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深刻な社員の介護問題と企業の取り組み(5)
     〜早めの対策が急務〜

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┃\/┃    ★雇用システム研究所メールマガジン★
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                              2015/01/01

           http://www.koyousystem.jp
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新年あけましておめでとうございます

新しい年が始まりました。今年も皆様にとってよい一年でありますように。

雇用システム研究所メールマガジン第153号をお送りします。

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□ 目次 INDEX‥‥‥‥‥

◆ 深刻な社員の介護問題と企業の取り組み(5)
   〜早めの対策が急務〜

■女性正社員の介護時間は平日1.9時間、休日4.7時間
■離職前に何も制度を利用しないが男女が60%超
■制度の周知と職場の支援体制が不可欠
(以上執筆者 溝上 憲文)

■実現なるか!「経済の好循環」
(以上執筆者 日本労働ペンクラブ 津山 勝四郎)

■[編集後記] (編集長 白石 多賀子)

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◆ 深刻な社員の介護問題と企業の取り組み(5)
       〜早めの対策が急務〜

 介護・看護による離職者が10万人を突破した(2012年)。
中高年社員の「介護離職」リスクが現実の問題となりつつある。
厚労省も2014年11月に「今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会」を開催。
2015年夏までに検討結果をまとめ、必要があれば育児・介護休業法の改正に
踏み切ることになる。

 また、昨年12月から企業5000社および30歳以上の介護しながら継続就労してい
る人、介護離職した男女計1万人の大規模調査をスタートさせた。
しかし、すでに民間の調査では深刻な実態も浮かび上がっている。


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■■■ 女性正社員の介護時間は平日1.9時間、休日4.7時間 ■■■
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 何の支援もなく働きながら介護をする労働者は大変だ。実際に介護している人
を対象に明治安田生活福祉研究所とダイヤ高齢社会研究財団が共同調査(40歳以
上の正社員、2268人、2014年9月)を実施している。介護をしている継続就労
者、働き方変更者、転職者、介護専念者の4類型に分けて実態を探っている。
 働きながら親の介護をしている人のうち、「主な介護の担い手」(身体介助
者)が本人と答えた女性は38.4%もいた。続いて親の配偶者(31%)が多い。
これに対して男性は本人が15%、妻31.8%、親の配偶者22.3%と続く。女性に
比べて自分で介護している男性は少ない。

 だが調査を担当した明治安田生活福祉研究所生活設計研究部の力石啓史主任研
究員は「今は父を母が介護していても、時間の経過ととともに母も要介護者に
なっていく。そうなると正社員の男性が主な介護の担い手になる割合も高まって
いくことになる」と指摘する。ましてや配偶者のいない未婚者の場合は親が要介
護者になれば担い手になる確率は高い。

 介護の負担も重い。平均介護時間は、男性の場合、平日は1.2時間、休日は
3.3時間。女性は平日1.9時間、休日4.7時間だ。離職して介護に専念している
人の離職前の男性の介護時間は平日2.6時間、休日6.2時間。女性は平日2.2時
間、休日5.6時間と男性とほぼ同じである。深刻なのは認知症の被介護者を抱え
ている場合だ。離職前の男性の介護専念者の介護時間は平日2.9時間、休日7.0時
間。女性もほぼ変わらない。通常に勤務していることを考えると、休息時間もな
くほとんどの時間を介護に費やしていることになる。

 同研究所の報告書では「平日の2時間、休日の5時間程度が、介護開始前と同一
職場で働き方を変えずに仕事も続けられるボーダーライン」と指摘している。女
性の継続就労者はすでに危険水域に達している。今以上に介護の負担が重くなる
と、離職者が増加することになる。女性の活用と戦力化が叫ばれているが、せっ
かく育児と仕事を両立できても、今度は介護と仕事の両立で離職の危機に直面す
ることになる。


