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経営の“落とし穴”(7)〜トップのリーダーシップなき経営改革は失敗する〜

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┃\/┃    ☆雇用システム研究所メールマガジン☆
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                                 2011/02/01


           http://www.koyousystem.jp
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  厳しい寒さが続き、インフルエンザも流行っているようです。
みなさまいかがお過ごしでしょうか。
  雇用システム研究所メールマガジン第106号をお送りします。 

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  □ 目次 INDEX‥‥‥‥‥

  
 ◆ 経営の“落とし穴”(7)〜トップのリーダーシップなき経営改革は失敗する〜

  ■社員の意識改革で経営改革はできない  
  ■ビジョンを示し経営トップが体を張る 
  ■働き方を変える新たな仕組みの構築を                    
                      (以上執筆者 溝上 憲文)

 ◆ 波乱含みの国会審議始まる
  
  ■政局を握る子ども手当法案
  ■改正労働安全衛生法案は「検討中」       
        (以上執筆者 日本労働ペンクラブ 津山 勝四郎)


  ■[編集後記]               (編集長 白石 多賀子)

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◆ 経営の“落とし穴”(7)〜トップのリーダーシップなき経営改革は失敗する〜


 リーマン・ショック以降の不況で業績不振に陥り、経営立て直しのために様々な改革を実施した企業は多い。
事業部門の閉鎖や統廃合などの組織再編による事業構造改革、また、
業務の効率化を目指した徹底したムダの排除や雇用調整による人件費などの経費削減が
実施された。
 しかし、改革により見事に再生した企業もあれば、そのまま衰退し、
奈落の底に沈んだ企業もある。明暗を分けた大きな要因の一つは、
経営トップのリーダーシップの有無と効率化をビジネスモデルの仕組みとして確立することが
できたかどうかである。改革の失敗を経験した流通小売業の事例を人事担当者から聞いた。

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 ■■■ 社員の意識改革で経営改革はできない ■■■ 
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 この会社のトップは店舗のスクラップなどの事業構造改革を経営企画部に指示し、
人事部に人件費の削減と役職者の意識改革を命じた。ところがそのトップは自ら矢面に
立つことはなく、全社員に向けて改革のメッセージを一度発しただけであった。
 一方、徹底したムダの撲滅運動が展開された。部門ごとに経費削減枠を設定し、
新規事業投資も抑え込まれるなど峻烈な合理化が進行した。
しだいに社内に怨嗟の声が飛ぶようになった。

 合理化によるモチベーションの低下を防ぎ、改革に向けて意識を醸成するのが
人事部に求められた意識改革だった。一般社員より役職者自らが意識を変えるべきだと
考えた人事部は意識改革のために2泊3日の宿泊研修を実施した。
ところが、研修は結果的に逆効果となった。

 研修内容は、事前に実施した本人の360度評価結果のデータに基づいて
、長所と短所を指摘し、自己認識を促すというものだった。例えば、7人1組となり、
そのうちの1人の部長に対し、残りのメンバーが、上司の役員や同僚と部下の役になって
矢継ぎ早に欠点を指摘するという過酷なものであった。

「あなたはこの点が良い、ここが悪いと指摘される。欠点を指摘されるのは精神的にもつらいし、
自己否定的な感覚にもなる。その結果、夜の懇親会では企画した人事の教育担当者が
参加した専務や常務など上層部の役員から毎晩吊し上げにあった。
いったいお前は何を考えているんだ、こん研修が役に立つと思っているのか、
と罵声を浴びせられました。もちろん、社長は事前に了解していたのだが、結果的に、
意識改革どころか役職者の反発を買ってしまった」(人事担当者)


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 ■■■ ビジョンを示し経営トップが体を張る ■■■ 
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 経費削減は進んだが、売上げ、利益はその後も低迷し、結局、意識改革を含めた全社的な
改革運動によって息を吹き返すことはなかった。低迷を脱却できないまま、
大幅な店舗の閉鎖に追い込まれる事態に陥った。

 失敗の教訓の一つは経営トップが体を張らなければ意識改革はできないというものだ。

人事担当者は「教育や制度の変更だけでは意識改革はできないし、無理だ。
経営トップが前面に出て、ビジョンを示し、自ら体を張ってやらなければ
誰もついてこない」と指摘する。

 確かにこれまで改革を成功した企業に共通するのは、経営トップによるリーダーシップの発
揮である。会社の置かれた状況を末端の社員に至るまで認識を共有化し、
目指すべき事業ビジョンに明確に示し、実現に向けて社員を鼓舞し、
奮い立たせるのは経営トップの重要な役割である。

