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女性の活躍推進に向けた企業の取り組み(6)

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┃\/┃    ★雇用システム研究所メールマガジン★
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                              2015/07/01

           http://www.koyousystem.jp
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連日蒸し暑い日々が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

雇用システム研究所メールマガジン第159号をお送りします。

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□ 目次 INDEX‥‥‥‥‥

◆女性の活躍推進に向けた企業の取り組み(6)
   〜あいおいニッセイ同和損保の取り組み〜

■新任女性管理職全員に役員メンターを配置
■目標を持つこと、人脈を大事にすることを学ぶ
■初のメンティ出身の女性役員と支店長が誕生
(以上執筆者 溝上 憲文)


■労使双方が納得する「雇用終了」の導入検討開始
■「解雇」でのあっせん申請は大幅減少
(以上執筆者 日本労働ペンクラブ 津山 勝四郎)

■[編集後記] (編集長 白石 多賀子)

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◆女性の活躍推進に向けた企業の取り組み(6)
   〜あいおいニッセイ同和損保の取り組み〜

 官民を挙げた女性の活躍推進の取り組みが本格化している。
政府は女性の活躍推進を最重要課題と位置づけ、
「2020年に指導的地位に占める女性の割合30%」の実現に向け、
今通常国会に「女性活躍推進法案」を提出している。
しかし、企業の現場では制度の充実だけでは進まない女性の意識や男性管理職の
意識改革など重い課題が立ちふさがっている。

今回はあいおいニッセイ同和損保の取り組みを紹介したい。

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■■■ 新任女性管理職全員に役員メンターを配置 ■■■
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 同社は女性の新任ライン長全員に役員クラスのメンターを配置する取り組みを
2011年度から実施している。
同社の女性管理職比率は4.4%であるが、管理職候補(主任−課長補佐)
比率は48.5%と年々増加している(2014年度)。
2017年度までに管理職比率を8%、2020年までに課長補佐以上の比率を30%にする
目標を掲げている。

 そのため各部門による女性管理職育成のための「育成計画書」の作成や
管理職候補者を対象にした「女性マネジメントセミナー」の開催など全社一丸と
なって育成に取り組んでいる。そしてもう一つが女性経営幹部の育成を目的にし
たメンター制度だ。

 取り組みの背景には「スキルや経験不足に不安を感じている女性管理職が多い
こと、また、ライン長の部門間異動が少なく、多様な経験をさせたいという思い
があった」(人事担当者)という事情がある。
メンター制度によって「双方向のコミュニケーションによって、
モチベーション向上につなげて、業務の枠を超えた幅広い価値観の共有と
ネットワークの構築ができる」としている。

 掲げる目的は女性管理職への成長機会の提供と経営に対する意識の向上だが、
人事部の狙いはもう一つ「役員に女性活躍への理解と支援という男性役員の意識
改革」(人事担当者)にある。

 メンターは役員、理事、本社の部長が担当。
メンティは組織を受け持つライン長が対象だ。
トライアルの2011年度は11人、12年度20人。
13年度16人。2014年度は11人を対象に役員がメンターを担当した。

原則月1回の面談を目標に4回以上実施することになっている。
2014年度は7月にスタートし、2015年2月までの8ヶ月間。

「前半の面談は新任のライン長なので管理職としてやっていけるのか不安が強く
感じているので、それを取り除くことが最初の仕事になる」(人事担当者)という。

女性の新任管理職全員に役員をメンターとして担当させる措置は
会社としても相当の覚悟だ。



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■■■ 目標を持つこと、人脈を大事にすることを学ぶ ■■■
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 面談内容についてはとくに縛りはない。
メンターには守秘義務と面談に際しては傾聴を主眼とするように依頼するだけ。
人事も面談の実施の有無を確認するだけで内容に関与しない。

 2012年度のメンティとして参加した管理職は
「営業の現場にいたのですが、2回目の面談のときに、何か目標はあるのと聞か
れて、目標はありませんと言うと、次回まで目標を決めてと宿題を出され、
部長を目指すところから始めました。
それまで役員と話すことはなかったのですが、経営会議の資料を見せてもらった
り、いろんな人に紹介してもらうなどすごく新鮮でした。
今でも役員に言われた、いつも目標を持って仕事をすること、
人脈を大事にすることの二つは心がけています」と語る。

 役員と直接話せる特権だけではなく、メンタリングを通じて経営の実態を知る
など得るところも大きいという。

 14年度のメンティとなった女性は
「役員と話をする機会がほとんどないので最初は手と足が一緒に出るくらい
緊張しましたが、毎回気づきの言葉をいただいた。
直属の上司にはどうしても愚痴とか要望ばかり言ってしまうのですが、
役員は単に愚痴で終わらせるのか、それとも解決策を探っていくのか。
腑に落ちなければ自ら情報発信していかないといけないよ、と言われ、
本当にそうだと思いました」と語る。



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■■■ 初のメンティ出身の女性役員と支店長が誕生 ■■■
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 そのメンターを務めた取締役は改めてコミュニケーションの重要性を知ったと
語る。

