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女性社員の活用と戦力化(2)
     〜女性の定着と活躍を促すバンダイの取り組み〜

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┃\/┃    ★雇用システム研究所メールマガジン★
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                                2014/02/01

           http://www.koyousystem.jp
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この1週間、首都圏では穏やかなお天気が続いています。
皆様いかがお過ごしでしょうか。

最近、ノロウィルスやインフルエンザが流行しています。
皆様、くれぐれもお気をつけください。

雇用システム研究所メールマガジン第142号をお送りします。

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  □ 目次 INDEX‥‥‥‥‥
  
 ◆ 女性社員の活用と戦力化(2)女性の定着と活躍を促すバンダイの取り組み
  

  ■社員の声を吸い上げたボトムアップ型の仕組み
  ■短時間勤務から育児フレックスに移行
  ■長時間労働の抑制と会議の効率化を推進           
       
                       (以上執筆者 溝上 憲文)

  ■産業界に根強い規制緩和要請
  ■成長戦略関連で33本の法律改正  

            (以上執筆者 日本労働ペンクラブ 津山 勝四郎)

  ■[編集後記]               (編集長 白石 多賀子)

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◆ 女性社員の活用と戦力化(2)女性の定着と活躍を促すバンダイの取り組み

 女性の定着と活躍を促すには、子育てと仕事の両立支援策の充実は欠かせない。

だが、よい制度があっても利用されないのでは意味がない。
いかに利用しやすく、仕事との両立を図れるかが重要なポイントだ。

今回は玩具メーカーのバンダイの取り組みを紹介したい


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 ■■■ 社員の声を吸い上げたボトムアップ型の仕組み ■■■ 
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 バンダイの子育てと仕事の両立支援策は04年に社員の提案から始まった。
2年に1回開催される全社員を対象にした新規事業や業務改善を提案する社内の論文大会で、人事部の若手社員が提案した支援策が受賞。

以来、社員の生の声に耳を傾けるボトムアップ型のプロジェクトを中心に
制度の拡充を図ってきた。

 両立支援策の両輪の一つである短時間勤務制度の利用は、
当初は子どもが小学校就学前までとしていたが、09年8月に小学校3年生を終了する
年の3月31日まで利用できるようにした。
これは小学校入学や3年生までの学童保育の期間を考慮し、
高学年の手前ぐらいまでは制度があったほうがいいという女性社員の要望もあって
延長したものだ。

 同社の所定労働時間は7時間30分。実働6時間(休憩1時間除く)までの短縮が
基本であるが、最大で実働5時間、つまり2時間30分の短縮も可能だ。

また、1時間単位ではなく、30分単位の短縮も認めるなど利用しやすい運用を
行っている。

 育児休業期間も、当初は法定の子どもが1歳を迎える前日までとしていたが、
1歳に達した最初の3月31日まで延長し、
そして今では子供が1歳6ヶ月に達する年の3月31日までとしている。


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 ■■■ 短時間勤務から育児フレックスに移行 ■■■ 
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 この2つ以外にも社員の声を踏まえた同社独自の制度の1つが
妊娠・育児・介護のフレックス制度だ。

コアタイムは11時〜15時。
出社可能な時間帯を7時〜11時と退社可能な時間帯を
15〜22時に設定し、月間の合計の所定総労働時間をクリアすればいいことにしている。


 導入当初は子どもが就学前までとしていたが、
07年に小学校6年生(満12歳で迎える最初の3月31日まで)まで延長。
社員に好評であり、多くの社員に利用されている。

「子どもが小学校3年までは短時間勤務制度を利用し、その後フレックスに
切り替えるというパターンが多い。
あるいは給与が減額される短時間勤務ではなく、早い段階でフレックスを利用
している人もいる」(人事担当者)

 そのほかにも金銭的支援策として、ベビーシッターや託児所料金、
育児用品などの購入にかかる出産・子育て支援金制度も用意している。

また、第1子、第2子が誕生した際にはともに20万円を支給しているが、
3人目以降が誕生した場合は子供1人につき破格の200万円を支給している。

 じつはこの制度は男性社員の育児参加を重視した政策でもある。
女性の子育てに対する理解を促すための男性の育休推進は重要だ。
支援金は男女を問わず、土日を含む連続する1週間以上の育児休業を取得し
「子育てレポート」を人事部に提出することを推奨要件としている。

