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全員参加のオープンな相互批判

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         ☆雇用システム研究所メールマガジン☆
                                 第74号
                               2008/09/16
           http://www.koyousystem.jp
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  台風13号が発達しながら沖縄、九州に接近しています。
 秋は台風の季節とはいえ、最近は大雨による水害が多発していますので、お気をつけください。

  雇用システム研究所メールマガジン第74号をお送りします。  

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  □ 目次

  全員参加のオープンな相互批判  

  ■勝利こそ「幸福の最大公約数」だ
  ■勝利のための「意味ある声出し」
  ■仕事における「幸福の最大公約数」とは
                  (以上執筆者 福島 敏之)

  ■10月19日から東京都の最低賃金が766円、27円アップ
  ■全国加重平均では15円アップ
  ■永遠に一致をみない引上げ額
                  (以上執筆者 津山 勝四郎)

  ■[編集後記](編集長 白石多賀子)
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 全員参加のオープンな相互批判
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 前回に引き続き、慶応高校野球部のチームづくりに関する話です。

 有力選手が集って切磋琢磨し、内外の競争に打ち克った者だけが立てる桧舞台=甲子園。ダイヤモンドで活躍するレギュラー選手と、ベンチ入りに漏れた部員たちの間には、当人たちにしかわからない天と地ほどの「格差感」があるといいます。常連の強豪校ともなれば、野球優等生が“国替え”して入学するのは半ば慣例とも化しており、多くは「我こそは!」との強烈な自負を持って野球部の門を叩いたわけです。舞台に立つ望みが絶たれたときの「無念」はいかばかりなものでしょう…。

 大所帯の部であれば、必然的に発生する、累々たる部内敗者たち。その彼らをして、かけがえのない「戦力」として遇し、チームとして一つにまとめ上げているのが、今夏の甲子園でベスト8まで上り詰めた慶応高校野球部です。

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 ■■■ 勝利こそ「幸福の最大公約数」だ ■■■ 
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 同部の上田誠監督は、試合で勝つことを“幸福の最大公約数”と定義します。

試合に出て活躍した者、活躍しなかった者、ベンチで出番がなかった者、ベンチに入れなかった者。その各人がともに享受できる幸福が、「試合に勝つこと」だというのです。ある打者が満塁ホームランを打ったにもかかわらず試合に負けたとき、幸福なのは打った彼一人。それではいけないだろうと。

 だから、その「幸福の最大公約数」を手にするために、自分には何ができるのか、何をなすべきなのかを自ら考え、実行することを、日々、レギュラー・補欠の分け隔てなく、一人ひとりに課しているのです。



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 ■■■ 勝利のための「意味ある声出し」 ■■■ 
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 その一つが、「意味ある声出し」です。
 ノンフィクション作家・辰野哲郎氏が同校に密着したドキュメンタリー
『マイナーの誇り』(日刊スポーツ出版社)には、次のように描かれています。

│上田(監督)は、「意味のある言葉を使え」と選手たちに繰り返し伝えてい 
│る。
│プレーに対して具体的な指示をしたり、批判したりすることを求める。
│意味のある言葉は、その意味がなんのために行われ、
│なにがよくてなにが悪いのかを理解していなければ出てこない。
│そこで初めて自主性が試される。
│「低い返球じゃないと打者走者の進塁を許しちゃうぞ!」
│「いまのはバックホームだろう!」
│「ランナーコーチの指示が悪いぞ」
│「なんでタッチアップしないんだあ」
│意味のない「ワー」「ウオー」は慶応では許されない。

 (辰野哲郎著「マイナーの誇り」日刊スポーツ出版社)

 プレーに改善の余地があったら直ちに指摘する。見当違いのプレーがあったら直ちに修整を求める。怠惰なプレーが見られたら直ちに叱咤し反省を求める。

チームメイト同士、耳に痛いことでもあえて口に出し、オープンに相互批判する。これによりプレーの精度が高まり、練習に緊張感がもたらされるということ
です。

 意味のある声出しは、いわば発声者が、一人で、みんなの前で、いま目の前で起きたことについて行うものです。おかしいと思ったことはその場で解決することを志向しているので、引きずりません。陰口の対極にある、発声者としての責任を負ってのフェアな異議申し立てです。

