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経営の“落とし穴”(17)〜“敗軍の将”失敗を語る(番外編)〜

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┃\/┃    ★雇用システム研究所メールマガジン★
┗━━┛                             第116号
                                 2011/12/01

           http://www.koyousystem.jp
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 一年はあっという間です。早いもので、もう師走となりました。
 皆様いかがお過ごしでしょうか。

 雇用システム研究所メールマガジン第116号をお送りします。 

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  □ 目次 INDEX‥‥‥‥‥
  
 ◆ 経営の“落とし穴”(17)〜“敗軍の将”失敗を語る(番外編)〜

  ■トップの専横を許す取締役会  
  ■経営情報を独占する経営トップ 
  ■規制強化という“箱物”では何も解決しない                     
                      (以上執筆者 溝上 憲文)

  ■歴史を戻す改正労働者派遣法の動向  
  ■果たして一歩前進なのか?
             (以上執筆者 日本労働ペンクラブ 津山 勝四郎)


  ■[編集後記]               (編集長 白石 多賀子)

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◆ 経営の“落とし穴”(17)〜“敗軍の将”失敗を語る(番外編)〜

 本欄では廃業や倒産の危機に直面し、見事に復活を果たしたベンチャー企業の経営者 が失敗を経て成功に至るまでの彼らの軌跡から経営に役立つヒントを紹介してきた。
連載の途中ではあるが、今回は話題になっているオリンパスの損失隠し問題について取り上げたい。

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 ■■■ トップの専横を許す取締役会 ■■■ 
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 オリンパス事件と同じ状況を彷彿とさせるのが05年に元社長ら3人が逮捕されたカネボウ
の巨額粉飾決算事件である。
カネボウ事件の背景には帆足隆元社長と旧さくら銀行出身の宮原卓元副社長の2人が
不正な経理操作を主導していただけではなく、経営の実質的権限を2人が握っていたという。

 その結果、上席役員らで構成する「経営会議」や「取締役会」は形骸化し、
すでに社長が決定した事項の確認や事後報告の場でしかなかったという。
こうしたコーポレートガバナンス(企業統治)不在の構造がトップの犯罪を誘発する温床に
なったわけだ。

 オリンパスの場合も、一連の損失隠しは菊川剛前会長兼社長と森久志副社長、
山田秀雄常勤監査役が主導し、菊川氏の後任の高山修一社長は何も知らされていなかった
とされている。オリンパスの損失はバブル期の証券投資による失敗で生まれたものだが、
外部ファンド使った巧妙な手口で20年近くも隠蔽されてきた。

 それをなしえたのはトップの菊川氏の存在を無視できない。
菊川氏は99年6月に財務担当役員に就任。2年後の01年6月から11年3月までの10年間の
長きにわたり、社長を務めてきた。
しかも監査法人が過去のM&Aの問題点を指摘したことで別の監査法人に変更していた
ことも報道されている。

 じつは経営会議や取締役会の形骸化はカネボウやオリンパスに限ったことではない。

似たような構造を持つ中堅の流通会社がある。同社の歴代社長はいずれも生え抜きが
就任しているが、取締役は5年おきに交代しているが、社長の在任期間が10年と長いことも
オリンパスに似ている。

 同社の人事担当役員は「取締役会に議題として提案する前に、担当役員と社長が事前に
ネゴシエーションを行ったうえで提案される。
したがって取締役会では了解が前提のような形になってしまい、それに対して他の部門の
取締役が何か言ってもしょうがないという雰囲気があり、発言しない。
逆に異議でも唱えようものならば、後で自分に跳ね返ってしまうのではないかという危惧を
持っている」と指摘する。


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 ■■■ 経営情報を独占する経営トップ ■■■ 
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 役員が発言しないのは何も社長を恐れているからだけではない。
会社全体の経営情報を他の役員が共有していないからであり、もっといえば経営トップが
情報を独占しているからである。

 大手精密機器メーカーの元秘書室長は「トップが絶対的権限を持とうとするならば、
取締役にそれぞれ個別の担当事業を与えて業務に専念させることだ。
そうすることで事業部以外の情報を遮断し、経営トップだけが個別に担当取締役から
すべての情報を一手に握ることになる。トップ以上に権限と情報を握っている人はいない
わけであり、こういう構造にしておけばいつまでも権力は安泰というわけだ」と指摘する。

 もちろん、経営トップが強い権限を持って業務を執行するのは決して悪いことではない。
ただし、経営的に正しい行為であれば問題はないが、不正や経営を危うくする行為であれば
トップの暴走に歯止めがかからなくなる。