「同じ部門の部下に対しては自分の経験が長いのでついつい決めつけて言うこと
が多い。
しかしメンターを通じて自分の意見を押しつけてはいけない、
できるだけ部下の言い分を聞くようにしようと接し方を改めようと思いました。
また、男性同士だとあうんの呼吸で言葉を省略してきたが、
女性も含めたダイバーシティになると、相手の言うことを聞き、
自分の考えていることを丁寧に説明する機会を増やしていくことが大事だなと思
います」

 メンター実施期間の半ばに全メンティを集めた「中間意見交換会」を開催して
いる。
「他社の女性役員を呼んでの講演・交流やメンティ同士の議論を通じて
今後のキャリアの気づきを与える場になっている」(人事担当者)。

 すでに成果も現れている。

2015年4月1日付けで初の女性執行役員と女性営業支店長が誕生している。
2人ともメンティの経験者である。

 メンター制度を通じた女性管理職のキャリア意識の向上を図ることで
経営幹部が誕生する。
今度は彼女たちがロールモデルとして後輩のメンターとして携わる。
こうした好循環が定着していけば、女性経営幹部の輩出も可能になるかもしれない。
                        (溝上 憲文)

                            
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■■■ 労使双方が納得する「雇用終了」の導入検討開始 ■■■
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 規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)が6月13日に政府に提出した
第2次答申は、雇用分野において、
「多様な働き方の拡大」と「円滑な労働移動を支えるシステムの整備」の
二つの観点から、
(1)労働時間規制の見直し―労働時間の新たな適用除外制度の創設―、
(2)ジョブ型正社員の雇用ルールの整備、
(3)労働者派遣制度の合理化、
(4)有料職業紹介事業等の規制の再構築、
(5)労使双方が納得する雇用終了の在り方、
についての5項目を具体的提言としている。

 このうち、(1)は新しい労働時間制度、労働時間の量的上限規制、
休日・休暇取得の強制的取り組みを総合的に推進していくもので、既に今国会に
上提されている改正労働基準法案に盛り込まれている内容と言ってよく、
(2)については昨年度から実施されている施策の実施状況を基に、将来的な
労働契約法や労働基準法などの法律改正を視野に入れた指針となる実効性を
高めていく段階にあり、
(3)はまさに今国会に上提され、衆議院通過を経て参議院での可決・成立を待
つばかり、
(4)は就労マッチングサービス発展の観点から、職業紹介、求人広告、委託募
集、労働者派遣等の有料職業紹介事業等に関する制度の整理・統一を含めた見直
しを行い、民間人材サービスの多様化・複合化に対応していくもので、この分野
はかねてより典型的な後追い行政分野として長年指摘されてきただけに、
規制の再構築が昨年度から検討されてきており、雇用仲介事業を原則禁止とした
現行の職業安定法、雇用保険法、労働者派遣法など縦割り制度を見直すことにあ
り、一連の労働基準関連法制の改正が終了した後に続く次期の政策課題に
位置づけられている。

 今号の本題は(5)の労使双方が納得する雇用終了の在り方、である。
現行では客観的に合理的な理由を欠き、社会通念に相当と認められない解雇は
無効とされ、復職が困難である、あるいは労働者が復職を希望しない場合であっ
ても、労働者が解雇が無効で労働契約が継続しているとして解雇期間中の賃金の
支払いを求める訴えを提起する場合、また、解雇そのものでは争わないが、失職
による生活補償としての損害賠償を請求する場合もある。

 解雇が正当か不当か判断できるのは司法の場であるが、民事上の損害賠償請求
は個別労働関係紛争解決として都道府県労働局、都道府県労働委員会、
都道府県労政主管部局等、全国の社会保険労務士会などであっせん制度として、
さらに地方裁判所における労働審判などで対応している。このような場では最終
的には金銭補償による和解で解決するが、解雇が無効であるとの勝訴を労働者が
獲得したとしても、職場復帰が可能かとなると、規模が小さい企業
(例えば配置転換などが行える職場環境がない)ではそう簡単ではない。
もちろんあっせん申請や裁判に持ち込んだことにより
不利益扱いをしてはならないことは法律に書き込んであるが、現状は紛争前と
同じ条件での職場復帰は物理的・精神的に難しい。
そこで検討されているのが金銭補償による雇用終了の導入である。

 規制改革会議は現行の個別労働関係紛争解決制度が紛争の未然防止や円滑な
労働移動にそんなに寄与していないとして、行政機能強化について検討し、
結論を得た上で労使双方の利益に適った紛争解決を可能とする制度の見直しを
求めている。
個別労働関係紛争に関しては行政の権限強化とも言える提言となっている。



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■■■ 「解雇」でのあっせん申請は大幅減少 ■■■
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 厚生労働省は6月15日、昨年の「日本再興戦略」改訂2014を請けて、
「予見可能性の高い紛争解決システムの構築に関する調査結果」を
「あっせん」、「労働審判」、「和解」の比較分析として公表した。