この制度により男性の育児休業の取得者は毎年発生している。


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 ■■■ 長時間労働の抑制と会議の効率化を推進 ■■■ 
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 女性社員の定着と活躍を促すには長時間労働の抑制も重要なテーマだ。
同社は人事部に「ワークスタイル再考プロジェクト」を設置し、
社員の具体的状況を把握し、働き方の見直しを進めてきた。

これまで全社的取り組みとして、月1回のノー残業デイの設置のほか、
各部門で年4回のノー残業ウイークの設置を実施している。

 また、単に残業時間削減を目的に、数値目標を設定し、
トップダウンで進めるのではなく、あくまで個々の働き方の見直しを前提にした
取り組みを実施してきた。
残業時間の削減は、マネジメント自ら実践してこそ効果が上がる。
同社では「管理職の課長、部長が率先して早く帰るようにしている」
(人事担当者)という。

 こうした取り組みは同社のグループ統括会社である
バンダイナムコホールディングスも展開している。
2011年4月から13年3月末までの2年間、「少子化打破」を目的とする東京都の
モデル事業に参加。「労働時間の縮減」を掲げて取り組んだのが会議の効率化である。


 そのツールとしてユニークな仕組みが同社が独自に開発したプログラム
「ダンドリさん」だ。システムに会議のアジェンダ(議題)、
参加者・時間などを入力すると、各参加者の1時間当たりの賃金に基づいて
会議にかかった全体のコストが表示される。

「この会議にいくらお金がかかっているかが表示されるために、
座っているだけで発言しないことも許されない。会議を効率化しようという
意識が働くようになる」(人事担当者)という。

 また、会議の進行をスムーズにするために外部講師を招いた研修も実施した。
その結果、2012年度末までにグループ全体で残業時間を5%減らすことに成功した。

そのほかに2012年度末までの2年間で男性の育児休業取得者が5人以上、
女性社員の育児休業取得後の復帰率90%以上を達成している。


 同社の取り組みは社員が望む声を反映しながらボトムアップで積み上げてきた
点に大きな特徴がある。会社が与えたから利用するのではなく、
社員の合意形成を図りながら作ることが、利用する人も増えると同時に、
利用する側も節度を持った使い方をする意識付けにもなっている。
                               (溝上 憲文)

                            
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 ■■■ 産業界に根強い規制緩和要請 ■■■ 
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 1月21日に開かれた第24回規制改革会議で、雇用ワーキンググループが検討している
提案内容の一覧が提出された。

経済団体や業界団体などが提案主体となっている事項で、
労働時間制度の規制緩和や、専門的・企画的業務に従事する労働者を対象とした
「ホワイトカラー・エグゼンプション」制度の導入、労働者の募集・採用の条件に
関する規制緩和、60歳以上の継続雇用制度適用者への5年超無期雇用転換権の非付与、
裁量労働制の適用要件の緩和と適用範囲・対象業務の拡大、など細部にわたる
規制緩和を提案している。

 主に経済界や経営者側に立って報道する日刊紙は、
これら規制緩和項目を現政権の下で明日にでも実行されるがごとく報道するが、
実態は提案されているというだけで、法律改正を伴う規制緩和は少なくとも
1月24日に始まった通常国会での審議日程には入っていない。

いくつかの提案内容をみる。

 企画業務型裁量労働制の規制緩和では、対象業務の拡大については、
「事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務」という
業務制限を撤廃し、労使委員会で決議した業務であれば制度を適用できるようにする、
手続きの見直し・簡素化としては、労使委員会決議の内容が同一であれば、
企業単位での一括届出を認めるとともに、労働基準監督署長への定期報告書の
届出義務を廃止すべきとしている。

また、労使委員会の設置そのものを廃止し、労使合意に基づけば導入できるよう
提案している。

さらに現在適用対象外となっている「個別の営業活動」についても、
単なる物品販売ではなく顧客のニーズを踏まえた上で、
製品やサービスを企画し提供する場合、例えば住宅の請負などは対象業務とする
ことも提案している。


 専門的業務型裁量労働制の適用条件の緩和と適用範囲の拡大については、
インターネット事業者において、営業・管理以外のサイト制作業務に携わる者を
広く対象とすることや、導入要件を「対象労働者の同意」に緩和すること、
過重労働を防止するための規定の整備、などが盛り込まれている。

現行の労働時間制への規制緩和要請は多岐にわたり、
高度な専門、創造、調整等の能力に基づいて仕事を行う事務系労働者については、
健康確保措置を考慮することを前提に、労働時間等規制の適用を除外する新たな
制度を創設すべきとして、現行で法規制の適用除外となっている「管理監督者」等
となっている規制を、自己の裁量において業務を遂行するホワイトカラー層
については、みなし労働時間制の対象とするだけでなく、
労働時間、休憩及び休日に関する規定の適用除外にして多様な働き方に対応できる
環境整備をすべきであると提案している。

