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今こそ求められる徹底した“ムダ”の排除と業務の効率化(1)

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┃\/┃    ☆雇用システム研究所メールマガジン☆
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                               2009/02/01
           http://www.koyousystem.jp
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  毎日厳しい寒さが続いております。
   皆様、いかがお過ごしでしょうか。

  雇用システム研究所メールマガジン第82号をお送りします。  

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  □ 目次 INDEX‥‥‥‥‥

  ◆今こそ求められる徹底した“ムダ”の排除と業務の効率化(1)◆ 

  ■人事関連の書式を一枚の用紙に統一
  ■テレビ会議を導入し、出張旅費を大幅削減

                    (以上執筆者 溝上 憲文)
   ■溝上 憲文氏のプロフィール

  ■激増するいじめ・嫌がらせ事案
  ■地方局の個別調査でも傾向顕著
  ■現行の「評価表」31項目を見直して

                    (以上執筆者 津山 勝四郎)

  ■[編集後記]           (編集長 白石多賀子)

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◆今こそ求められる徹底した“ムダ”の排除と業務の効率化(1)‥‥‥‥‥


 世界的な需要低迷による生産調整が続いている。

先行き不透明の中で会社内にも閉塞感が漂いがちであるが、こういう時期こそ経営者と従業員が一体となり、将来を見据えて徹底した“ムダ”の排除と業務の効率化を推進すべきであろう。

 参考になるのはそれによって過去にV字改革を果たした事例である。
たとえば神戸製鋼所系列の重電機メーカーの神鋼電機もその一つ。
同社は93年以来7期連続の赤字に加え、多額の不良債権の山を築き、まさに倒産寸前に追い込まれていた。
 そこに社長として乗り込んだのが現会長の佐伯弘文さんだ。

 佐伯社長がまず全社を挙げて取り組んだのが、ムダの撲滅と仕事の効率化を目指した「ムダ撲滅運動」と「工場改革運動」の二大運動。
社員全員に職場のムダを改善する提案を義務づけ、採用した提案を順次実行に移した。

06年3月までの提案総数は2万6000件、うち1万4000件を採用し、実行した結果、年間30億円のコスト削減効果を生んだ。
その効果はすぐさま会社の収益改善にも大きく貢献し、
2000年に黒字化を達成した。



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 ■■■ 人事関連の書式を一枚の用紙に統一 ■■■ 
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 ムダの排除はありとあらゆる領域に及んだ。

就任当初の佐伯社長が目の当たりにしたのは意味のない会議と書類の山だった。
たとえば書類にしても社員が人事に提出する結婚届や出産届、親の死亡届といった用紙は全部書式が違っていた。
例えば結婚、出産するたびに別の用紙に現住所や本籍、入社年月日などを最初から改めて記入しなければならない。

 こんなムダはないということで書式を一枚の用紙に統一した。
届け出後の変更は、たとえば子供が生まれたら出生のところに丸をつけるとか、親が死亡すれば死亡欄に適宜追加記入するという具合に書類を減らした。

 会議に使う書類も同様だ。会議のたびに本社部門は各ラインにありとあらゆる資料請求の提出を指示する。ラインの担当者はその都度、資料を用意するために忙殺されることになる。

 しかし、佐伯さんは「何時間もかけて資料を準備しても、本当に有効活用されているかといえばほとんど活用していない。担当者が自己満足のためにデータを持っているにすぎない」という。
そこで一つの報告書を作成する場合は、他の目的への流用を考慮した書式にして書類を極力減らす。たとえ資料に余分なことが書かれていても、その一部で意味が伝わるのであれば同じ資料を流用するようにした。

 また、上司への説明資料も、完璧ではなくとも既存の資料を極力流用すべしと
説く。
管理職に対し「部下がムダと思われるような資料をわざわざ作ったら、
時間のムダだと叱り飛ばすぐらい徹底せよ」と指導した。


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 ■■■ テレビ会議を導入し、出張旅費を大幅削減 ■■■ 
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 会議のやり方自体も大胆な改革を実施した。同社は全国に3つの工場と30以上の支社・営業所を持つ。社員は会議のために全国各地に頻繁に出張していたが、そうした会議を電話やテレビ会議に切り替えた。その結果、1年間に1億2000万円の出張旅費が削減された。

 また、本社のテレビ会議室の使用時間を1時間に制限した。
当然ながら会議の効率を高めざるをえない。
たとえば、当日に配布していた会議資料を事前に配布して読んでくるようになる。

