人事・労務に関する御相談は信頼と実績の雇用システム研究所

社会保険・労働保険の御相談は信頼と実績の雇用システム研究所

雇用システム研究所 トップページ雇用システム研究所 個人情報保護方針雇用システム研究所 メールマガジン雇用システム研究所 お問い合わせ
雇用システム研究所 >> メールマガジン >> 「組織を変え、人を変える」意識改革運動(6)

「組織を変え、人を変える」意識改革運動(6)
     〜アステラス製薬の企業風土改革(下)〜

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏━━┓    
┃\/┃    ★雇用システム研究所メールマガジン★
┗━━┛                             第129号
                                 2013/01/01

           http://www.koyousystem.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
新年明けましておめでとうございます

今年も皆様にとりまして素晴らしい年でありますようにお祈り申し上げます。
雇用システム研究所メールマガジン第129号をお送りします。

==========================================================================

  □ 目次 INDEX‥‥‥‥‥
  
 ◆ 「組織を変え、人を変える」意識改革運動(6)
   〜アステラス製薬の企業風土改革(下)〜

  ■経営トップが現場に出向いて統合理念を訴える
  ■外部の声を遮断した公正な合併人事を断行
  ■“合併後遺症”の払拭には人事評価の透明性が大切           
       
                       (以上執筆者 溝上 憲文)

  ■労働組合は誰のもの?  
  ■日本の労働組合員は989万人、雇用者数の17.9%
            (以上執筆者 日本労働ペンクラブ 津山 勝四郎)

  ■[編集後記]               (編集長 白石 多賀子)

==========================================================================

◆「組織を変え、人を変える」意識改革運動(6)
  アステラス製薬の企業風土改革(下)

 ビジネス環境の変化により業績が低迷し、部門の統廃合など全社的な構造改革に着手する企業が少なくない。

その一つの手段として企業の持続的成長を目指し、合併に踏み切る企業もある。
その中でも合併の成功例と見なされているのが山之内製薬と藤沢薬品の合併で05年に

誕生したアステラス製薬だ。両社は合併前、また合併後も大胆な事業構造改革と
会社の体質や社員の働き方の変革を促す組織風土改革を続けてきた。

今回は合併後の取り組みを紹介したい。


==========================================================================

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ■■■ 経営トップが現場に出向いて統合理念を訴える ■■■ 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 両社が合併で最も心を砕いたのが「人の融合」だ。

対等合併とはいっても、資本力や事業規模に差があれば、強者は奢りにまかせ、
弱者は必死の思いで椅子の奪い合いが発生するのが常だ。
同社はこれを防止するために社内に対して「統合7原則」を打ち出し、
その一つとして「人事は能力に基づき、公正にして適材適所に徹すること」を掲
げた。

 また、統合直前には旧社のトップ自ら現場に出向いて統合の理念と必要性を
訴えるなど丁寧なフォローを行っている。新たな経営理念とは
「先端・信頼の医薬で世界の人々の健康に貢献する」。

製薬業界は外資を巻き込んだ厳しい競争環境の中で、新薬の研究開発で
しのぎを削るのか、あるいは特定の分野に集中して生き残りを図るのか。
さらにもう一つは新薬の特許切れに伴う後発医薬品の開発・販売事業への
シフトという大きく3つのビジネスモデルのいずれかの選択を迫られていた。

新生アステラス製薬が選択したのは、
医療用医薬品に特化するという製薬の“王道”だった。

 具体的目標として売上高世界10位以内を目指す「グローバル10」を掲げた。
海外売上げを拡大し、グローバル市場で覇を成すには、従来以上にイノベーションを生み出す
高い人材レベルが要求される。求められる人材価値として

1:スピード
2:変革力
3:専門力
4:ネットワーク力――の4つを掲げた。

統合の理念について旧山之内のトップが旧藤沢の事業所に、
旧藤沢のトップが旧山之内の事業所に直接出向いて訴え続けた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ■■■ 外部の声を遮断した公正な合併人事を断行 ■■■ 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 トップと現場のコミュニケーションだけではなく、実際に公正な人事を貫いた。

