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最新コア人材育成法(10)
     〜GE(ゼネラル・エレクトリック)の人材育成の舞台裏〜(上)

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┃\/┃    ★雇用システム研究所メールマガジン★
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                                 2013/11/03

           http://www.koyousystem.jp
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暦の上では冬を迎え、さすがに吹く風の冷たさも鋭さを増しております。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。


雇用システム研究所メールマガジン第139号をお送りします。

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  □ 目次 INDEX‥‥‥‥‥
  
 ◆ 最新コア人材育成法(10)
  〜GE(ゼネラル・エレクトリック)の人材育成の舞台裏〜(上)

  ■部門長の後継者を常に育成。
  ■人事評価で社員の10%を解雇
  ■選抜人材をクロトンビルで教育           
       
                       (以上執筆者 溝上 憲文)

  ■動き出した労働法制の行方  
  ■国家戦略特区における労働規制緩和の内容

            (以上執筆者 日本労働ペンクラブ 津山 勝四郎)

  ■[編集後記]               (編集長 白石 多賀子)

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◆ 最新コア人材育成法(10)
  〜GE(ゼネラル・エレクトリック)の人材育成の舞台裏〜(上)

  アメリカ企業のGE(ゼネラル・エレクトリック)といえば、高業績企業であると同時に優秀人材の輩出企業として知られる。
年間10億ドルを費やす人材育成の仕組みは、日本企業をはじめ多くの企業のモデル
となるほど有名である。

 そのGE日本法人の元人事部長の2人にたまたま取材する機会に恵まれた。
1人はGEキャピタルの人事部長だったA氏。
もう1人は金融部門の人事部長のB氏。
ともにジャック・ウェルチが社長時代に在籍していた。
2人の証言をもとに、あまり知られていない部分も含めて、
育成の現場の生の姿を紹介したい。


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 ■■■ 部門長の後継者を常に育成 ■■■ 
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 GEの育成の中核となるのが「セッションC」と呼ばれる後継者の育成・配置の
ための人材評価の仕組みだ。

縦軸に業績レベルを3段階、横軸にポテンシャル(潜在能力)のレベルを3段階に
分けた計「9ブロック」の中に社員を順位付けする。

各レベルを仮に上、中、下に分けると、業績とポテンシャルが上の社員が最も
優秀とされ、部門長の後継者となるべき人物ということになる。


 ポテンシャルの測り方について
「与えられた役割に対する仕事ぶりがパンパンになっていて、これ以上は無理だ
と思うとポテンシャルがないとみなすし、逆に、頼んでもまだ仕事ができるよう
な余裕を持ってやれる人かどうかを評価軸にしている」(A氏)という。

「9ブロック」は年に一回、各部門単位で実施されるが、
A氏は「組織の棚卸し」と呼ぶ。


「毎年見直しますが、今の組織にどういう人材がいるのか人目でわかります。
これを見て、トレーニングを受けさせようとか、あるいは別の部門に異動させて
仕事を経験させて成長させることを考えます。

9ブロックのランク付け表は、まず部門長が作成し、
人事部長とビジネスリーダー(社長)が見て、最終的に本社のアメリカサイドと
話し合って確定します。
業績もポテンシャルが最も高い人を必ず置かなくてはなりません。
なぜなら
『あなたの後継者はいないじゃないか、あなたがいなくなったらどうするのか』
と厳しく言われます」

 後継者がいても部門長ポストがなかなか空かない場合は、国内の別の部門長
として異動させるか、アメリカ本社協議してグローバルに異動させることもある。
こうした会社を超えてグループ企業内を異動するのも特色の一つだ。
グループの人事部長の定例会が毎月あり、グループ内優秀な課長がいれば、
話し合いで別の会社に異動させることも頻繁に実施している。


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 ■■■ 人事評価で社員の10%を解雇 ■■■ 
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 「9ブロック」は課長、部長の各層ごとに作成されるが、A氏は部長以上の
各法人のトップを含めた評価を担当していた。
日本の社長と話し合ってリストを作成し、本国の人事部門長と社長の承認を受ける
ことになる。
一度、リーダーとして疑問符がつく人物をリストに掲載してアメリカに送ったと
ころ、突き返された経験もある。