 会議のムダは議事進行のプロセスにも潜んでいる。たとえば司会者が
「次は営業部のAさんが〜について説明します」と紹介した後、
「営業部のAです。本日は〜の問題について…」と語り出す人もいる。

だが、佐伯さんは
「司会者がすでに説明しているのに、また同じことを繰り返すのは時間のムダ。
いきなり説明に入ればいい」と指摘する。
なおかつ要領よく話すことも重要だ。
そのポイントは、まず要点をマクロで述べ、その後ミクロの説明に入ることだ。

 たとえば冒頭に話のポイントは3つあります、と言って要点を述べ、その後に詳細を説明してくれれば、ああ三つあるんだなとわかる。
いきなりミクロの話から始めると、いったいいくつあるのか、何を言いたいのか聞く側の頭の整理ができない。
こうしたことは日頃から指導・訓練することが大事だ。

 同社はテレビ会議を通じた会議の効率化により、コストを浮かせただけでなく、出張に伴う体力疲労も軽減。佐伯さんは「わずか2時間の会議のために往復2日かけていたのが、1時間ですめば、営業マンはその分お客もとに飛んでいける。
営業効率も高まるというまさに一石三鳥の効果がある」と指摘する。

 ムダの排除と業務の効率化の要諦について佐伯さんは

「労を厭わずなんでもやる人間はだめ。
 まず与えられた仕事に意味があるものなのかどうか即断し、意味のない仕事は 徹底的に短時間で処理する。また、同じような繰り返しの仕事は徹底的に標準化し、それにほとんどの時間を費やさないことだ」と指摘する。

 もちろん、業務の効率化は経営者自ら陣頭指揮を取り、経営者と視線を同じくする社員の意識改革なくして実現できるものではない。
次回は良品計画の事例を紹介したい。           (溝上 憲文)


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溝上 憲文氏のプロフィール
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・鹿児島生まれ
・新聞、ビジネス誌、人事専門誌等に、
 経営、人事、雇用、賃金問題等を中心に執筆を展開。
・主な著書に
「隣の成果主義」(光文社)
「日本一の村」を超優良企業に変えた男(講談社)
「会社を利用してプロフェッショナルになる」(光文社)
「超学歴社会」(光文社)、「トヨタ式」(プレジデント社)など


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 ■■■ 激増するいじめ・嫌がらせ事案 ■■■ 
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 厚生労働省の地方支分部長である都道府県労働局のうち、何局かが平成20年度上半期における労働紛争解決制度の運用状況をまとめている。

 平成13年度からスタートした
「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」は、企業における人事労務管理の個別化に伴う労働者と事業主との間の紛争の、当事者による自主的な解決を図る労働関係民事通常訴訟事件を、都道府県労働局長による助言・指導、都道府県労働局に設置されている紛争調整委員会によるあっせんにより、総合的な解決を図るためのシステム整備が行われたもの。

ちなみに一昨年の第7次社会保険労務士法の改正により、全国の社会保険労務士も個別労働紛争解決機関に法務省から認定されれば紛争解決に着手できることになり、既に全国社会保険労務士連合会、京都府社会保険労務士会が認定機関となっており、東京都社会保険労務士会もまもなく認定される予定だ。

 厚生労働省が全国の個別労働紛争事案をまとめた平成14年度の集計によると、全国約300カ所の総合労働相談コーナーにおける総合労働相談件数は62万件、このうち民事上の個別労働紛争事案は10万件、助言・指導申出2332件、あっせん申請3036件となっている。民事上の案件をみると、解雇28.6%、労働条件の引下げ16.5%、その他の労働条件18.5%で今回の主題であるいじめ・嫌がらせ案件は5.8%でしかない。

 一番最近の平成19年度の調査をみると、総合労働相談件数は約100万件、民事上の個別労働紛争事案は約20万件、助言・指導申出6652件、あっせん申請7146件となり、民事上の事案をみると、解雇22.9%、労働条件の引下げ12.5%と法創設時を大きく下回っているのに比べ、いじめ・嫌がらせ案件は12.5%と、大幅に増加している。


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 ■■■ 地方局の個別調査でも傾向顕著 ■■■ 
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 地方労働局のうち、何局かは直近の調査として、平成20年度上半期における同制の利用状況を集計しているが、いじめ・嫌がらせ案件が、予想以上に増加している。

