がちとなった高齢者を多く抱えれば、たちまち収支は悪化します。

 だからその分の穴埋めを、健康保険(ひいては保険料を払っている事業主や被保険者)に求める仕組みが1983年に創設されました。それが老人保健制度です。

  しかし、穴埋めが担保されていれば、そもそも「支出を抑えなければ」という誘引が働きません。病院からの請求明細の点検といった取り組みも不十分で、ベッドが需要を掘り起こすとも揶揄される老人病院の「供給量」にメスは入れられず、老人医療費がうなぎのぼりに伸びるのを、指をくわえてみているだけの構図となり、穴埋めを負担させられる健康保険(ひいては企業)の不満はマグマのように鬱積していました。

  老人医療費について、「財政責任を持つ保険者を特定し、財政規律を持たせるべきだ」との社会的要請は確かに厳然と存在していたのであり、それが後期高齢者医療制度創設の背景となったことは、忘れてはなりません。



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 ■■■ 国民皆保険維持は並大抵ではない ■■■
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  しかし、財政規律強化とは、別の見方から眺めれば、「医療費切り詰め」ということにつながります。

  後期高齢者医療制度では、患者負担分を除く医療費の1割を被保険者(75歳以上の被保険者・65歳以上の一定以上の障害のある者)が支払うことになっています。この「1割」という割合は不変ではなく、総人口に占める後期高齢者の割合が多くなればそれに連動して上昇します。言うなれば、後期高齢者は自分たちの世代が「長寿」であることの対価を払わなければならないという仕組みです。
  しかし、保険料の引き上げはいずれ臨界点が訪れるでしょう。公費投入増で保険料負担の伸びを緩和させようにも、借金まみれの国家財政に財政出動の余地は極めて乏しいと言わざるを得ません。増税は国民生活を直撃し経済を冷やします。

  ――となれば、保険料をテコとした医療費抑制を本格化させて収支の辻褄を合わせるしかなくなる、ということになります・・・。

  このへんの先行きの暗さが“入山料とる姥捨て山”と揶揄される所以ですが、しかし、後期高齢者1人を支える現役世代の頭数が少なくなっていくわけですから、現役世代への負担が過度となって制度そのものが潰れてしまわないようにも配意する必要も、確かにあるわけです。

  言葉にすれば「国民皆保険の維持」ということになりますが、それは実際のところ、生活のかかった世代間・世代内のギリギリの利害調整であります・・・。


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 ■■■ 政治的衝突を避け、産み落としてはみたものの… ■■■
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  後期高齢者医療制度は、そこかしこに曖昧さを残した、文字通り「妥協の産 物」です。仕切り役を任ずるのは、国でも都道府県でも市区町村でもない、「広域連合」という組織。

  健康保険らからの“穴埋め”は相も変わらず残りますが、その理由づけも曖昧。今後医療費が予想を上回って高騰した場合に、後期高齢者をはじめとする国民各層がどのような影響を被ることになるかも不明。

  政治的衝突を避け、とにかく産み落とすこと一点に腐心したからこそ、制度としては成立しました。しかし、国民皆保険維持がどれだけ大変なことで、それを支えるためにどのような負担の仕方が社会としてあるべき姿なのか
 ――という問いへの答えにはなっていません。

  複雑で曖昧にすれば衝突も減るでしょうが、理解がされなくなります。
 《制度が始まってしまえばこっちのもの》という思惑もあったかもしれませんが、今回は、そうは問屋がおろしませんでした。

  理解が行き渡ってこそ、長い付き合いができるというものです。

 「シンプル・イズ・ベスト」。
 
  これは日々の仕事の中でも痛感する事柄ですね・・・。
                             (福島敏之)



 編┃集┃後┃記┃***************************************************
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  先日、「非正社員の有効活用」について講演した折、同じセミナーで行われた食品スーパー(株)成城石井の大久保恒夫社長の特別講演をお聴きすることができ、私の仕事上も大変参考になりました。

  大久保氏は、イトーヨーカー堂の構造改革に取り組んだ経験を活かし、コンサルタント会社を設立して、ユニクロ、無印良品等の経営改革を成功させ、昨年(株)成城石井の代表取締役に就任しています。

 大久保氏のお話を幾つかご紹介させていただきます。

 ○小売業の企業価値は、お客様の満足度と売り場であり、それに携わる “人(=従業員)”が一番重要である。
  従業員の頑張る気持ちで売上げは上がり、奇襲奇策はない。

 ○小売業の利益の差は、マネジメントレベルであり、現場で実行できる事項のみに絞り込む。多くを指示しても混乱するばかりで無理である。

 ○ディスカウント、チラシは目先の売上げは上がるが、逆に固定客が離れ将来の売上げには結びつかないため、固定客に定番商品を購入してもらう。

 ○お客様を満足させるには、挨拶などの基本を徹底的に行う。
  挨拶ができれば 苦情が減る。
  挨拶はお客様の顔を見てアイコンタクトが大切である。
  そのため多少時間が掛かっても正確に仕事ができればよい。

  等

  大久保氏の特別講演の前に話した私は、話に引き込まれながら「私の説明と主旨が違ったらどうしよう」と少々不安が横切りましたが、関連する部分の企業方針・対応に特に相違はなく一安心。

  やはり“コミュニケーション”が大切です。
 
  皆さんも部下や後輩に指示を出すときは、
  顔を見ながらお話しをされたら如何でしょうか。

  “コミュニケーション”は紛争を未然に防止します。      (白石)



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 発行者    雇用システム研究所 代表 白石多賀子
     東京都新宿区新小川町9番5号畑戸ビル   
     アドレス:info@koyousystem.jp

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    お楽しみいただければ幸いです。今後もさらに内容充実していきたいと思います。
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