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経営の“落とし穴”(9)〜企業の大震災対策は十分に機能しているのか〜


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┃\/┃    ★雇用システム研究所メールマガジン★
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                                 2011/04/01


           http://www.koyousystem.jp
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 東北地方太平洋沖地震により被災されました皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

一人ひとりの力は微力ですが、一人が二人、二人が三人と輪を広げることにより大きな強い力となります。一日も早い復興に向けてみんなで支え合いましょう。
ガンバレ東北、ガンバレ日本!!

 雇用システム研究所メールマガジン第108号をお送りします。 

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  □ 目次 INDEX‥‥‥‥‥
  
 ◆ 経営の“落とし穴”(9)〜企業の大震災対策は十分に機能しているのか〜

  ■災害時にBCPが機能しない例も  
  ■急がれる従業員の生活補償と支援 
  ■安否確認の方法を日頃から徹底
  ■情報の的確な把握とトップの適正な指示
                    
                      (以上執筆者 溝上 憲文)

 ◆東日本大震災と厚生労働省の動き

  ■各種助成金の支給申請に特例       
           (以上執筆者 日本労働ペンクラブ 津山 勝四郎)


  ■[編集後記]               (編集長 白石 多賀子)

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◆  経営の“落とし穴”(9)〜企業の大震災対策は十分に機能しているのか〜

 東日本大震災は各地に甚大な被害をもたらしたが、自動車や電機、素材メーカーをはじめ
多くの企業・工場が被災し、生産活動の停止に追い込まれたところも少なくない。
 気になるのは各社が策定していた災害時のBCP(事業継続計画)が十全に機能したかである。
対応の仕方によっては従業員と会社に大きな損害をもたらすことになる。

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 ■■■ 災害時にBCPが機能しない例も ■■■ 
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 阪神・淡路大震災や新潟中越地震以降、災害を想定した企業のBCPの策定の重要性が
指摘されていたが、本格的に試されたのは、09年4月の新型インフルエンザの発生であった。
ただし、この場合は、社屋や工場が直接の被害を受けるのではなく、感染拡大を防止すること
に重点が置かれた。

 だが、BCPを策定していない企業も多く、策定している企業でも実質的に機能しないなどの
混乱が生じた。たとえばBCPはあっても、従業員に周知されないまま急遽、対策本部を
立ち上げた企業も少なくない。小売業の人事部長は「経営トップに言われて人事部門を
はじめ数人の担当者がBCPを作ったが、従業員に周知されないまま対策本部を立ち上げた。
会議では冒頭、役員から『BCPってなんだ、説明しろ』と言われて始まり、
結局、具体的にどうするのか3〜4時間議論しても結論が出なかった」と当時の混乱ぶりを語る。

 今回の大地震ではそうしたことがなかったことを祈りたいが、改めて対策の重要性を
痛感せざるをえない。

 阪神・淡路大震災で本社が全壊した神戸製鋼所の例を紹介しよう。
同社は主力工場の加古川製鉄所と神戸製鉄所の機能がほとんど麻痺する状態に陥り、
損害額は1030億円に上った。また、従業員が3人死亡し、負傷者は合計47人。
 そのほか、従業員の自宅の全壊が380戸、半壊が780戸、
寮・社宅の使用が一部不可能になる事態に陥った。


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 ■■■ 急がれる従業員の生活補償と支援 ■■■ 
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 最も困難を極めたのは従業員の安否確認だった。神戸本社は全壊し、震災当日は
電話回線が不通になるなど混乱状態にあり、対策本部を立ち上げたものの、
そのことすらも従業員に伝わらない状況だった。神戸と東京に2つの対策本部を設置し、
従業員名簿のデータがある東京の対策本部の人事部に安否の連絡をするように
ラジオ放送などを通じて呼びかけた。その結果、1週間で安否を確認することができた。

 企業活動の継続には復旧活動と従業員の生活の補償が欠かせない。
震災当日の1月17日から2月の初旬までは復旧期間とし、約4000人の従業員を自宅待機とした。
その間の給与は、1月17日から25日までの期間は特別休暇を付与し、100%を補償。
1月26日以降は9割の休業補償を行った。一方、出社しなくてはいけない人事部門などの
従業員については特別出勤手当を支給した。

