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女性の活躍推進に向けた企業の取り組み(3)

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┏━━┓    
┃\/┃    ★雇用システム研究所メールマガジン★
┗━━┛                           第156号
                              2015/04/01

           http://www.koyousystem.jp
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4月となりそこ此処に初々しい新社会人、新入生の姿をみかけるこの頃です。
皆様お元気でお過ごしでしょうか

雇用システム研究所メールマガジン第156号をお送りします。

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□ 目次 INDEX‥‥‥‥‥

◆女性の活躍推進に向けた企業の取り組み(3)
   〜クレディセゾンの取り組み〜

■課長職の女性比率20%超、係長職約70%
■制度化より、ニーズに応じた柔軟な運用が大事
■働き続けるのはマラソンと同じ。短距離でがんばるな
      (以上執筆者 溝上 憲文)

■民事上の労使紛争への対応
■方向定まらない「解雇金銭解決制度」
   (以上執筆者 日本労働ペンクラブ 津山 勝四郎)

■[編集後記] (編集長 白石 多賀子)

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◆女性の活躍推進に向けた企業の取り組み(3)
   〜クレディセゾンの取り組み〜

政府は女性の活躍推進を最重要課題と位置づけ、
「2020年に指導的地位に占める女性の割合30%」の実現に向けた取り組みを強化
している。
通常国会に「女性活躍推進法案」を提出し、事業主に数値目標を含む行動計画の
策定・公表を義務づける予定だ(従業員301人以上は義務。300人未満は努力義務)。
しかし、企業にとって女性管理職比率30%達成のハードルは高い。
今回はクレディセゾンの取り組みを紹介したい。

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■■■ 課長職の女性比率20%超、係長職約70% ■■■
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 クレディセゾンは女性の採用比率が高く、常に60%〜70%で推移している。
女性を多く採用しようという意図はないが
「応募者が多いのはセゾンカウンターで活躍する女性のイメージが
好印象を生んでいるのも一因」(同社人事担当者)と指摘する。


 現在、総合職の女性社員比率は56.0%。課長相当職20.7%、部長相当
11.2%であり、課長相当職以上は17.6%(2014年11月12日)。
また、係長相当職では69.6%であり、役職者全体の47.2%を占めている。
女性役職者を増やすためにポジティブアクションや女性社員のネットワーキング
など、計画的な登用に取り組んできたわけではない。
性別や年次・年齢に関係なく能力本位で抜擢・登用した結果でこの比率になって
いるという。

 ただし、百貨店などに設置しているセゾンカウンターの責任者であるショップ
マスター(係長職)のほぼ100%が女性であり
「若いうちから裁量と責任を持つマネジメント経験のある女性が構造的に多いこ
とが管理職比率の増加にも寄与している」(人事担当者)という。

 課長相当職に昇進するのは早い人で33〜34歳。
若くても能力があれば年次に関係なく登用している。
一方、成果を出せない、あるいは部下の信頼を得られていないなど、
平均以下の評価であれば随時降格も実施している。
その場合、半年、1年程度かけて本人と話し合い、納得を得て降りてもらうが、
その代わりに再チャレンジも十分可能だ。いったん降格し、同じ部署で再び昇進
する人、あるいは降格して他の部署に異動し、成果を上げて再び課長に昇進し、
部長になるケースも珍しくないという。


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■■■ 制度化より、ニーズに応じた柔軟な運用が大事 ■■■
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 同社のもう一つの特徴として両立支援策などの人事制度に
人を当てはめるのではなく、個人の志向に沿う形で制度を柔軟に活用する運用重
視の姿勢を貫いている点だ。その背景には「これだけ女性が多いと価値観も多様
であり、制度化するだけでは追いつかない」(人事担当者)という事情がある。

「もちろん働き続けるための手厚い制度は用意しているが、結婚・出産の時期も
全員違うし、生活設計も異なる。特に今の若い女性はマンションの購入時期が早
く、ライフイベントも昔と様変わりしている。制度ではなく、柔軟な運用が求め
られる場面も多い。例えば夫の転勤先に一緒について行くケースが多いが、
転勤先の近く拠点に異動して働き続けてもらうことをかなり前から実施している。