時間外労働・休日労働を定める36協定についても、
限度時間を超えて労働時間を延長することができる特別条項について、
「全体として1年の半分を超えないことが見込まれる臨時的なものに限る」と
されている基準を廃止することで、
日本にものづくりを残すことができると主張(日本自動車工業会)している。

60歳以上の継続雇用制度適用者への5年超無期雇用転換権の非付与については、
高年齢者雇用安定法に基づき、60歳定年後に有期雇用で継続雇用される労働者が65歳を
超えて契約更新した場合、現行の労働契約法に定める5年超無期雇用転換申込みの
権利が発生し、その後は定年のない「終身雇用社員」として雇用されることになり、
有能な労働者であっても65歳で契約満了せざるを得なくなることから、
無期契約転換申込みの対象外とすべきと提案している。             

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 ■■■ 成長戦略関連で33本の法律改正 ■■■ 
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 規制改革会議で検討されている事項は、労働行政にとっては古くて新しい課題であり、
労働者派遣法に代表されるように、その時の政権与党の意向に大きく左右される。
安倍内閣が推進している成長戦略進化のための今後の方針では、
今国会で関連法案として33本の法案が継続審議中の法案も含めて提出が予定
(厚生労働省関係では、雇用保険法、労働者派遣法、専門的知識等を有する
有期雇用労働者等に関する特別措置法(仮称)、短時間労働者の雇用管理に
関する法律、次世代育成支援対策推進法、関連する法案として、
出入国管理法、港湾法、健康・医療戦略推進法(仮称)、医療法、など)が
予定されており、この他に既に予定されている労働安全衛生法改正、厚生行政関係では、
国民年金法、健康保険法、介護保険法なども審議される。

それぞれ個別法案として審議する時間は、衆参両院ともに現行の週2日の
日程では足りない。政治家、官僚の腕の見せどころでもある。

 雇用保険法と労働安全衛生法については、改正法案が労働政策審議会で
妥当と認められており、育児休業給付の充実、教育訓練支援給付金の創設、
職場におけるメンタルヘルス対策の強化と職場における受動喫煙防止対策などが
審議される。

 経済界や業界団体が強く主張する労働法制における規制緩和、
労働者の働く環境が悪化すると主張する労働界、
そして間もなく動き出す賃上げの労使交渉、4月からの消費税アップ。

安定した政権とは別に、経済動向に連動する労働市場の近未来は不透明である。

                             (津山 勝四郎)


編┃集┃後┃記┃
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 ソチ冬季オリンピックが2月7日から開催されます。
 日本選手の活躍で明るいニュースを楽しみにしています。

 前のジャンプW杯で葛西紀明選手は、
史上最年長となる41歳で優勝をしました。

スポーツ界では、一般的に引退年齢に達しているにもかかわらず、
技術・意欲ともに前向きに取組み進歩をし続けています。
それが世界の強豪から「レジェンド」と恐れられているようです。

近年、40歳以降になると仕事と給与のバランスが崩れ会社からみて
お荷物となる労働者の処遇の相談があります。

入社初期・5年、10年・20年とそれぞれの時期に会社から求められる
能力・成果があります。そのために自己研鑽をして仕事上で成果が出せるよう
表現しなければなりません。

しかし、30歳後半頃から仕事に対する姿勢、成果が落ちているようです。

例えば、自分に対する自信や思い込みが強いため自分を見つめ直すこともなく、
自己研鑽も怠ったために会社から求められる
能力・成果について行けないこともあります。


「昔取った杵柄」は
『過去に鍛えた技量は年月を超えても十分に使用することができる』
ですが、今は社会の変化が激しく新たな技量を習得し「昔取った杵柄」に
プラスしていかなければなりません。

葛西選手の優勝ニュースを聞きながら、
年齢に関係なく常に技術・意欲ともに前向きに取組むことにより前進することを
教えてくれたと思います。

ソチ冬季オリンピックで、
私達に感動や刺激を与えてくれるドラマが生まれるでしょう!!
                                 (白石)


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 発行者  雇用システム研究所 
 代表 白石多賀子 東京都新宿区神楽坂2-13末よしビル4階
 アドレス:info@koyousystem.jp

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お楽しみいただければ幸いです。
今後もさらに内容充実していきたいと思います。 
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