 オリンパスの損失隠しは、皮肉にも菊川氏が指名したマイケル・ウッドフォード前社長に
よって暴かれた。
ウッドフォード氏の社長就任は、日本の大手企業では珍しい外国人社長の起用ということで
世間の注目を浴びた。菊川氏はその理由について、雑誌でこう述べていた。

「イギリス人ということで、ずいぶん話題になっているようですが、
最初から外国人を社長にしようと思って選んだわけではありません。
たまたま次期社長に最もふさわしい候補を選んだら、結果的にイギリス人だったということです」
                                 (『プレジデント』2011年4月18日号)

 菊川氏はたまたまというが、ウッドフォード氏は子会社の
オリンパス・ヨーロッパ・ホールディングス社長。同社では執行役員にすぎず、
しかも他の取締役よりもはるかに若い。
今にして思えば、若い外国人を本社の社長に据えることができたのも
菊川氏が絶大な権力を持っていたからだろう。


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 ■■■ 規制強化という“箱物”では何も解決しない ■■■ 
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 そのウッドフォード氏から不正経理を理由に辞任を迫られた菊川氏は、
逆にウッドフォード氏を解任に追い込んだ。
驚くのは、取締役会が全会一致で解任に賛成したことである。

 今回のオリンパス問題に関連して、企業統治の強化が叫ばれている。
トップの不正行為を防止するために、経営を監視する「独立社外取締役」の義務化や
米国型統治の仕組みである「委員会設置会社」の導入を推進するべきという意見もあり、
政府で検討されている。

 しかし、いくらこうした“箱物”をつくっても、経営トップの専横を完全に封じることはできない
だろう。委員会設置会社は取締役会の下に、取締役候補を決める指名委員会、
役員報酬を決定する報酬委員会と監査委員会の3つを設置し、委員の過半数を
社外取締役とすることが義務づけられている。

 オリンパスは委員会設置会社ではなく、監査役会設置会社であるが、
社外取締役が3人もいた。
監査役会も4人の監査役のうち社外監査役が2人もいたのである。
また、社外取締役・監査役の5人は計6600万円の報酬を受け取っていた(2010年度)。

 企業統治という箱物の強化を叫ぶだけでは何も解決しない。
経営会議や取締役会での情報の共有や議論の活性化を含めたガバナンスのあり方について、
企業自ら真剣に向き合うべきである。
                                          (溝上 憲文)

                                  
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 ■■■ 歴史を戻す改正労働者派遣法の動向 ■■■ 
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 11月中旬のとある日、竹橋のKKRホテルで、急逝された高梨信州大学名誉教授を送る会
が開かれた。
会場には、現在の労働法制のご意見番とも言える労働法学者、そして旧労働省の事務次官
経験者3人に厚生労働省になっての事務次官経験者、さらに厚生労働省の現役幹部、
労働政策審議会の委員などが故人を偲ぶ時間を共有した。

 高梨先生といえば何と言っても、現行の労働者派遣法が初めて成立した時の、
雇用審議会の会長で、これまた労働省中興の祖と言われ、名次官とまで言われた
関英夫元事務次官と2人で、強いリーダーシップの元で労働者派遣法を創設し、
その後には全国のシルバーセンター創設を盛り込んだ高年齢雇用安定法を成立させた時の
審議会会長でもあった。

 ところで当日遅れて参加した厚生労働局職業安定局の幹部は会場を回りながら、
「昨日から謝まりぱなしです」と語っていたのが印象に残る。
 というのも、その前々日の朝刊各紙が「継続中の改正労働者派遣法を大幅に修正して、
今国会で成立も」との記事を流したからである。筆者も正直のところ驚き、厚生労働省本省で
取材した。既に改正安全衛生法の審議はその時点で絶望視されていた。
先号のこの欄でふれた、厚生労働省担当課長の
「時間がタイトなので予断はできない」というコメントが結果として正しかったことになる。

 民主党はまたもマニフェストを変更したのか、自民党、公明党と話し合いをつけ、
政治結着を図ったのか、―誰もがそう思った。

 そうではなかった。モレ伝わってくるところによると、仕掛けたのは連合が
厚生労働省職業安定局と事前打ち合せを行い、修正内容で結着をみた。
民主党“得意”の政治主導ではなく、官(厚労省)民(連合)主導だったというわけだ。

 前出の職業安定局幹部が謝まり回っていた由縁で、謝り先は労働政策審議会委員、
社民党(現在の政府提案の共同提案)、
そして与党・民主党の厚生労働委員会のメンバーであることは予測できる。


