人事・労務に関する御相談は信頼と実績の雇用システム研究所

社会保険・労働保険の御相談は信頼と実績の雇用システム研究所

雇用システム研究所 トップページ雇用システム研究所 個人情報保護方針雇用システム研究所 メールマガジン雇用システム研究所 お問い合わせ
雇用システム研究所 >> メールマガジン >> 従業員の働きがいと意識改革(13)〜グーグル〜

従業員の働きがいと意識改革(13)〜グーグル〜

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏━━┓    
┃\/┃    ☆雇用システム研究所メールマガジン☆
┗━━┛                             第99号
                               2010/07/01
           http://www.koyousystem.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  梅雨の蒸し暑い日々が続きます。
  皆様、いかがお過ごしでしょうか。

  雇用システム研究所メールマガジン第99号をお送りします。  

==========================================================================

  □ 目次 INDEX‥‥‥‥‥

  ◆ 従業員の働きがいと意識改革(13)〜グーグル〜

  ■階層を作らず上司の特権を排除
  ■アイデアの源泉“20%ルール”
  ■上司は部下の能動性を引き出す「指揮者」
                       (以上執筆者 溝上 憲文)

  ■増加続ける総合労働相談件数 
  ■東京労働局所轄では相談は減少
  ■あっせん合意成立の割合は40万円で変動
            (以上執筆者 日本労働ペンクラブ 津山 勝四郎)


  ■[編集後記]               (編集長 白石多賀子)

==========================================================================

◆ 従業員の働きがいと意識改革(13)〜グーグル〜


 会社の創業期ほどエネルギッシュで社員が活気に満ちているときはない。
社員が少なくても新しい技術や商品を武器に全社一丸となって市場にチャレンジする。

いわば社員一人ひとりにベンチャー魂が宿っていることが成長と躍進の原動力となる。

 だが、シェアが拡大し、社員が増え、会社が大きくなると、必然的に階層化と人事管理による業務の効率的化を追求しようとする。そうした人事管理手法は経営学者や経営コンサルタントも当然と見なし、推奨してきた。
 しかし、一方では個人の権限と役割の縮小や組織間のカベが商品開発力を支える社員の“情熱”を奪うという副作用を伴う。

==========================================================================


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ■■■ 階層を作らず上司の特権を排除 ■■■ 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


そうであるなら最初から組織(階層化)を作らない、社員を管理しないほうがよいだろう。
この単純な論理をベースに愚直に実践しているのが、ベンチャー企業から巨大ネット企業に変貌したグーグルである。
創業12年目にして検索・広告・ネットサービス分野で驚異的な成長を遂げ、社員数2万人を超えるグーグルは今も「管理しない経営」を徹底している。
 同社の人事担当者は「世界にない新しい技術や製品を生み出していくには、普通の会社と同じやり方では新しいものは生まれない。
社員が自発的に自分の仕事にバリューを加えるような創造性を維持するには、できる限り階層を作らない、仕事を管理しないことに尽きる」と言い切る。
 管理しない経営とは、組織のフラット化の維持である。同社はどんなに社員が増えても階層を増やすことはしない。
そうなると一人のマネージャーが面倒を見る部下が増えるが、逆に部下が増えて細かく管理できないことが、結果的に部下の自主性を促すという考えだ。

 もう一つは上司の特権である情報の独占の排除だ。

イントラネット上には経営会議の内容から進行中のプロジェクトの中身にいたるあらゆる情報が全社員に開示され、誰もが閲覧できる。したがって上司が情報管理によって部下を無理やりコントロールすることはできない。
管理職の権限を振りかざして部下を支配し「いつまでにこれをやれ」と部下に指示させないというより、できない構造にすることで社員の自由度を担保している。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ■■■ アイデアの源泉“20%ルール” ■■■ 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 当然、社員も自ら動いて成果を上げるという能動性が要求され、上司の指示を待つ社員は必要とされない。

「上司の指示がないので自分からネットワーキングして情報を取って仕事を進めることが
求められるし、逆に上司の指示がないと動けない、階層のカベをぶち壊して、自分の領域を広げられない人はよい仕事はできない」(人事担当者)