 V字回復を果たした企業の多くの経営者は自ら徹底して現場を回り、膝詰めで社員と議論し、
時には涙を浮かべながら痛みを伴う改革の実施を切々と訴え、理解と信頼を得る活動を
積極的に展開してきた。業績不振で不安に陥った社員を「改革を実行すれば、
再び会社は成長するのだ」と確信させることができるのかが問われる。


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 ■■■ 働き方を変える新たな仕組みの構築を ■■■ 
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 しかし、それだけではうまくいかない。人事担当者はもう一つの教訓として
「ムダの撲滅や効率化を進める前に大事なことは、組織を使って業務を改善する新たな
仕組みを作り出すことにある」と指摘する。

「なぜ改革が失敗したかとといえば、体質や風土の問題もあるが、
従来の品揃えや販売方法など、ビジネスモデルが崩れだしているときに、
本質的な部分に改革の焦点が当たっていなかったことにある。
本来ならビジネスモデルをどう修正するのか、つまり、出店のやり方、店舗の作り方、
販売の仕組み、それに対応する教育訓練をどのように行うのかという点に
注力しなければいけなかった」

 例えば改革に成功した同業他社は、販売のやり方など従来の店長依存型経営を排除し、
業務の標準化を目指した店舗システムの開発を推進した。
そのために顧客満足度を高めつつ業務を効率化する方法について、
パートを含む全社員から募り、新たな仕組みを構築していった。

 さらにその仕組みに対応する教育訓練と意識改革のための研修をセットで実施し、
改革を軌道に乗せることに成功している。

 経営構造改革とは、やみくもに経費を削減することでもなければ、従来の経験主義に
頼ることでもない。経営トップが改革のビジョンを示し、それに基づいて現状の構造や
仕組みの問題点を徹底的に洗い出し、
組織のあり方や働き方=仕事のやり方を変えることにある。
                                   (溝上 憲文)


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◆ 波乱含みの国会審議始まる〜

 今通常国会は各党の代表質問を経て、いよいよ予算委員会が衆参両院で年度末まで
繰り広げられる。
予算委員会とは名ばかりで、審議内容は政治と金、公約違反、政治家の心がわり、
などスキャンダラスな議論に終始することは例年通り。

 それでも政府・与党は年度末までに衆院優先の憲法により予算案本体は成立させ、
4月から本格的に予算関連法案の審議に入ることになる。

厚生労働省関係では、提出予定法案が子ども手当法案など6本、
政局の動向で提出準備は進めるものの、スケジュール的に提出を検討中としている
法案が改正安衛法案など4本、そして改正労働者派遣法案など継続審議となっていた
法案が4本の計14本の改正法案と新規法案が待機している。個別にみてみる。

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 ■■■ 政局を握る子ども手当法案 ■■■ 
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 政府・与党が早急に成立させ、新年度から実施したいとする予算関連法案の目玉が
子ども手当法案であることは、1月のこのメルマガでも掲載した通り、
中学校修了前までの子どもに対し、3歳未満の子ども一人につき月額2万円、
3歳以上中学校修了前までの子ども一人につき月額1万3千円の子ども手当を
父母等に所得制限なしで支給するもので、
支払月(平成23年6月、10月、平成24年2月、6月)に支払うためには、遅くとも4月末までには
成立させなければならない。

 野党はバラマキ行政として自民党が反対し、他の野党も反対しているが、社民党は
態度を保留している。周知のように、参議院で否決されても衆議院に再上程し、
3分の2以上の賛成があれば国会規定により成立する。そのためには、
社民党の賛成が絶対条件で、そこでの条件として、社民党が主張し、継続審議となっている
改正労働者派遣法の国会での審議を行わなければならない。

余談ながら棚ざらしとなっている改正労働者派遣法の改正内容は、担当する
厚生労働省職業安定局は今の改正内容では成立は無理で、一度廃案にしてから
建て直した方がよいとの意見が強い。もちろん、成否を握るのは役所ではなく国会なのだが。

 新規に提出される6本のうち、子ども手当法案を別に、戦傷病者の妻に対する
特別給付金支給法の改正は日切れ法案としてすんなり成立し、国民年金の基礎年金の
国庫負担割合を2分の1とする国民年金法等の一部改正法案も多少の議論があって成立する。