具体的には旧社の社長、副社長の経営トップ2人ずつの計4人(トップ4)が
新ポストの候補者全員と面談し、適材適所の人事配置を断行した。
両社の情報を参考にしながら、たとえば部長候補者に直接インタビューを実施。
外部の雑音を一切シャットダウンし、4人だけで人選を行った。
いわゆる“たすきがけ人事”ではない。

 同社の人事担当者は「当時の社格からしても山之内が強く、同社のOBからも、
なんで実質的に買収した会社の人間を主要なポストにつけるのかとか、いったい
何を考えているのかという声が上のほうに届いていたと思う。 
しかし、上はそんな声に耳を貸さずに新しいアステラスを作るという思いでやった。

その姿勢が、社員たちの共感を徐々に得ていったのではないか」と語る。

 しかし、適材適所とはいえ、2つの会社が1つになる以上、余剰となる部署や
ポストから外れる人も当然発生する。統合直前に旧藤沢が約600人、山之内が
約400人の計約1000人の早期退職募集を実施している。

 外資との競争が激しくなる中で早期の競争力確保が必要という事情もあった。
その一方で
「家庭の事情で大阪から東京に行けない人を含めて非常に辛い思いもした人もいた」

                           (人事担当者)という。


やむなく辞めざるを得ない人には、退職割増金を手厚くするなどできる限りの
フォローを行った。その結果、統合直前の社員意識調査では95%の社員が統合の
意義に賛同。会社の方向性に対する共感度が高かったという。

 また、人員のスリム化と同時に人事制度の統一もスピーディに実施している。
統合時に旧来の職能給的要素を払拭した欧米型の「職務給」に一本化することを
宣言。半年後に本格的に移行した。新制度導入に当たっては
「両社の制度を足して2で割っても誰も納得しない。
納得性を高めるにはどういう職務や成果が求められる仕事をしているかで判断す
るしかない」
(人事担当者)ということで職務給に統一したという。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ■■■ “合併後遺症”の払拭には人事評価の透明性が大切 ■■■ 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 職務給は毎年の評価によって職務給ランクが変動し、減給・降格が発生する反面、
優秀な人材を高位の役職に抜擢できるというメリットもある。
しかし昇格・降格にしても納得が得られる仕組みがあってこそ機能する。
同社は次の経営幹部を担う人材について毎年1回トップを含む「人事会議」を開
催し、検証している。
候補者のリストアップに当たっては、できるだけ恣意的判断を持ち込まないための
手段として、外部機関によるアセスメントを導入し、部長級全員の評価を実施し
ている。

 同様に執行役員についても、世界的に有名なエグセクティブサーチ会社の
チェックを受けるなど客観的評価を行っている。
もちろん実際の人事はこうした情報だけではなく、社内で実施している360度評価の
情報を加味しながら総合的に判断している。

 一般社員から経営幹部に至るまで育成と配置を重視した厳格な人事評価制度を
導入したのは、自分の将来や人事に対する不安など“合併後遺症”を取り除く
ためである。

「合併直後の意識調査では、合併で上司が入れ替わることになり、
自分のキャリアイメージが見えなくなるという不安を抱える社員もいた。
もう一つは、人事において本当に最適な配置をしてくれるのかという疑問だ。
そのためには、昇進や配置のためのしっかりとした仕組みを作り上げ、
説明責任を果たせる人事をやっていく姿勢を見せることも極めて重要だと考えた」
                             (人事担当者)

 同社の05年4月の統合時の営業利益は1922億円だったが、その後、
着実に業績を伸ばし、08年3月期は2759億円に達した。
もちろん、「人の融合」のための意識改革と人事面の取り組みがどのように業績に
貢献したかを測定することは難しい。
だが、企業の存続と持続的成長を図るうえで、
人事の果たすべき役割が極めて大きいことは間違いないだろう。
                              (溝上 憲文)