 自宅が倒壊した従業員については、世帯主の場合、全壊については20万円、半壊は10万円。
非世帯主についてはその半額を見舞金として支給した。倒壊した自宅を建て替える場合、
ローン支払い中にもかかわらず再度ローンを組まざるをえない。会社の住宅融資を
受けている社員の家屋の建替えについては金利を免除し、新規に住宅を建設する場合は、
2000万円の限度額に融資(年利3・2%)した。
家屋の補修についても融資残高について金利を免除し、
補修費用として2000万円(年利3・2%)を限度に融資している。


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 ■■■ 安否確認の方法を日頃から徹底 ■■■ 
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 震災の教訓を踏まえて新たな対策を施した。

一つは通信連絡用機材の確保である。事業所の電話交換システムを更新したほか、
事業所ごとに携帯電話、携帯ラジオなどを増やした。災害時は通信回線がダウンする確率は高い。
そのため、神戸本社と東京本社間に新たに非常時用の衛生通信回線を設置し、
もし地上の通信回線がダウンしても、衛生回線を使って通信できるようにした。

 2つ目は非常食、非常飲料水の備蓄である。もともと非常食などを備蓄していたが、
大震災を契機に神戸本社ほか支社・支店でも2日分程度の非常食を備蓄。
社員全員にヘルメットや防災キットを持たせて、その中に飲料水や非常食を入れ、
机の周辺などに置き、いつでも取り出せるようにした。

 3つ目は移動手段の確保である。大震災の経験から渋滞に巻き込まれる可能性が高いため、
バイク、自転車などの保有状況を点検し、必要な補強を行った。
 最大の課題は従業員の安否確認である。震災を契機に安否の確認など社員の安全を
確保するための行動基準である「地震の心得」と題する携帯用のマニュアルを
社員全員に配付した。連絡内容は

(1)氏名(所属)
(2)自分と家族の安否(負傷の程度)
(3)自宅の状況(全・半壊)
(4)出社の可否
(5)自宅が被災している場合、連絡先と電話番号――の5点を通知する。

 連絡方法の基本は電話であるが、当然かかりにくくなる。
そのため部門内の決められたダイヤルインに電話する。それでもつながらない優先回線である
公衆電話(10円玉のみ使用可)の利用を勧め、近距離同士の通話がかかりにくい場合は、
遠距離の知人・親戚宅などを中継局として活用することも勧めている。


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 ■■■ 情報の的確な把握とトップの適正な指示 ■■■ 
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 災害対策に万全ということはありえない。
とくに災害時の従業員の安否の確認と事業の再開にあたっては、
情報の的確な把握と指示につきる。そのためには連絡体制を一元化し、
部門のトップの適正な指示が重要になる。

 大震災は短い時間に大規模な被害を引き起こすという特徴があり、
BCPは災害の把握と早い復旧が重要になるが、今回は原子力発電所の破壊による
放射能汚染という2次災害も同時に発生している。被災地域や関連する業界は、
新型インフルエンザのように発生期、流行期、終息期といった長時間を想定した対策も
とらなければいけなくなっている。まさに未曾有の事態への対応が個々の企業に
強く求められている。                                  (溝上 憲文)
 

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◆ 東日本大震災と厚生労働省の動き

 今号は3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震、津波による福島第1原発の被災、
それによる関東地区の計画停電の実施、などによる労働行政の対応を、報道というより、
記録として掲載していく。

 厚生労働省は3月12日午前11時に岩手県、宮城県、福島県に災害救助法を11日に
さかのぼって適用するとともに、現地連絡本部(本部長・東北厚生局長・本部長代理・宮城労働局長)
を宮城労働局内に設置し、各部局が実施する救援策を総括させた。また、東京都においても、
大量の帰宅困難者が発生したことから災害救助法が適用されていた。

 日本年金機構によると、東北ブロック管内6県の年金事務所は、3月13日現在で30カ所のうち
開所予定だったのは11カ所でしかなく、宮城県では全6事務所が開所できなかった。

 さらに3月16日付けで、子ども手当の支給について、認定請求の際の書類添付を必要とせず、
請求者本人からの申立書をもって代えることにし、3月13日付けでは、厚生年金保険料、
協会けんぽが管掌する健康保険、船員保険の保険料、
子ども手当に係る拠出金の納期限を2ヵ月以内の告示日に延長した。
もちろん督促状の送付も延長された。国民年金の保険料も所有する財産の被害金額が
価格の2分の1以上である場合には、申請に基づき保険料が免除されることになった。
同時に、年金の支給停止についても、損害を受けた年の前年又は前々年における所得を
理由とする支給停止は行われないことになった。現況届の提出期限も延長となったことは
当然の措置といえる。