 社員は職務記述書に記されるような明確なタスクは存在しない。
特定の仕事に従事する人ももちろんいるが、様々なプロジェクトにまたがって仕事をする社員が多い。会社の組織図が存在せず、社員がお互いの垣根を超えることで生まれるケミストリー(化学変化)がイノベーションを起こすという考えが根底にある。

 個人の自発性を促す仕組みの1つが「20%ルール」だ。週1日もしくは月に4〜5日、就業時間の20%を、会社と社会をよくする目的であれば個人的に好きなテーマに割いてもいいというルールだ。

 例えばエンジニアがこんなものがあればおもしろいのに、と思うプログラムを書いて世界中に発信する。
そこに様々な意見が寄せられ、皆がおもしろいという話になれば、最終的に製品化される。

実際に20%ルールから生まれた製品は数多い。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ■■■ 上司は部下の能動性を引き出す「指揮者」 ■■■ 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 では部下を管理しないマネージャーは何をするのか。

部下がそれぞれ勝手な方向に動き出せば収拾がつかなくなる事態も発生する。
同社の人事担当者は「部下の考えを聞きながら、仕事をコーディネートする指揮者のような役割に徹する。
部下が腑に落ちなければ動かないし、部下がリスクを取って仕事にチャレンジするための潤滑油的役割が求められている」と指摘する。

 上司の役割としては当然であるが、仕事の指示・命令も出すことはないが、それでいて自分が担当する部門の結果が求められるマネージャーの役割は決して容易ではない。
部下一人ひとりがやりたいことについて、じっくり耳を傾けながら、創造性が発揮できる仕事を部下自ら見つけるように導いていく。
同時に会社のベクトルやチーム戦略の方向性を指し示し、全員の合意を得る努力も必要だ。

 マネージャーは仕事の進捗状況を常にチェックし、改善のためのフィードバックを日常的に行っている。4半期ごとに目標に対する評価面談を実施し、新たな目標を設定するが、実際はやっている仕事が1ヶ月で陳腐化する可能性もあり、ほとんどのマネージャーは1ヶ月単位でチェックしているという。そのほかに直属の上司と部下が週1回程度「One on One(ワン・オン・ワン)」と呼ぶ30分程度の面談を行っている。


そこでは部下が現在どんな仕事をしているかを把握し、必要に応じてアドバイスするなど
「ニコポン上司ではまったく通用しない」(人事担当者)世界である。

 しかもマネージャー以上の役職者は年に1回、社員意識調査の中で部下のチェックを受けている。
調査項目には
「マネージャーは自分の仕事の改善に役立つフィードバックをちゃんとやっているか」
という具体的質問もある。それが通信簿となってマネージャーにフィードバックされる。


マネージャーはそれを見て、自分の組織を活性化するには何が必要なのかを考え、アクションプランを策定し、実行することが求められている。

 同社が求めるマネージャーとは「管理職」ではなく、主役である最前線の社員が自ら創造性を発揮し、イノベーションを起こし続けることを支える「マネジメントのプロ」なのである。
年功や個人の業績だけで務まる仕事ではない。

 グーグルのやり方は大企業よりもむしろ中小企業に示唆を与える。
会社が大きくなったからといって、いたずらに部署を細分化し、組織の体裁を整えても、会社は回るかもしれないが、イノベーションを生み出す社員の情熱を削いでしまうことにもなりかねない。
                                   (溝上 憲文)