「驚きました。傘下の信販会社の社長にちょっと問題があったのですが、
後継者もいないことから甘い評価をつけたのです。すると、アメリカから

『間違っている。彼は問題があるだろう』とはっきり言われた。

じつは本国の人事は年に2回必ず日本に来て、いろんな人にインタビューをしています。
ですからすべてお見通しなのです。
制度を作ったら終わりではなく、運用の細部に至るまで徹底しているところが
GEのすごいところです」

 徹底ぶりは通常の人事評価も同じだ。
人事評価は、期初の目標の達成度合いを示す業績結果を縦軸、
GEバリューと呼ぶ行動規範の実践度を横軸にしたマトリックスで評価する。
業績も高く実践度も高い社員はA評価となり、高い報酬が得られ、昇進も有利になる。
業績は高いがGEバリューの実践度が低い人がB評価、実践度は高いが、
業績が低い人はC評価になるが
「ジャック・ウェルチはかなり数字にうるさい人でしたが、GEバリューは最も
大事であり、BよりもCを高く評価すると言っていた」(A氏)。

 問題は業績も実践度も低いD評価の社員。

「2・6・2の法則ではありませんが、D評価は2割ぐらいいるはずだから
基本的に辞めさせなさい、と本国から指示してくるわけです。
でも日本で2割の社員をとても辞めさせるなんてできません。
本国と相当やりあって、私の時代は1割ということにしました。

 しかし、1割をいきなり辞めさせるのではなく、お互いに話し合って課題を設定し、
半年間猶予を与えるPIP(業績改善計画)を実施します。
半年経った後に、ダメだということであれば辞めていただくことになります」(A氏)

 
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 ■■■ 選抜人材をクロトンビルで教育 ■■■ 
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 人事評価結果は前述したセッションCに反映され、最終的にグローバル規模の
人材データベースに登録される。データベースは異動や配置だけではなく、
受けるべきトレーニングにも活用される。

様々なトレーニングが用意されているが、選抜人材のみを対象にするのが
アメリカの「ジョン・F・ウェルチ・リーダーシップ開発研究所」(クロトンビル)
での研修だ。


 代表的なプログラムとしてはグループ企業の社長であるビジネスリーダー、
部長クラス、課長クラスの3つの階層別の研修が有名だ。

期間は3週間。
各層から選抜された人材のみ受講できる。
B氏はクロトンビルで2回受講した経験がある。

「人事部長の時、最初は上級のファシリテーショントレーニングに参加しました。
クラス全員が30人。コーネル大学教授による論理学などの学習以外に、
4人でチームを組んで、アメリカのGEの事業会社に出向いて経営や人事課題に
ついて実際にファシリテーションをやるのです。
結構レベルが高く、私の英語力では不安なので助けてもらいながらやりましたが、
大変でした」


 印象的だったのはクロトンビルの雰囲気だった。

「GEの社員にとって聖地のようなところで、そこに行くというだけでGEの
キャリアのゴールみたいに思っている人もいました。
2、3週間のプログラム期間中、最低1日はジャック・ウェルチが予告もなしに
来るのです。夕方、中庭でコーヒーを飲んでいると、突然、ヘリポートに
スポットライトが当たり、上空からヘリコプターが舞い降りてきて、
ウェルチが降りてくる。
すると皆が『ウェルチだ!』と言って、アメリカ人の中には涙を流さんばかりに
感激する人もいました」(伊藤氏)

 ウェルチと直に話せるのも選抜人材の特権だ。
                             (溝上 憲文)

                                 
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 ■■■ 動き出した労働法制の行方 ■■■ 
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 総務省が7月に発表した就業構造基本調査によると、役員などを除く雇用者のうち、
いわゆる非正規労働者と言われる、パート労働者、派遣労働者を含む有期労働契約の
労働者数は全国で約2043万人と、
初めて2000万人を超え、全雇用者の38.2%となり、
男性・女性ともに過去最大となったばかりか、
過去5年間の間に転職した労働者をみると、転職前に正社員だった労働者の40.3%が
非正規労働者になっている。