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■■■ 離職前に何も制度を利用しないが男女が60%超 ■■■
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 社員が介護離職しないために会社としてどのように支援していくべきかを示唆
する調査結果もある。働き方変更者(総合職から一般職・地域限定職、フルタイ
ムから短時間勤務等)と離職前の介護専念者に仕事と両立するために利用した制
度・施策を聞いている。介護専念者が最も利用したのは有給休暇であるが、介護
休業制度の利用は男女で3%前後にすぎない。
驚くのは「利用したものが特にない」と答えている人が
男性65.5%、女性63.2%と3分の2近くに達していることだ。

 法律に基づいた制度はあっても社員に周知されていない、社員が知っていても
利用できる雰囲気がない。あるいは親の介護をしていることを周囲に言い出せな
い人もいるかもしれない。

 「上司や同僚など職場の介護に対する理解・支援」に関する質問では、理解・
支援があると答えたのは、働き方変更者は男女ともに30%前後と高いが、介護専
念者は男女で7〜8%の低さである。また、介護専念者の女性の27.1%が離職
時点で介護認定を受けていなかった。介護認定は公的介護保険サービスを受ける
ための基本的要件だ。認定を受けずに離職する人が3割もいるということは、公
的介護保険も使わず、人の手を借りずに自分で介護する人もこの中に少なからず
いるのではないか。

 しかし、介護の現実は厳しい。
介護専念者の女性の51.6%が「親(介護対象者)との人間関係」に苦労し、
「自分の時間が持てない」(49.7%)、
「介護による肉体的負担」「睡眠不足による体力消耗」(ともに43.2%)を感
じている。
親の介護に専念するために離職するのは、誰も介護する人がいないなど個人に
よって事情も違う。会社がどこまで支援するかは限界があるとしても、公的介護
保険に関する基本的知識の提供はもちろん、制度の周知と利用できる雰囲気、職
場の理解と支援が介護と仕事の両立を可能にすることが調査で明らかになってい
る。 


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■■■ 制度の周知と職場の支援体制が不可欠 ■■■
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 だが、企業の介護と仕事の両立に向けた支援策は育児との両立支援策に比べて
遅れているのが現状だ。住宅設備会社の人事課長は「介護の深刻さは理解してい
るが、正直言って実態調査もこれからの段階。介護休業制度も拡充する必要があ
るかもしれないが、かといって責任ある部長が1年間休職した場合、その穴をど
う埋めるのかが最も頭の痛い問題だ」と現状を吐露する。

これまで大成建設、丸紅、花王の取り組み事例を紹介してきた。各社が社員の介
護対策で共通して取り組んでいるのが自社の制度の周知と介護セミナーの開催な
ど、介護に直面した場合に会社として支援する姿勢を積極的にアピールしている
ことだ。

会社に貢献している社員が1人で介護の悩みを抱え込み、会社を辞めてしまうこ
とだけは避けたい。介護に対する国の支援体制は十分とはいえないが、制度が
あっても利用しない現状をどのように解決するかを考えることが先決だ。介護に
対する悩みを会社や職場で共有し、助け合いの風土を作っていくための地道な努
力も欠かせない。
                            (溝上 憲文)
                            
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■■■ 実現なるか!「経済の好循環」 ■■■
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 昨年末の総選挙、組閣を終え、
アベノミクスの真価が問われる2015年が始動した。
特に国民にとって、実質生活の向上がもたらされるかどうか、
そのための所得水準上昇を示す賃上げの行方が注視される。

 昨年の12月16日に開催された政労使会見では、春の賃上げに向けた財界への要
請が安倍総理から行われ、賃金引上げと下請企業への代金支払いの改善などの合
意文書を取り交わす念の入れ様であった。

 周知のように、労使の代表は連合と経団連が中心で、ほぼ大企業中心であり、
ここでの合意が国民全体の底上げ・底支えに連なるかというと、
そう簡単ではないのは昨年の春季生活闘争によってもたらされた賃上げの結果
が、消費税との関連もあり、中小・零細企業に就労する労働者にとって、実質賃
金上昇とならなかっただけに、今年と来年の賃上げ結果が再度の消費税アップ実
施動向と共に、アベノミクスの真価が問われる2年間の1年目となる。