*     *     *     *     *     *     * 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ■■■ 増加続ける総合労働相談件数 ■■■ 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 厚生労働省が5月末に公表した「平成21年度個別労働紛争解決制度施行状況」によると、
全国の総合労働相談コーナーに寄せられた総合労働相談の件数は約114万件で、対前年度比6.1%増、民事上の個別労働紛争による相談件数も約25万件で同じく4.3%増と、引き続き制度が施行された平成13年以降、いずれも過去最高を更新している。
参考までに平成21年における労働審判事件の新受件数をみると、約3500件で、ここでも前年の約1.8倍となっている。
民事上の個別労働紛争による相談内容の内訳は、解雇に関するもの最も多くて24.5%、労働条件の引下げが13.5%、いじめ・嫌がらせが毎年度割合が増加しており、平成14年度の5.8%から、12.7%にまで増加してきている。
民事上の個別労働紛争による相談者は労働者(求職者)が8割超と大半を占め、相談した労働者の就労状況は、正社員46.8%、パート・アルバイト17.3%、期間契約社員9.2%、派遣労働者4.9%であった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ■■■ 東京労働局所轄では相談は減少 ■■■ 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 一方、東京都内21カ所の総合労働相談コーナーに寄せられた総合労働相談件数は約13万件で前年度を5.5%減少したものの、民事上の個別労働紛争相談件数は約2万9千件で、前年度を15.9%増加している。
ただし、東京労働局長による助言・指導申出受付件数は626件と前年度を12.7%減少、東京紛争調整委員会によるあっせん申請受理にまで至った案件は約1700件で、ここでも前年度を7.5%減少している。全国集計とはやや異なる結果について、東京労働局では、「前年度(平成20年度)はリーマンショックによる景気悪化による影響が全国に比べて、東京をはじめとする大都市圏での影響が全国に比べて大きく、対前年度比較では減少となった」と分析している。東京都に関するもう1つのデータがある。

東京都産業労働局が都内6カ所の労働相談情報センターにおいて労使等からの労働相談に応じているが、労働相談件数は約5万5千件で、前年度より微増。
労働相談のうち、
あっせんに移行したものは729件で対前年度7.7%増となり、あっせんに関する限り、東京労働局分が減少しているのと様相が異なる。ただし、東京都にあっせんは、東京労働局分類による助言・指導も含むことから、単純な比較はできない。
増加一途の個別労働紛争処理に対応し、行政は、労働委員会、都道府県労政主管部局、都道府県労働局、労働審判など従来の対応に加え、全国社会保険労務士会連合会、全国47の都道府県社会保険労務士会が5月末までに既に23都道府県会で、今年度中には30カ所を超える「社労士労働紛争解決センター」を設置して、今年度から本格的に個別労働紛争解決に対応していく。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■■■ あっせん合意成立の割合は40万円で変動 ■■■ 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ところで、労働政策研究・研修機構が全国4労働局で平成20年度に行った
1144件
(全国の申請受理件数の約13.5%)のあっせん件数の申請内容を分析した出色の調査報告書がある(サマリーは同機構ホームページで公開)。

4局のあっせん件数の就労状況は正社員51.0%、直用非正規30.2%、派遣11.5%、
試用期間中6.6%となっている。また企業規模では100人未満が58.2%と、中小企業が大部分を占めている。さらに、合意成立の場合の解決金額をみると、
正社員は10万円以上40万円未満に集中しているが、
直用非正規や派遣は10万円未満も3割以上あり、
解決金額が40万未満の場合は合意成立が40%を超えるが、
40万円以上になると徐々に低下するという分析結果となる。

調査はあっせん事案にみるいじめ・嫌がらせ・ハラスメントの実態も分析しており、

加害者に着目した場合、

(1)上司から部下へのいじめ44.4%、
(2)先輩・同僚によるもの27.1%、
(3)会長や社長など代表者によるいじめ17.9%、

被害者に着目した場合、

(1)女性に対するいじめ54.6%(特にシングルマザーや離婚経験者が多い)、
(2)非正規労働者特に派遣労働者へのいじめ、
(3)障害者、などをあげている。

労働紛争処理は、戦後から一貫して集団的労使関係システム、すなわち労働組合の存在を前提として紛争処理体制として、労働委員会の体制強化、労働組合法の運用により対応してきたが、労働組織率18%台が示すように
非正規労働者を組合員として認めようとせず、特に100人未満の小・零細企業
の労働者を
日本の労組ナショナルセンターが無視してきたことから(連合はようやく昨年から
非正規労働者センターを立ちあげた)、労使にとっての個別労働紛争処理システムの
構築が必要となり、平成13年度から政府主導による個別労働紛争処理制度が運
営され、