できない場合もあるので制度にはしていないが、実績としては何百例もある。
拠点がなければ関連会社の拠点を含めて探し、必ず働いてもらうようにしている」
                             (人事担当者)

 また、結婚・出産・育児・介護などライフステージの変化によって社員区分を
変更する「ルートチェンジ制度」もある。
例えば係長職だったが、子育て期に契約社員を選び、
子どもが大きくなったら総合職に戻り、再び係長として活躍している人もいる。
総合職の女性全員をキャリアアップへと駆り立てるのではなく、
働き続けることを前提に多様な選択肢を用意し、それを選べる状況を作っている。

 今年度から取り組んでいる希望するキャリアを申告する
「キャリアマネジメント」も同じ趣旨だ。
社内公募など希望する人が手を挙げる仕組みはあったが、
最大のポイントは会社が目指すべきキャリアパスを示すのではなく、
自分のライフステージを踏まえて、自分ができることは何か、
主観的なキャリアを考えてもらうことにある。
「同じ女性でも遅咲きの人もいれば、じつに様々なキャリアの築き方がある。
育児に注力したいので短時間勤務をしたい、あるいは介護の事由がある人もい
る。誰もがイメージする入社後の右肩上がりに成長していくようなキャリアパス
を作ることはほとんど意味がないと考えている」(人事担当者)

 具体的にはこれまで経験した仕事の内容ではなく
「あなたは何ができるのか」を棚卸ししてもらう。

仕事の種類を大きく3つに分け、その中に当てはめて考えてもらうツールを提供
し、自分が何をしたいのかを描くことが最も効果的だという。


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■■■ 働き続けるのはマラソンと同じ。短距離でがんばるな ■■■
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 こうした施策を含めて人事施策全般においては制度化するより、
社員が自ら考えて使いこなせるようなガイドラインに近いものにして柔軟に運用
するのが重要だと指摘する。

「例えば今では出産を機に辞める人はほとんどいないが、
以前は復職前に全員を集めた研修を実施していた。当時は復帰後の仕事への不安
もあり、必死にがんばらなければという思いを抱いている人も多く、
その度に『働き続けるのはマラソンと一緒。

短距離競走のようにがんばらないでほしい』と言い続けてきた」(人事担当者)

 すでに定着してきたので研修はやめたが、2年前からワークショップ形式で
フルタイムに戻るに当たって自分たちのキャリアアンカーを今一度確認するため
のマインドセットを実施している。

 今後の課題は女性の活躍が目に見える形でアウトプットやプロセスイノベー
ションを生み出していくことを挙げる。女性の定着から活躍のステージへの移行
を目指し、今年をダイバーシティ元年と位置づけ、
働き方や意識の改革に積極的に取り組んでいく予定だ。その一つが男性の働き方
や意識の改革だ。

 そのためには上層部から率先垂範することが重要と考え、今年の社内報で全役員の
「ダイバーシティ宣言」を掲げた。
そしていずれは短時間勤務の役職者も作っていきたいとしている。
そのためには働き方改革が問われる。
「2時間短縮の短時間勤務といっても実質的には残業時間も含めると4〜5時間
の差になっている。
それを本当の2時間差にしてあげるなど、働き方が変わっていかないと
女性の活躍は進まない」(人事担当者)と指摘する。
                          (溝上 憲文)
                            
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■■■ 民事上の労使紛争への対応 ■■■
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 企業と労働者の間の労使紛争解決に当たる専門機関として昭和21年の発足以
来、 長きに渡って労使関係の調整に寄与してきた労働委員会には、厚生労働省
の外局としての中央労働委員会(諏訪康雄会長)と、都道府県の行政委員会とし
て、全国47の都道府県労働委員会があり、
@労働組合法が「不当労働行為の禁止」として定める労使関係のルール違反が使
用者にあったかどうか審査する、
A企業と労働組合との間で賃上げや労働時間などの労働条件をめぐって労働紛争
が発生した場合に、労働関係調整法により、その企業と労働組合との間の紛争を
あっせんや調停によって解決する、そして今号の主題となる、
B企業と個々の労働者との間で個別的な労使紛争の解決を図るもので、44の道
府県の労働委員会であっせんや、相談・助言のサービスを行う、の三つの仕事を
行い、中央労働委員会では@における再審査、Aについては複数の都道府県にまた
がる労使紛争や特定独立行政法人に関する労働争議のあっせん・調停・仲裁、B
については都道府県労働委員会のために、サービスが効果的に行われるよう情報
提供や助言を行う、の3業務を主としている。委員会が公労使の三者構成である
ことは言うまでもない。