 調査対象事案は平成24年度(都道府県労働局で受理したあっせん事案853
件)、平成25年度(労働審判の調停・審判事案452件、和解で終局した民事訴訟
事案193件)で、雇用紛争事案の解決内容では、多くの事案において金銭解決が
活用されており、
あっせん(96.6%)、
労働審判(96.0%)、
和解(90.2%)といずれも9割を超えている
一方、復職にあたる撤回・取消しはあっせん1.2%、
労働審判0.4%、和解6.2%と、
雇用終了事案の場合、復職の事例は非常に少ない結果となっている。

 金銭解決の金額の傾向では、3分野の最高値をみると、
あっせん10万円以上20万円未満、
労働審判100万円以上200万円未満、和解は100万円以上200万円未満となってお
り、月収表示でも同じ傾向(最高値はあっせん1月分未満、労働審判6月分以上9
月分未満、和解12月以上24月分未満)にある。
その他の傾向では、雇用形態別での正社員の比率はあっせん47.1%、
労働審判75.7%、和解79.8%、
勤続年数では1年未満の短期勤続者の比率はあっせん41.9%、
労働審判33.0%、
和解17.7%となっており、逆に10年以上の長期勤続者はあっせん13.1%、
労働審判16.8%、和解31.3%となっている。

 6月12日に厚生労働省が発表した「平成26年度個別労働紛争解決制度の施行状
況」によると、全国の総合労働相談件数103万件のうち、あっせん申請件数は
5010件で、わずか5%、6月17日に東京労働局が発表した同じ調査でも、全件数11
万8356件のうち、
あっせん件数1073件で9%を占めているが、全国では対前年度比12.3ポイント減、
東京労働局でも同じく12.6ポイント減と大幅に落ち込んでいる。
特に解雇に関するあっせん申請は全国では全体の25.2%となり、
平成21年度41.9%から16.7ポイントも落ちているのが特徴である。

 金銭解決は被申請人(殆んどが企業側)の支払能力に大きく左右される。
それ以前に、紛争当事者双方のあっせん参加率が半分をやや上回るに過ぎず
(平成26年度の全国集計で54.2%)、あっせんにおける合意率も4割弱(同
37.6%)という実態がある。
ただ、東京労働局の集計での参加率59.1%、
合意率も43.2%と高いことが、この制度の見直しに係る今後の方向を示唆している。

 被申請人の出席を義務化する制度の見直しは容易ではない。
現行の個別労働関係紛争解決促進法の趣旨そのものが問われることになるからだ。
関連して、労働基準法上からも、正当性は別として、使用者は労働者を法に則っ
て解雇できることも、欧米先進国では当り前のこととだからとして学識者が賛意
を示すことも、日本の雇用慣行からしてどうなのかという疑問も残る。

いずれにしても、雇用の開始と終了は、使用者にとっての永遠の経営課題で
あることは、国の制度が変わっても何ら変わらない。

 最後に国会。9月27日までの大幅延長を決定した。

本丸は安全保障法案の成立だが、延長によって改正労働者派遣法の成立は言うま
でもなく、
改正労働基準法の審議の可能性まで出てきた。
反対勢力の動員力が問題が多すぎて追いつかない。
また、関係者は夏休みの時機を見直すことになった。   (津山 勝四郎)


編┃集┃後┃記┃
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 外部からのウイルスメールによる不正アクセスにより、
日本年金機構が保有する個人情報約125万件が流出しました。

 最初の感染後に全職員へ注意喚起を行いましたが、さらに新たな感染が発生し
対処が後手に回りました。

 流出した個人情報が悪用される影響に不安を持たれた年金受給者や加入者が
多くいたことと思います。

 折しも、来年1月に施行されるマイナンバー法により、今年の10月中旬以降に、
すべての住民に「通知カード」が郵送され、国民一人一人に12桁の数字が付番さ
れます。

 来年1月からは、
(1)社会保障、(2)税、(3)災害対策分野で使用されますが、
医療・銀行等での利用も検討されています。

 社会保障番号(SSN)の漏洩により米国では被害が後を絶たず、
韓国では国民の7割以上の個人情報が漏洩して、安価で売買されているそうです。

 日本では安全性を強調していますが、今回の日本年金機構による個人情報流出
によりマイナンバー制度に関心が高まったのは事実のようです。
 
 マイナンバーでは、故意による漏洩、情報の安全管理を怠ると法令違反とな
り、懲役罰を含む罰則の対象、会社自体が刑罰の対象となり経営責任を問われる
可能性がある法律です。
従業員及び扶養親族等の個人番号を収集する前に従業員へ周知徹底を行うこと、
個人番号の保管環境等の整備、様式・規程等の整備等を後6ヵ月の間に準備する
必要があります。

今年の後半は、慌ただしい日々となりそうです。          (白石)



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発行者 雇用システム研究所
代表 白石多賀子 東京都新宿区神楽坂2-13末よしビル4階
アドレス:info@koyousystem.jp

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お楽しみいただければ幸いです。
今後もさらに内容充実していきたいと思います。
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