一連の司法改革の流れによって民間ADR機関も社会保険労務士会を中心として設立されてきた。

労使紛争はないに越したことはない。
イデオロギー闘争は別にして、労使紛争の未然防止は労使双方の永遠の課題では
あるが、

それでも日々の紛争は津々浦々で起きる。迅速に廉価(無料の場合も)で解決することは労使双方に次へのエネルギーを残す。

1日対応が遅れる1カ月解決が遅くなると言われる。
近隣にある解決機関を労使共に利用してもらいたい。           
                                       (津山 勝四郎)



*     *     *     *     *     *     *  


編┃集┃後┃記┃
━┛━┛━┛━┛***********************************************************


 7月3日から全国高校野球選手権の東京大会が開幕します。

先月、日本経済新聞社が2010年上期の日経MJヒット商品番付を発表した中に、通称「もしドラ」が前頭西に番付されました。「もしドラ」は、岩崎夏海著の「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(ダイヤモンド社)と長いタイトルです。本の売上げも第3位です。

都立高校生の“川島みなみ”が、高校2年生の7月半ばに野球部のマネージャーになり、

「マネージャー」という言葉の意味を調べるところからはじまります。

本屋で「何か『マネージャー』、あるいは『マネージメント』に関する本はありますか?」と店員に尋ねて紹介された本が、「[エッセンシャル版]マネジメント」(P.F.ドラッカー著)です。

「マネジメント」には企業を含めた「組織」の経営全般について書かれており、野球部を強くするのに役立つことに気付き、野球部の仲間達と力を合わせて西東京大会で優勝し甲子園への出場を決めます。

エピローグは、甲子園の開会式前にテレビ局のインタビュアーに
「甲子園では、どんな野球をしたいですか?」との問いに対して、

キャプテンの正義が  「あなたは、どんな野球をしてもらいたいですか?」。

「ぼくたちは、それを聞きたいです。ぼくたちは、それをマーケティングしたい
です。

 なぜなら、ぼくたちは、みんながしてもらいたいと思うような野球をしたいか
らです。

 ぼくたちは、顧客からスタートしたいのです。
 顧客が価値ありとし、必要とし、求めているものから、野球をスタートしたい
のです。」

ちょっと涙を流すシーンもありましたが、「マネジメント」を参考に問題点を仲
間達で

改善していく行動・意識力の高い若者達を、
一人でも多く確保した企業が成長するのでは・・・と思いました。      
                                      (白石)


 ------------- ☆  ☆  ☆ --------------
 発行者  雇用システム研究所 代表 白石多賀子
     東京都新宿区新小川町9番5号畑戸ビル   
     アドレス:info@koyousystem.jp

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   今週のメールマガジン第99号はいかがだったでしょうか。

   お楽しみいただければ幸いです。今後もさらに内容充実していきたいと   思います。
   ご感想は info@koyousystem.jp にお願いします。
   「こんな記事が読みたい!」というリクエストも、遠慮なくどうぞ。
   次回の配信は8月初旬頃情報を送らせて頂きます。


                e-mail: info@koyousystem.jp
  [過去のメルマガ随時更新] http://www.koyousystem.jp

 =================================================================
  
   メールマガジンの配信が不要な方は、お手数ですが、
   こちら http://www.koyousystem.jp/mail_magazine.html から
   配信停止を行って下さい。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ・『雇用システム研究所メールマガジン』に掲載された情報を許可なく転載することを禁じます。



雇用システム研究所 事業案内
雇用システム研究所 組織づくり
雇用システム研究所 人事制度
雇用システム研究所 教育・研修
雇用システム研究所 メンタルヘルス
雇用システム研究所 お客様向けサービス
雇用システム研究所 個人情報保護方針
雇用システム研究所 お問い合わせ
雇用システム研究所 事務所所在地




Copyright(c) 1998-2015 KOYOU SYSTEM Co.,Ltd. All rights reserved.