                                 
==========================================================================


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ■■■ 労働組合は誰のもの? ■■■ 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 昨年12月21日の朝日新聞朝刊は7面トップ記事として
「連合 冬の時代」と題した4段抜きの見出し(タイトル)を打った。

 連合はこの前日に、東京・錦糸町のホテルで中央委員会を開き、
全国の地方連合会や産業別労働組合幹部らを集め、2月から開始される今季春闘の
方針を決定した。直前の12月16日の総選挙で支持政党の民主党が大惨敗したことは
論を待たない。
前回の中央委員会には出席した野田前総理は出席せず、大敗の戦犯第1位の
輿石前幹事長が出席していた。

 中央委員会は春闘討議の前に古賀会長が選挙結果を総括し、
「来年7月に向けて再出発を誓い、政権が交代する今こそ、
組織力と連合運動への求心力が問われる」と挨拶したが、
いつも活発に議論される質疑応答も少なく、組織全体が疲弊していることは
明らかだった。

 古賀会長は総選挙の終った翌日の12月17日に記者会見し、
「民主党執行部は総辞職すべきだ」と語った。

事実そのように民主党執行部は総入れ替えとなった(12月25日時点)。

 待てよ……。総辞職すべきは、政党だけでなく連合執行部も責任をとった方が、
と思ったのは筆者だけではないだろう。

 労働組合が政治に深く関与していく状況は過去にもあった。
しかし、その当時は支持政党が野党であるために声を大きくする必要という事情も
あった。現執行部は与党を支持する労働組合団体として、
政治に深く関与しすぎたと言える。

 パナソニック労組出身の古賀会長と松下政経塾出身の野田前総理の
個人的関係があったにせよ、東京電力出身の南雲事務局長とともに、
与党支持の労働組合団体としての労働運動のあり方、労働組合の組織強化の
あり方について、贔屓目にみて初めての体験であったとしても、
労働組合の政治への関与がいかに無力であったかを如実に証明した。

繰り返される現職大臣の不適切発言で国会が止まったのも、その大臣の複数は
連合から出た国会議員である。

 労働組合の専従員として所属組合から給与が支給されながらも、
地方自治体議員として俸給も受けていた電力総連出身(東京電力)の連合事務局
長が、
福島原発後も辞任せず、電力を使用することで成立する電機業界出身の連合会長
とともにここまで執行部に在籍してきたことも連合組織の力を大きく削いだ。

 結果として、最大産別労組のOAゼンセン、自治労、電機連合、フード連合などが
組織内候補を落とし、運輸労連、私鉄総連はかろうじて比例復活であった。また、
民主党所属の元厚生労働大臣も落とした。つまり、今回の総選挙のように、
TPPや原発など個別の問題があったにしても、労働組合員と政治運動とは執行部が
考えているなど連動しないということは、労働組合幹部は肝に銘ずるべきだろう。

「連合加入組合の労働組合員は家族も含めて5割は支持政党に投票していない」
という行政側の見方もある。

 日本を代表する大企業の従業員が労働組合法に基づくユニオン制度によって
自動的に労働組合員(組織は連合、全労連など複数に分れる)となり、
組合費も給与から天引きを認めている日本の労働組合員に、
せめて選挙の時の票読みぐらいできる労働組合員としての
参加・活動を望むのは無理なのかも。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ■■■ 日本の労働組合員は989万人、雇用者数の17.9% ■■■ 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 厚生労働省が昨年末に発表した労働組合実態調査によると、
平成24年6月30日現在、
単一労働組合は2万5,775組合、
労働組合員数は989万人(女性299万人)で、
母体企業の経営不振により、組合数で1.1%、
組合員数で0.7%(6万8千人)前年度より減少している。

救いは女性の組合員が3万1千人(1.1%)増加していること。
規模別では、千人以上規模で519万人で全体の62.7%を占め、
300人以上で119万を占め、いわゆる中小企業でない規模で77%を占めている。