 この労働委員会の業務も一連の労働組合の組織率低下と労使紛争の減少、若年
者の組織参加意識の低下、そして中央労働委員会は中央省庁の定員削減と組織見
直しにより、 それぞれ生き残り策として新しい仕事として平成13年に施行され
た個別労働紛争解決促進法による労使の個別労働紛争解決に着手することにな
り、特に、日本の労働法の泰斗とまで言われている菅野和夫前会長が(現労働政
策研究・研修機構理事長)が道府県労働委員会における紛争解決制度の周知・促
進を重点事業としたことから、総じて規模の大きい企業における個別労働紛争解
決制度が浸透してきた。

 平成25年度におけるあっせん件数を中央労働委員会の集計でみると、
労働委員会(東京、兵庫、福岡は行っていない)による件数が376件(対前年度
11.2%増)都道府県の労政主管部局等(埼玉、東京、神奈川、大阪、福岡、大分
の6都府県のみ)が710件(同11.4%減)、都道府県労働局による件数が5712件
(同5.5%減)、労働審判3627件(同0.9%減)となっており、解決率は労働委員
会54.9%、都道府県労政主管部局等72.5%、労働局41.3%、労働審判は79.4%と
なっている。

 個別労働紛争解決制度は前記以外にも、全国社会保険労務士会連合会と44の都
道府県社会保険労務士会が総合労働相談センターと共に特定社会保険労務士を
あっせん委員として解決促進に着手しており、前回の法改正により紛争価額の上
限が60万円から120万円にまで広がった。ただ、全体の集計は全国約4万人の会員
に送付する会報でのみ発表しているので、ここでは公表できない。

 厚生労働省が集計した平成25年度個別労働紛争解決制度の施行状況による
と、全国労働局での総合労働相談件数は105万件、そのうち民事上の個別労働紛
争相談件数は24万5000件、さらに助言・指導相談件数1万件、あっせん申請件数
が5千700件と、いずれもやや減少している。相談内容では、いじめ・嫌がらせが
5万9000件と前年を8千件近く上回り、全体の19.7%占めているのはここ何年か続
く傾向としても(東京都の集計では解雇、退職がいじめ・嫌がらせを上回ってい
る)、解雇が4万5000件近くで14.6%、自己都合退職が3万3000件で11.0%、つま
り両方で25.7%となり、これに有期労働契約者の雇止め4.3%、退職勧奨8.3%を
加えると、解雇・退職に関する個別労働紛争が4割近くに達している。退職勧奨
などは、いじめ・嫌がらせから波及する案件も多いだろう。

 労働基準法、労働契約法上の手続を瑕庇なく行えば社員を解雇できるのだろう
か、就業規則通りに会社に申し出たのに退職させてくれない、明日から出社しな
くて良いと言われたが、解雇では、就業規則を守らず業務命令にも従わない社員
の解雇はどうすればよいか、就業規則通り○ヶ月の休職期間を終えたが、それで
解雇できるか、2週間前に退職願を提出されたが引き継ぎが出来ていないから退
職させられない等、解雇・退職に係る民事上の労使紛争は景気動向とは関係なく
後を絶たない。

 民事上の労使紛争には行政機関や認証団体では、あっせん(調停・合意)まで
の段階しか関与できず、最終判断はその後の労働審判、本裁判で結着つけること
になり、最終判決で仮に労働側が勝訴しても、こじれた使用者側との関係が紛争
前の状況に果たして戻れるだろうか、使用者がその対象労働者を今後も能力・精
神上信頼して業務を任せられるだろうか、そして良好な職場環境は維持できるだ
ろうか、などの課題が後に残ることになる。


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■■■ 方向定まらない「解雇金銭解決制度」 ■■■
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ようやく今号の主題に辿り着いた。