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 ■■■ 各種助成金の支給申請に特例 ■■■ 
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 労働分野をみてみる。

 災害の影響により、ハローワークなどに来所できず、各種助成金の支給申請書類などを
期限までに提出できなかった(できない)事業主の助成金申請については、
「天災その他やむを得ない理由」に該当するとして、災害がやんで支給申請などが可能に
なった後一定期間内(7日以内、1ヵ月以内)に理由を記した書面を提出すれば、期限までに
支給申請などがあったものとみなされる。
どの助成金が7日以内で、どの助成金が1ヵ月以内なのかは、厚生労働省がホームページに
公開している。猶予期間が短いと思われるが、かつて阪神淡路大震災の折に、
猶予期間を長くしたことにより、事実上超法規の取扱いを行わざるを得なかったことによる。

 雇用保険失業給付の特例措置もとられ、ハローワークに来所できない人の失業認定日の変更、
失業給付の受給手続きについては、居住地を管轄するハローワークに来所できない場合に、
来所可能なハローワークで失業給付の手続きを行うことができるようにした。

 事業所が災害を受けたことにより休止・廃止したために休業を余儀なくされ、
賃金を受けることができない状態にある人については、実際に離職していなくても
失業給付(雇用保険の基本手当)を受給できるとともに、一時的に離職した人については、
事業再開後の再雇用が予定されている場合であっても失業給付を受給できることになった。
ただし、この特例措置を利用して、雇用保険の支給を受けた人については、
受給後に雇用保険被保険者資格を取得した場合に、今回の災害に伴う休業や一時的離職の
前の雇用保険の被保険者であった期間は被保険者期間に通算されなくなるので、
制度を利用する場合は留意した方がよい。

 新規学卒者などへの配慮では、3月23日付けで厚生労働大臣、文部科学大臣名で、
入社時期への対応、採用内定取消しへの最大限の努力、などが主要経済団体、
各労働局の大企業に対して要請された。

 最後は東京電力の電力事情による関東地区の計画停電に対しては、
3月15日付けで厚生労働省労働基準局監督課長名の通達が都道府県労働局に発せられ、
計画停電の時間帯における事業場に電力が供給されないことを理由とする休業については、
原則として労働基準法第26条により、使用者の責めに帰す事由による休業には
該当しないことを再確認された。

 計画停電の時間帯以外に時間帯の休業は原則として使用者の責に帰すべき事由による
休業に該当するが、他の手段の可能性、使用者としての休業回避のための具体的努力などを
総合的に判断し、計画停電の時間帯のみを休業とすることが企業の経営上著しく不適当と
認められる場合は使用者の責に帰すべき事由による休業には該当しない。

 大震災による厚生労働省の主な対応は日々追加されており、
何十本もの通達が発せられている。同省ホームページの冒頭に掲載されている。 
                                       (津山 勝四郎)


編┃集┃後┃記┃
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3月11日午後2時46分 東北地方を激震が襲いました。

読者の皆様ならびにご家族の皆様はご無事でしたでしょうか。

被災されました皆様には、心よりお見舞い申し上げます。

世界最大級のM9は、東京でも激しく揺れ地震の怖さをあらためて感じましたので、
震源地に近い方々の恐怖心は言葉に表せないほどすごかったことと思いました。
また、今回は押し寄せる津波のスピード・高さによる被害が多くの人々をのみ込み、
町並みを消してしまいました。 

 東京でも、地震後にはスーパーで野菜、お米、牛乳等の食料品の購入ができず、
日々の食品購入が困難でした。

 今回の地震・津波により、福島第1原発事故も不安を感じていますが、
寒い被災地の皆様のことを思えば我慢できます。

 最近の相談は、地震発生当日の帰宅困難者、節電対策としての輪番停電による
電車の運休や運行減による待機・遅刻・早退の対応です。
 また、お客様の社員で未だ行方不明者もおり心穏やかではありません。

 被災された皆様のご健康と、一日も早い復興を祈念申し上げます。
                                             (白石)

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 発行者  雇用システム研究所 代表 白石多賀子
     東京都新宿区新小川町9番5号畑戸ビル   
     アドレス:info@koyousystem.jp

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