 産業別では、卸売業・小売業で約282万人、
医療・福祉で約176万人の女性労働者がパート労働者、アルバイトとして就業しており、
この2分野における就業者増は、女性だけでなく定年を迎えた高齢者の就業を
吸収していくことで、今後非正規労働者の全雇用者に占める割合がさらに
上昇していくことにつながる。

この増大する非正規労働者をめぐり、政府・与党では現行の労働法制、
特に働く人の憲法ともいえる労働基準法、そして労働者派遣法、
さらに雇用面からの見直しとなる雇用保険法、主として女性の職場進出と再就職を
促進するため、男女雇用機会均等法、次世代育成支援法の再構築を、
現政権の重点施策として、内閣直轄の検討会や委員会において来年以降からの
具体案作成をめざし動き出している。

同時に、前政権時に休眠していた規制改革会議でも労働法制の規制緩和に向けて
ワーキンググループで議論を続けている。



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 ■■■ 国家戦略特区における労働規制緩和の内容 ■■■ 
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 安部総理が就任早々に立ち上げた日本経済再生本部は、
「日本の経済社会の風景を変える大胆な規制・制度改革を実行していく」ための
具体策として国家戦略特区を創設し、
医療、雇用、教育、都市再生・まちづくり、農業、歴史的建築物の活用の各分野に
おいて、特例措置をとるべく、国家戦略特区関連法案を臨時国会で審議する予定だ。


 雇用分野では、第1に雇用条件の明確化を掲げ、新規開業直後の企業や海外から
進出する企業が、現行の日本の労働法制を理解し、予見可能性を高めることで
紛争を生むことなく事業展開ができるよう
「雇用労働相談センター」設置する。

また、過去の労働判例の分析と類型化による「雇用ガイドライン」の活用により、
個別労働紛争の未然防止を図るとともに、予見可能性の向上もめざす。

センターでは特区ごとに設置する総合推進本部の下に置かれ、
企業からの要請に応じて、雇用管理や労働契約事項がガイドラインに合致して
いるかどうかなど、事例に即した相談や助言サービスを事前段階から実施する。
現在も都道府県労働局や都道府県社会保険労務士会に総合労働相談センターが存在し、
個別労働紛争解決法に基づいて労働相談業務が行われているが、
二つのセンターの差別化がどうなるのかに注目したい。

 第2は有期雇用の特例を設けることで、この提案が、関係団体、労働学識経験者
などの間で議論されている。


 提案は、
「例えば、これからオリンピックまでのプロジェクトを実施する企業が、
7年間限定で更新する代わりに無期転換権を発生させることなく高い待遇を提示し
優秀な人材を集めることは、現行制度上はできない」
とした上で、
新規開業直後の企業や海外から進出する企業の中で、重要かつ時限的な事業に
従事している有期労働者で、
「高度な専門的知識等を有し」、
「比較的高収入を得ている者」などを対象に、
無期転換申込権発生までの期間(現行の労働契約法では5年超の再契約者、
ただしクーリング制度あり)の在り方と、必要な措置について、
全国規模の規制改革として、労働政策審議会において検討を行い、
平成26年通常国会に関連法案を提出するよう指示している。

もちろん、厚生労働省は既に労働政策審議会の労働条件分科会において検討を
開始している。
つまり、改正法が施行されたばかりの現行労働契約法の改正が審議されていく
ことになる。

国家戦略特区において検討すべき具体的な規制改革事項は国家戦略特区
ワーキンググループ(座長・八田達夫大阪大学社会経済研究所招聘教授)
における検討結果に基づいている。


 当初盛り込まれるとされていた特区での解雇規制や労働時間規制の緩和が
見送られたのは、憲法上の生存権的基本権としての労働者保護規定の否定に
つながりかねないことと、労働団体やマスコミからの反対が強かったことにある。

連合は雇用条件の明確化については、雇用ガイドラインが、企業が意図する
解雇に対して実質的な可否判断権を意味するものにならないことに加え、
有期雇用の特例については、特区内での無期転換申込権の事前放棄の容認が
見送られたことを評価しつつも、今年4月に施行されたばかりの無期転換の
仕組みを早くも一部の労働者に限って見直そうとするものだとして、
公労使による慎重な議論を要請している。