 2月からの賃上げ交渉を控え、連合は月例賃金について2%以上の引き上げ
(定期昇給相当分と賃上げ額を加えた額として4%以上)を求め、中小組合につ
いては、格差是正と底上げの観点から最低到達水準としての要求水準を10500円
以上の引き上げ(賃金カーブ維持相当分4500円)を要求し、非正規労働者につい
ては最低到達水準として時間給37円以上の引上げを要求している。

連合の方針決定に伴い、中核となるUAゼンセン、自動車総連はほぼ同様の要求を
まとめ、電機連合は例年通り、賃上げと共に労働条件全般の引き上げを要求して
いる。

これに対して使用者側は、経団連、日本商工会議所共に政府からの強い要請に応
えるため、賃金の包括的な引き上げには賛意を示しているものの、榊原経団連会
長は「賞与、手当を含めた賃上げということになる」として、
大幅なベースアップには予防線を張っている。

 春季生活闘争の形骸化が問われて久しい。
昨年12月17日に厚生労働省が公表した労働組合基礎調査によると、
日本の労働組合員数は984万9千人で、推定組織率は17.5%でしかなく、
前年より組合員数で2万6千人、組織率で0.2ポイント減少している。
このうち大企業中心の労組で組織される連合の組合員は671万1千人(68.1%)、
連合系の金属労協が201万7千人(20.5%)で、
中小企業や零細企業の労組中心と言われる全労連が57万9千人(5.9%)、
全労協が10万5千人(1.1%)となっている。

ちなみに全労働組合員のうち、女性労働組合員数は305万4千人で前年より
2万人増加しているものの、推定組織率は12.5%、パートタイム労働者の労働組
合員数は
97万人で、前年より5万6千人増加し、推定組織率は6.7%である。

 「働くことを軸とする安心社会を築き、日本のナショナルセンターとしての責
任において、すべて働く者の雇用と生活を守るために、労働条件の底上げ・格差
是正に全力に取組む」との神津連合事務局長のコメントが、
4月の賃上げに向けた行動方針として全労働者の8割を超える未組織労働者の声も
反映してもらいたい。

 賃上げ交渉は基本的には労使自治とは言え、
長い間腰を上げなかった使用者側が昨年の政府主導による賃上げ交渉で、
ある程度要求に応えたことからも、冒頭に記したように、今年、来年の賃上げが
実態を伴わないと、2017年4月の消費税再改定による景気の動向がさらに危惧され、
“失われた10年”が再び来ないことを願う。

 厚生労働省が昨年12月18日に公表した全国の民間企業(労働組合のない企業も
含む)
2044社の回答企業による「平成26年賃金引上げ実態調査」によると
(ここでも常用労働者100人以上で小・零細は含まれていない)、
平成26年に賃金の改定を実施又は予定している(調査は8月実施)のは、
全体で85.7%だが、300人以上が90%台(5000人以上は96.1%)であるのに対
し、100〜299人では83.2%と下がり、
産業別でも運輸業、郵便業が76.4%、
教育、学習支援業が74.5%、
医療、福祉が76.3%、
宿泊業、飲食サービス業が65.2%が7割台以下と低い。

100人以上の集計での調査結果だから、
100人以下の結果はどうなのかは容易に推量できる。

 賃金の改定額と改定率をみると、ここでも規模別、産業別の格差は大きく、
1人平均賃金では全国平均で5254円(1.8%)であるが、
規模別では1000人以上の6000円台に対し、
100〜299人では4229円、
産業別では学術研究、専門・技術サービス業の8053円(2.3%)から
教育・学習支援業の2963円(1.2%)、
宿泊業、飲食サービス業の2877円(1.3%)までの格差がある。