 政府の規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)が3月25日に「労使双方
が納得する雇用終了の在り方」に関する意見―紛争解決の早期化と選択肢の多様
化を目指して―を提言した。まず指摘しておくべきは、「労使双方が納得する」
と掲げながら、会議の委員には労働者側委員はいない(ワーキンググループで労
働側からヒアリングしている)。提言は冒頭で、紛争解決機関のうち都道府県労
働局をあげ、「あっせんは利用しやすいが解決率が低いため、不当な解雇でも解
決金すら得られないことが珍しくない」と切って捨てている。
提言は3項目を指摘している。

 第一は都道府県労働局が行うあっせんについて、当事者が参加した場合の解決
率は高いが、使用者側の参加率が低いことから全体の解決率が低いとして、使用
者の自発的参加を促す方策の検討を指摘している。使用者側の参加に努力義務を
課すなど、現行の個別労働紛争解決促進法に何らかの強制力を持たす法改正の検
討である。

 第二は労使の委員が参加する労働委員会のあっせん機能の利用簡素化と強化、
訴訟に入った場合の労働委員会での聴取結果の活用の方策検討である。

 第三はマスコミも大きく取りあげた裁判所の訴訟における解決の選択肢の多様
化に向けた解決金制度の検討で、裁判による解雇無効時において、現在の雇用関
係継続以外の権利行使方法として、金銭解決の選択肢を労働者に一つの方策とし
て明示的に付与し、労働者側からの申し立てのみを認めることを前提として導入
すべきで、解決金制度の設計・導入については現状の訴訟を通じた和解期間を超
える長期化を避ける方策の検討である。


 第三の方策については、かつても労働政策審議会の検討において、厚生労働大
臣への諮問から答申まで進められたが、当時は法律改正案の国会への上提は予算
関連法案が2月上旬、非関連法案の上提は中旬から下旬という時間的な制約が政
府提案には課せられており、労働政策審議会の翌日に閣議に諮られた改正労働基
準法の法律案要綱では消えていた。経営側の主張する金銭解決額があまりにも低
く(一説では400万円と言われ、行政側が考えていた金額の半額程度であっ
た)、「国会に提出しても成立しない改正法案の内容では変えざるを得ない」と
コメントした担当課長の言葉が耳に残っている。ただ、担当課長が諮問・答申
し、面子が保てなかった労働政策審議会の委員に1日でどう説明を持ち回ったか
は聞き洩らした。

 労働法制でみる限り、規制改革会議で提言された意見が、すんなり国会での法
改正に結びつく例は、産業法制に比較すると少ない。ただ、曲りなりにも野党が
現在より強かった当時と現在の政治情勢は異なり、与党側に立つ規制改革会議の
提言を政府は無視できない。
ただ今国会での上提を予定されている、いわゆる残業不払い法案と言われる改正
労働基準法は、3月30日現在未だ国会に上提されていない。雲行きが怪しい。

最後にメールマガジン発行人の了承をいただいた上で述べさせていただくが、毎
号、綿密な取材の下で企業の労務管理の実態を発言していらっしゃる溝上憲文さ
んがまた上梓された。「2016年残業代がゼロになる」(光文社刊、1400+税)。
働き方の多様化に対応する使用者側の思惑と背景を糾弾する一書である。
                         (津山 勝四郎)


編┃集┃後┃記┃
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 飯田橋のお堀沿いの桜が満開となりました。
やはり桜は心を軽やかにしてくれます。

3月18日、自動車や電機等の大手企業がベースアップや一時金の回答を一斉に
しました。
業績回復、景気配慮や従業員の士気を高める理由で、過去最高水準の賃上げとな
りました。
また、人手不足を背景に外食産業・小売業などでも、
パートらの非正規社員の時給が引き上げられています。

4月は中小企業の賃上げの時期です。人手不足の状況下でどのような結果がでる
のでしょうか。
心配は、中小企業・業種間で賃金格差が広がらないことです。
大手メーカーの一部では、取引先に原則として値下げ要請をしない方針とのこと
です。
中小企業や非正規社員の賃金にも波及し、個人消費が回復しモノが売れ、
企業の業績アップの景気好循環に繋がることを願うばかりです。
                              (白石)


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発行者 雇用システム研究所
代表 白石多賀子 東京都新宿区神楽坂2-13末よしビル4階
アドレス:info@koyousystem.jp

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今週のメールマガジン第156号はいかがだったでしょうか。
お楽しみいただければ幸いです。
今後もさらに内容充実していきたいと思います。
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