□愛知労働局

  民事上相談件数5370件(前年同期比25.1%増)
  助言・指導282件(同78.5%増)
  あっせん申請202件(同27.8%)
  民事上事案の内訳
   解雇23.5%、労働条件引下げ13.5%、いじめ・嫌がらせ16.1%
  いじめ・嫌がらせ案件が助言・指導、あっせんにおいても2位に浮上。

□新潟労働局

  民事上相談件数1440件(前年同期比10%増)
  助言・指導60件(同40%増)
  あっせん申請53件(同10%減)
  民事上事案の内訳
   解雇20.9%、労働条件引下げ13.0%、いじめ・嫌がらせ14.9%
  同局でもいじめ・嫌がらせ案件が2位に浮上。

□兵庫労働局

  民事上相談件数4592件(同18.4%増)
  助言・指導120件(併行期で前年同期比なし)
  あっせん申請202件(併行期で前年同期比なし)
  民事上事案の内訳
   解雇23.3%、労働条件引下げ12.6%、いじめ・嫌がらせ13.4%
  同局ではいじめ・嫌がらせ案件が前年同期比57.3%の大幅増となっている。


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 ■■■ 現行の「評価表」31項目を見直して ■■■ 
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 厚生労働省が公表している平成19年度の精神障害等に係る労災補償状況をみると、精神障害等による労災補償件数は、請求952件、決定件数812件となってり、いずれも平成15年度の2倍以上になっている。
業種別では製造業、卸売・小売業、医療、福祉で多く、職種別では専門的・技術的職業、事務、生産工程・労務作業者の順となっているが、このデータからは、いじめ・嫌がらせが原因となった労災認定は明らかにならず、状況要因でしかない。

 ところで、同省労働基準局では、平成14年度と平成18年度に委託研究を行い、ストレッサー調査を行い(7社、2699人を対象)、56項目の出来事によるストレス強度の分析を行ったり、ストレス研究・臨床の専門家による37項目のストレッサー抽出によるストレス強度の分析を行っているが、再分析共に、強度の高いストレッサーとして、職場でのいじめ・嫌がらせが強度・頻度ともに上位にあがった。

 現在、同省は業務による心理的負荷を原因とした精神障害等については、平成11年度に策定した「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針」を策定し、指針に基づく「職場における心理的負荷評価表」によって業務上外の判断を行っているが、その後、企業における組織再編や人員の削減の実施、人事労務管理における個別化など、職場における心理的負荷が生じる事案が、
現行の「評価表」(31項目)だけでは当てはめが困難な事例が多くなってきたことから、労働基準局労災補償部長の研究会として、見直しに向けた医学専門家4人による検討会(座長・岡崎祐士東京都立松沢病院院長)を昨年末に発足させ、業務上の具体的出来事に関する検証・検討を行うことにした。

 研究会は現行の判断指針が妥当かどうか、平成14、18年度委託研究結果の他に適切なストレス研究があるかどうか、既存の出来事の修正する視点そのものをどう修正していくか、新たな具体的な評価のポイントを示すべきではないか、などの見直しを早急に行っていく。

 いじめ・嫌がらせは、学校教育の現場における重要課題となってきたのが
約10年前。
現在は当時の学生達が生産現場に入ってきているだけに、今後、セクシュアル・ハラスメントに次ぐパワーハラスメントとして企業経営にとって更に大きな課題になってくる。

 この問題を労働法制上、どこに位置づけて対策を打っていくのかという、行政上の課題も残る。男女雇用機会均等法の一部として対応しているセクハラ問題とは、問題の本質も対象も違う。

荒れた教育現場が荒れた職場とならないために、
この分野への行政の早期の対策が待たれる。
                            (津山 勝四郎) 
              

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編┃集┃後┃記┃
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今回から執筆者が“溝上憲文氏”に替わります。

今までは、CSRをベースにした企業に求められる“労働環境の風”をお伝えしてきましたが、今回からは、企業が常に求め続けている“生産性向上”の好事例を中心に情報提供をしていきます。

100年に1回の大不況といわれ、厳しさが増してきましたが、厳しい状況だからこそ、経営者・労働者ともに力を合わせて“生産性向上”体制に作り替えていくことが可能です。

いつもと違う視点で業務を見直すだけでも効率化を高めることができます。

「業務の効率化」
で成果を上げた好事例等を取り上げますので、皆様のご参考になればと思います。
生産性の向上を目指して新たな体制を築き上げ、競争力を高められる企業にしましょう。

                              (白石)


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 発行者  雇用システム研究所 代表 白石多賀子
     東京都新宿区新小川町9番5号畑戸ビル   
     アドレス:info@koyousystem.jp

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