 さらに厳しい雇用失業状勢下では失業等給付の見直し
(賃金日額の下限額を2,000円から2,320円に、
これに伴い基本手当日額が1,600円から1,856円に。
再就職手当の給付率の引上げと、常用就職支度手当の給付率の引上げ。
法定保険料を1.6%から1.4%に引下げ平成23年度の保険料率は弾力条項で下限の1.2%と告示)も、
一般会計と特別会計の財政調整の議論にはなるが、与野党の対決法案にはならず成立する。

 雇用保険法の改正と連動して審議されるのが
「職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律案(仮称)」は、
いわゆる求職者支援を法制化して、雇用保険の失業等給付を受給できない求職者の
職業訓練と訓練期間中の生活支援を行うもので、既に過去3年間で7千億円の一般会計で
基金事業として実施されていた事業。ただし、提案にあたり、財源問題から政府案は
特別会計を充当することにしている。

 この財源手当に対して、日本経団連は
「雇用保険の枠外にある人たちの支援を、何故に労使の保険料を充当するのか」と
反対しており、自民党も第2の生活保護であるとして反対の意向が強い。

ただ、求職者支援そのものには賛成しており、財源問題の議論が集約されれば
一部修正ということで成立すると予測されている。
要は3兆円を超える現行の一般会計(国の負担2兆3千億円)を、新法の設定により、
生活保護受給者を少しでも減少させ、その分を雇用保険特別会計に移換させる
財政調整の色が濃い。

 ある民間テレビで放映していたが、どうみても体力健全、30代の若者二人が
支給されている生活保護費で朝4時頃までカラオケに酔っている姿は、
一体、この国はいつから「働けない人だけでなく、働かない人」にも生活保護費を
支給することになったのだろうと疑問を持つ。

もちろん、非正規労働者の不当な解雇などによる失業者を「働かない人」とは言わないが。

 もう一本の介護サービスの基盤強化を行う介護保険法等の一部改正は、
定期巡回・随時対応型のサービスの創設と介護職員等によるたんの吸引の実施容認など
を改正内容としているが、この法案は予算非関連であることから、
審議に入るかどうかは未定。


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 ■■■ 改正労働安全衛生法案は「検討中」 ■■■ 
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 予算非関連として労働基準局が所掌する「労働安全衛生法の一部を改正する法律案(仮称)」は、
メンタルヘルス対策の充実・強化、受動喫煙防止対策を骨格としており、
マスコミにも大きく取り上げられた注目の法律案だったが、社民党の協力確保のため
改正労働者派遣法の審議の後に位置づけられたことと、施行予定日が平成24年4月であることから、
基本的に与野党対決法案でなく、秋に予定される臨時国会への上程でも間に合うのではという
雰囲気が強い。政局のあおりを受けて押し出された感じだ。

 この他重要法案として予定されていた後期高齢者医療制度を廃止して、
新たな高齢者医療制度を創設する「国民健康保険法等の一部を改正する法律案(仮称)」も
「検討中」となった。

また、継続法案となっている高齢期における所得確保支援のための国民年金の納付可能期間の
延長と企業型確定拠出年金の見直しなどを盛り込んだ「国民年金及び企業年金等一部改正法案」も
審議未定、雇用・能力開発機構を解散して、業務の一部を(独)高齢・障害・求職者支援機構に
承継させる法律案も、施行予定の4月1日は間に合いそうにない。    (津山 勝四郎)



編┃集┃後┃記┃
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 大学・高校への受験シーズンとなりました。
 1月15日朝、神楽坂を飯田橋駅に向かって下っているとき、
受験生から大学入試センター試験会場を聞かれました。
 試験会場への案内人が見あたらず、地図片手に神楽坂の坂を登ってきたとのことでした。
試験前の受験生に不安を与えてはいけないと私の方が緊張しました。 
 
 サッカーアジア杯の豪州との決勝戦では、厳しい状況が続く延長戦で途中出場の
李選手が決勝点を生み、4度目の優勝をしました。
不況の中、元気をなくした日本人に感激・感動を与えてくれました。
選手、控え選手、怪我による途中離脱の選手達の心が一つとなり、選手同士が戦術を話し、
ザッケローニ監督の積極的な選手とのコミュニケーションが、素晴らしい結果となりました。
日本企業の強みは「チームワーク」と言われています。今回の日本チームの成長を参考に、
企業でも活用できるのではないでしょうか。
                                                  (白石)


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 発行者  雇用システム研究所 代表 白石多賀子
     東京都新宿区新小川町9番5号畑戸ビル   
     アドレス:info@koyousystem.jp

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