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 ■■■ 果たして一歩前進なのか? ■■■ 
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 11月28日現在、修正される改正労働者派遣法を国会に提出されておらず、
技術的なことでは、議員立法により政府原案を否決した上で、
修正案を可決・成立させることになるが、それにしても時間が少ない。

 修正点は、登録型派遣の原則禁止(専門26業務等は例外)、製造業務派遣の原則禁止
(常時雇用(1年を超える雇用)の労働者派遣は例外)、の2項目の改正を見送る。
つまり、政府提案の骨格といえる部分を見送ったことになる。

まさに、歴史を平成20年までに戻したことになる。その他の修正は、日々派遣(日々又は
2か月以内の期間を定めて雇用する労働者派遣)の原則禁止の項目で、
「日々又は2か月」を「日々又は1ヵ月」に修正するとともに、
「違法派遣の場合、派遣先が違法であることを知りながら派遣労働者を受け入れている
場合には、派遣先が派遣労働者に対して労働契約を申し込んだものとみなす」との項目を
現行通りとした。

ただし、この項目は派遣法が簡単に認めるとは思えず、労使紛争の種を増やすだけだろう。

 連合の古賀会長は11月17日の定例会見で、
「何年も早期成立ということで放って置くわけにはいかない。
一歩前進ということで修正案を認めることにした」と語った。

認めるも何も、自ら動いたのだから、正直な会見だったとも言えるが、
問題はどこが一歩前進なのかということ。

 周知のごとく、連合といえば約700万人の働らく労働組合員で、民主党の最大支援団体である。
その連合が、働く人たちが望んでいた、登録型派遣の原則禁止と製造業の原則禁止を自ら
見送ったことは、一歩前進と言えるのだろうか。
しかも、その反動で、働く人たちのメンタルヘルス強化と企業の分煙化対策の義務化を
盛り込んだ改正安全衛生法は国会提出にさえいかなかったのである。

 いわば、敢えて古賀会長の一歩前進を容認するとしても、そのために五歩後退したのではなかろうか。

 今回の事態は、日本経団連と自民党が主導したのならばよく理解できる。

しかし、「国民の生活が第1」の民主党と、日本の労働者のナショナルセンターである連合が
主導しているだけに、解釈に苦しむ。
(註・国会での審議状況は予測しません)。
                                            (津山 勝四郎)


編┃集┃後┃記┃
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厚生労働省より「職場のいじめ・嫌がらせ問題の現状とその影響」が発表されました。

職場のいじめ・嫌がらせに関する相談は増加傾向にあり、
都道府県労働局等への相談件数は、解雇に関する相談に続き2番目に多いです。

私は時折、社員向けの「セクハラ・パワハラ研修」講師をしますが、
パワハラの判断基準の難しさを感じています。

パワハラは、
「職場において、職権などの力関係を利用して、相手の人格や尊厳を侵害する言動を
繰り返し行い、精神的な苦痛を与えることによりその人の働く環境を悪化させたり、
あるいは雇用不安を与えること」が定義です。

「相手の人格や尊厳を侵害する言動」の内容や程度では、回数が多い、長時間に及ぶ
執拗な言動が問題となります。

たとえば、「長時間部下を机の前に立たせたまま、ミスを執拗に責める。」が該当します。

ではなぜ、長時間に及ぶのでしょうか。

ミスの指摘・理解させるために上司の説明が長くなったりします。指導を受ける側は、
「はい」「すみません」しか言わず、理解できたのか不安になり、ついくどくどと説明
してしまう傾向も原因の一つと思います。

部下から、「今後は、○○の処理は正しく行います。申し訳ございませんでした。」と
ミスの内容を理解していることを伝えることにより説明時間は短くなり、指導する側、
される側ともに仕事がスムーズに処理できます。

上司は、部下に対して指導・監督する権限がありますので、必要に応じて叱責したり、
始末書等の作成を求めることは可能です。

しかし、部下の仕事に対する反応の仕方等に苛立ち感情的になり声を荒立てたりすることは
大きな問題となります。

パワハラと業務上の指導・監督の線引きは困難です。

企業は社員研修の実施等の対策を立ててください。

                                (白石)


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 発行者  雇用システム研究所 代表 白石多賀子
     東京都新宿区新小川町9番5号畑戸ビル   
     アドレス:info@koyousystem.jp

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   お楽しみいただければ幸いです。今後もさらに内容充実していきたいと
   思います。
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