 下級生が上級生に“物言い”をつけることだってできます。運動部に伝統的に備わっている年次間の不可侵な「身分制」は、もとより撤廃されているのです(だから、練習後は、エースもトンボを持ってグラウンド整備に当たるのだそうです)。


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 ■■■ 仕事における「幸福の最大公約数」とは ■■■ 
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 高校野球と仕事を同列に扱うと怒られてしまうかもしれませんが、この「意味ある声出し」は仕事にも言えることだと思います。

《仕事に改善の余地があったら直ちに指摘する。見当違いの仕事があったら直ちに修整を求める。怠惰な仕事が見られたら直ちに叱咤し反省を求める。上司部下同僚同士、耳に痛いことでもあえて口に出し、オープンに相互批判する。これにより仕事の精度が高まり、緊張感がもたらされる》

 ただ、野球で言うところの“幸福の最大公約数”は「勝利」だとして、仕事における“幸福の最大公約数”とは何でしょうか? 
会社の売上げ?利益?株価上昇?

 …自主的な全員参加のパワーを組織から引き出すうえで、企業理念が重要となる所以なのだと思います。(次号に続く)
                             (福島 敏之)


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 ■■■ 10月19日から東京都の最低賃金が766円、27円アップ ■■■
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 東京都最低賃金(地域別)が、これまでの739円から27円引き上げて、時間額766円に10月19日から改正されることになった。東京地方最低賃金審議会(会長・安西愈弁護士)が8月25日に東京労働局長に答申を行ったことから、公示など所要の手続きを経て決定する。

 最低賃金は、事業場で働く全ての労働者とその使用者に適用され、常用・臨時・パートタイム労働者・アルバイトなど労働者の属性や性別、国籍や年齢に関係なく適用されるもの。ただし、精皆勤手当、通勤手当及び家族手当、所定外労働手当、臨時に支払われる賃金、賞与など1か月を超える期間ごとに支払われる賃金、などは算入されない。
 
 東京都の過去5年の引上げ額をみると、平成15年0円(708円)、平成16年2円(710円)、平成17年4円(714円)、平成18年5円(719円)、そして後述するごとく平成19年は2桁の引上げ額となり20円(739円)となり、今回の27円(766円)と続いた。

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 ■■■ 全国加重平均では15円アップ ■■■
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周知のごとく、最低賃金額の引上げは、毎年、中央最低賃金審議会が厚生労働大臣に答申することで引上げ額が決定することになるが、1円でも引上げ額を下げたい経営側と、全く逆の立場となる労働側の意見の一致はありうべくもなく、「最低賃金額改定の目安に関する公益委員見解」として、地方最低賃金審議会に提示され、今年度の引上げ額は全国で下記表の額が提示された。過去5年間で昨年度から引上げ額が2桁になったのは、先の通常国会で改正された最低賃金法において、生活保護に係る施策との整合性に配慮することが法律に明記され、最低賃金が生活保護を下回らない水準となるよう、中央最低賃金審議会で位置づけられたことにある。

〔表〕
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ランク /都道府県/ 金額
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│A│千葉、東京、神奈川、愛知、大阪 :15円
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│B│栃木、埼玉、富山、長野、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、広島 :11円
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│C│北海道、宮城、福島、茨城、群馬、新潟、石川、福井、山梨、
   岐阜、奈良、和歌山、岡山、山口、香川、福岡 :10円
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│D│青森、岩手、秋田、山形、鳥取、島根、徳島、愛媛、高知、佐賀、
   長崎、熊本、大分、宮城、鹿児島、沖縄 :7円
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最低賃金と生活保護水準の乖離額が存在するのは、地方から北海道(53円)、青森(11円)、宮城(20円)、秋田(9円)、埼玉(41円)、千葉(16円)、東京(80円)、神奈川(89円)、京都(33円)、大阪(34円)、兵庫(22円)、広島(22円)となっており、目安の答申では、乖離額について、事業主の支払能力、各地域の経済情勢や雇用状況の実態を考慮した上で、「原則として2年、引上げ額が大幅になる場合は3年程度、それでも影響が大きい場合は5年程度」としている。つまり、東京都の今年度27円の引上げは、乖離額80円を3年後に解消する引上げ額となっている。