冒頭に述べた労働組合員の浅い参加意識はこの大企業労働者が占めており、
そのうち連合所属は669万人で67%を占めている。

労働組合では左派といわれながらブレない全労連は60万人で全体の6.1%でしか
ない。

 ちなみにパート労働者の労働組合員は83万7千人(性別の集計なし)で、
前年に比べ6万1千人(7.9%)増加し、全労働組合員に占める割合は8.5%となっ
ており、
過去、大企業正社員の労働組合員の集まりと言われた連合の組織強化の見直しが、
少しずつではあるが結実してきている実態が数値にあらわれている。

 今年の春季生活闘争において、連合は企業規模別の格差解消を重要として、
全体で1%目安の賃上げ配分(定昇込み)、全労連は全体の賃上げとして
1万円を掲げている。

もちろん経営側は例年通り、定昇の実現さえ不確定としている。

 労働組合の存在価値として、労働組合員は何を求めるのだろう。
特定の政党に所属する労働組合員は別として、政治運動への参加による体制刷新まで
望んでいるのだろうか。労働組合活動と労働運動とは似て非なるものだろう。
労働組合の執行部が現在のように、時の政権との連携に現(うつつ)を抜かして
いるようでは、世代交代を行いつつある現政権から再び政権を取り戻すことは難
しい。

働く人たちの生活を守る(賃金と労働条件)のが労働組合のまず留意すべきこと
だろう。

 連合、全労連、その他の労働組合幹部に猛省を求めたい。

                            (津山 勝四郎)


編┃集┃後┃記┃
━┛━┛━┛━┛********************************************************


“一年の計は元旦にあり”

皆様は、今年の計画や心づもりをどのように思い描きましたか。

4月より労働契約法・高年齢者雇用安定法の改正が施行されますので、
3月末までに就業規則や労使協定の見直しをしましょう。

ここ数年、国や自治体は行政中心で供給されてきた公共サービス分野を
民間企業等と公契約を締結しています。

導入した目的は、民間企業の持つノウハウを活用することによる住民サービスの
向上と
経費削減の2つが主に上げられており一定の成果を挙げているといわれています。

しかし、民間企業等の低価格競争による落札額の低下により、
サービスの質の低下やそこで働く労働者の労働環境悪化が危惧されています。

この状況を改善するために国や自治体は、労働基準法等の法令遵守の調査をして
います。
今年は、労働環境を見直して労働者のやる意欲を引き出し企業の成長に役立てま
しょう。

ノロウイルスが流行っています。それも遺伝子が変異しているそうです。
インフルエンザにもくれぐれもお気をつけください。

健康にご留意のうえ、充実した一年をお過ごしください。
                              (白石)


-------------☆  ☆  ☆ --------------

 発行者  雇用システム研究所 
 代表 白石多賀子 東京都新宿区神楽坂2-13末よしビル4階
 アドレス:info@koyousystem.jp

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 


 今週のメールマガジン第129号はいかがだったでしょうか。  
お楽しみいただければ幸いです。
今後もさらに内容充実していきたいと思います。 
ご感想は info@koyousystem.jp にお願いします。

「こんな記事が読みたい!」というリクエストも、遠慮なくどうぞ。

次回の配信は2月初旬頃情報を送らせて頂きます。

e-mail: info@koyousystem.jp 

[過去のメルマガ随時更新]⇒ http://www.koyousystem.jp 
=================================================================
メールマガジンの配信が不要な方は、お手数ですが、   
こちらhttp://www.koyousystem.jp/mail_magazine.html から
配信停止を行って下さい。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ・『雇用システム研究所メールマガジン』に掲載された情報を許可なく転載することを禁じます。

雇用システム研究所 事業案内
雇用システム研究所 組織づくり
雇用システム研究所 人事制度
雇用システム研究所 教育・研修
雇用システム研究所 メンタルヘルス
雇用システム研究所 お客様向けサービス
雇用システム研究所 個人情報保護方針
雇用システム研究所 お問い合わせ
雇用システム研究所 事務所所在地




Copyright(c) 1998-2015 KOYOU SYSTEM Co.,Ltd. All rights reserved.