 気になるのは一般職に比較して、管理職についての調査結果では、
「定昇制度がある」、「定昇を行った・行う」ともに一般職よりかなり低率で、
ほぼ3割で定昇制度がなく、定昇も実施されていない。ここでの「管理職」が単
なる職名上だけの実態は労働者なのか、法制上の管理職なのかは調査からは窺え
ない。

さらに賃金カットを行っている企業が管理職のみで15.2%、
一般職のみで16.7%もあるのも注目される。
官庁の統計調査に多いのだが、予算の関係からか、質問が思いつかないのか、
もう一歩踏み込んだ質問を行っておらず、
賃金カットまで行う理由を聞いていない。

何せ、各省庁の統計調査は質問事項を一つ増やすについても内閣府との調整に
時間がかかると聞く。


 この調査は最後に賃上げと労働組合との関係についても明らかにしているが、
労働組合のある企業(全体の31.7%)のうち、
賃上げ要求交渉を行った企業は81.5%で、規模別では大差なく、
賃上げ要求交渉を行わなかった企業が17.1%であった。
また、産業別での労働組合のない企業は、教育、学習支援業で90.2%、
医療、福祉で89.8%、
宿泊業、飲食サービス業で88.3%、
生活関連サービス業、娯楽業が88.3%で、
これらの産業で賃上げ額、賃上げ率が全体より低いのは言うまでもない。

 もちろん景気動向の判断については、賃上げの実態はごく小さな係数ではある
が、消費全体を大きく左右する因子である。
また、企業マインドが現実の経営状況、つまり人件費の支払能力に大きく影響さ
れることも当然である。そのための経営者、労働者の質的向上、精神面、頭脳面
を含めた生産性向上のための能力開発が求められる。

 繰り返すがアベノミクスの成否最終判断は消費税10%が実施されるまでのここ
2年間である。

                           (津山 勝四郎)


編┃集┃後┃記┃
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 12月14日の衆議院選挙では、自民党・公明党が大勝し、
揺るぎない安倍政権の基盤ができました。

 今年は、前国会で廃案となった労働者派遣法改正案、女性活躍推進法案等の
労働法制の見直しが加速され企業は新たな対策を求められることでしょう。

すでに大手企業では、女性管理職の比率を高めるため管理職候補生の中途採用・
育成が進められています。

 今年は、さらに女性が活躍できる機会と支援の輪が広がるでしょうが、
機会を与えられた女性は次に引き継ぐ道を創らなければなりません。

 初代・初期においては、特に役割・責任を重く感じ大変ですが、
一人では無理でもチームの力を結集すれば成果を出すことは可能です。
チームの力を結集するために、自分自身および同僚が“やり甲斐”を感ずる
仕組みを作って欲しいです。

12月、テレビ朝日の「ドクターX」が視聴率20%超えで終了しました。

高視聴率の背景には、「私失敗しないので」の決めセリフで毅然と生きる
女性の自立した姿です。
最終回の回想場面で、師匠が主人公に
「外科医の技術力は最初のトレーニングで決まる。
 どれほどの熱意を持って手術を学ぶか、どれほどうまい外科医の手術をみるか、 川の水が流れるように基本主義を反復し・・・」と語る。


このセリフは、働く者の基本姿勢ではと心に残りましたが、
皆様はどのように感じますか。
指導する立場では指導の責任、
教えを受ける立場からは熱意をもって学ぶ姿勢等を再認識させられました。

 自分の立場を勘違いして驕り
“ナッツリターン”などの行動にはお気をつけください。
                               (白石)


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発行者 雇用システム研究所
代表 白石多賀子 東京都新宿区神楽坂2-13末よしビル4階
アドレス:info@koyousystem.jp

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今週のメールマガジン第153号はいかがだったでしょうか。
お楽しみいただければ幸いです。
今後もさらに内容充実していきたいと思います。
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次回の配信は2月初旬頃情報を送らせて頂きます。

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