 ちなみに、8月27日現在で答申が出て地方労働局のホームページに掲載しているのは、大阪府が17円引上げ(748円)で2年で解消、兵庫県が15円引上げ(712円)で2年で解消、となっている。東京都に関していえば、同じく2年解消で40円引上げという意見も出されたが、23区内はまだしも、特に島群に存在する事業所での負担の激変緩和が考慮されたという。


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 ■■■ 永遠に一致をみない引上げ額 ■■■
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 最低賃金の引上げ額については、労働側と使用者側の意見の一致はありえないと断言できる。今年度の答申についても、日本商工会議所は、地方最低賃金審議会の自主性に期待しながらも、

「価格転嫁が困難な中小零細企業の経営、ひいては雇用に重大な影響を与える」

との会頭談話を出し、最低賃金を月額換算する上で用いる労働時間について、実労働時間をとるのでなく、法定労働時間をとるべきである主張。一方、労働側もC、Dランク地域の引上げ額を評価しながらも、かねての主張である「50円程度、900円を超える水準」には程遠く、生活保護水準の算定方法にも異議を唱え
た。また連合の高木会長はかねてより、「最低賃金の引上げにより経営危機になった企業が出た、という話しは聞いたことがない」との見解を示している。

 旧聞に属する話しではあるが、自県の産業政策の失敗により、BランクからCランクに属していた県が、ある年度からBランクに復帰した。その理由は県の主要産業の回復でなく、前年の労働大臣がその県の出身だったことにある。
 ランクが上がることにより、目安による自動的な引上げ額が上がるからである。それほど、最低賃金引上げについては1円の単位で関係者を巻き込むことになる。生活保護水準との乖離が解消する2年後に、引上げ額が再び1桁台に戻るのかどうか。2009年問題に続く新たな課題となる。
      (津山 勝四郎)


編┃集┃後┃記┃
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 2007年9月18日、ペンシルベニア州ピッツバーグのカーネギーメロン大学講堂において、ランディ・パウシュ教授が400人の聴衆を前に「最後の講義」を行いました。この講義の模様はインターネットを通して全世界に配信され、600万以上の人々が聴講したといいます。また、その本は国際的なベスト
セラーにもなりました。

 コンピューターサイエンスを専門とする彼は、06年秋に膵臓癌と宣告され、07年8月には余命半年足らずと告知されました。そして、今年7月25日に死去されました。

 「これまでの実績がどうであれ、僕が愛するもののすべては、子供のころからの夢と目標に根ざしている。そして、夢や目標のほぼすべてを実現してきた道のりに、僕らしさはすべての夢の具体的な中身としてかたちづくられ、46年間の人生を定義している。・・・

そして夢を実現できた理由の大部分は、たくさんのすばらしい人たちに教わってきたことのおかげだ。自分がこうして感じている情熱をこめて話せば、講義を聴いた人が自分の夢を実現する道を切り開く手助けになるかもしれない。」との思いから、彼は講義のタイトルを「子供のころからの夢を本当に実現するために」としました。

【ランディ・パウシュ教授の子供のころの夢】
・無重力を体験する
・NFLでプレーする
・ワールドブック百科事典を執筆する
・カーク船長になる
・ぬいぐるみを勝ちとる
・ディズニーのイマジニアになる

 今の若年者が希薄といわれる“夢”に対しては、「壁があっても、夢の実現を諦めてはいけない。夢に敗れたことで夢が叶ったときよりも多くを学べる。」と言っています。

 また、人材指導面では「間違いを正されるのは期待されている証拠。誤りを指摘されない環境は自分のためにならない。批判は愛情の証なのです。」等、今、失われつつある心の大切さを話しています。

彼の一つひとつの言葉が、心深く染みこんできます。久々に衝撃的な感動を受けました。
みなさまにも是非、お薦めしたい一冊です。機会がありましたら、ご一読ください。

<参考資料>
「最後の授業」ランディ・パウシュ+ジェフリー・ザスロー著
 (ランダムハウス講談社)および動画投稿サイト「You Tube」より 
                               (白石)


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 発行者    雇用システム研究所 代表 白石多賀子
     東京都新宿区新小川町9番5号畑戸ビル   
     アドレス:info@koyousystem.jp

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