 だが、検討の場は産業競争力会議や規制改革会議などで継続されている。
解雇規制、労働時間法制、限定正社員の雇用契約のあり方などに関する議論である。


 規制改革会議では、雇用WG座長の鶴光太郎慶應義塾大学大学院教授が、
政府主導による一律的な労働時間規制から、分権的枠組み(労使協定)による
柔軟化による実労働時間や賃金制度への直接的な規制から、
肉体的・精神的健康維持確保の視点からの労働解放時間(休息・休日)への
規制を基本的考え方として、管理監督者の適用除外制度と
裁量労働制の整理・統合は、それぞれ労使協定で定め、
行政官庁への届出を義務付けることを主張している。

また水町勇一郎東京大学社会科学研究所教授もほぼ同意見を述べている。


 限定正社員なるものが、非正規労働者を限定正社員にするのか、
正規労働者を限定正社員にして就業地域や職種を限定することになるのか、
あるいは限定正社員の身分は有期契約労働ではないものの、
賃金などの処遇がどう変わるのか、等によって制度導入への賛否が両論となっている。

労働政策研究・研修機構の浜口主任統括研究員は限定正社員を
「ジョブ型正社員」と位置づけている。

そもそも日本の労使関係は欧米の合理性に基づく就業構造と異なり、
過去何度も労働法則の見直しが問われてきたが、
その都度、半歩ずつ前進して今日に至っている。
労働側への改革にしろ、経営側への歩み寄りにしろ、
急進的な変革は健全な労使関係を損なうことになる。

                            (津山 勝四郎)


編┃集┃後┃記┃
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 阪急阪神ホテルズが運営するホテルのレストラン等のメニューは、
“誤表示”・“偽装表示”のどちらなのでしょうか。

 阪急阪神ホテルズでの問題発覚後に、
傘下のホテル「ザ・リッツ・カールトン大阪」でも、2006年4月以降に
メニューと提供料理が異なり、今年7月に認識していたにもかかわらず
公表していなかったことが判明しました。

 総支配人は謝罪しましたが、
「従業員の知識、訓練、メニュー確認が不足していた。ミスだった」と
意図的な偽装は否定しています。

 一連の会見をみて、“現場スタッフの無知”ですませ従業員に責任を
全て負わせていると感じたのは私だけでしょうか。
 
 ザ・リッツ・カールトンは、東京ディズニーランドと顧客満足度を争い、
企業の社員教育のモデルとされてきました。

 私もザ・リッツ・カールトンの
「高い感性のホスピタリティの提供【ホテルの方針】」、
「積極的なコミュニケーションによって、
 お客様と強い絆をつくるよう心がける【お客様への対応】」を体験したいと思い、
2006年秋に宿泊しましたのでショックが大きいです。

  今回の問題発覚で“信頼と信用”を失いましたが、モットーである
「紳士淑女にお仕えする我々も紳士淑女です」や
有名なクレドである
「常に良質のサービスを提供し続けるためにクレドに基づいて行動」を
遵守して、前史から100年を超える精神と世界各国から愛されている
“ザ・リッツ・カールトン”に一日も早く立て直してほしいです。


また、ヤマト運輸の「クール宅急便」の取扱も同じです。
私達は、“信頼と信用”で料金が多少高くとも安心料として支払っています。
“顧客の心を大切”にする経営をしていただきたいです。

                                      
                                 (白石)


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 発行者  雇用システム研究所 
 代表 白石多賀子 東京都新宿区神楽坂2-13末よしビル4階
 アドレス:info@koyousystem.jp

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 今週のメールマガジン第139号はいかがだったでしょうか。  
お楽しみいただければ幸いです。
今後もさらに内容充実していきたいと思います。 
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「こんな記事が読みたい!」というリクエストも、遠慮なくどうぞ。

次回の配信は12月初旬頃情報を送らせて頂きます。

e-mail: info@koyousystem.jp 

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