本文へスキップ

人事・労務に関する御相談は東京都新宿区 社会保険労務士法人 雇用システム研究所まで

電話での相談・お問い合わせはTEL.03-5206-5991

〒162-0825 東京都新宿区神楽坂2-13 末よしビル4階

発刊済みメールマガジンMail Magazine

新型コロナウイルス影響下の事業継続と人事管理(6)
 〜副業容認企業の増加と厚労省の「副業ガイドライン」〜

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏━━┓    
┃\/┃    ★雇用システム研究所メールマガジン★
┗━━┛                           第223号
                              2020/11/01

           http://www.koyousystem.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

朝夕冷え込む季節になりましたが
皆様いかがお過ごしでしょうか。

雇用システム研究所メールマガジン第223号をお送りします。

=============================================

□ 目次 INDEX‥‥‥‥‥

◆新型コロナウイルス影響下の事業継続と人事管理(6)
  〜副業容認企業の増加と厚労省の「副業ガイドライン」〜

■労働時間の通算で規制される個人の時間外労働の上限は、
 単月100時間未満、複数月平均80時間以内
■本業・副業先は労働者の自己申告によって労働時間を把握すれば労基法上問題はない
■増える業務委託による副業。労働者の健康と安全をどう守るのか
                 (以上執筆者 溝上 憲文)


■コロナ対策で「雇用維持・失業予防・再就職」に重点
          -----------厚労省の来年度予算概算要求
■中高年よハンコ/ペーパーを捨ててデジタルの街へ出よう
■最高裁判決と正社員登用制度
                  (以上執筆者 荻野 登)


編集後記(白石多賀子)

-----------------------------------------------------------------------

新型コロナウイルス影響下の事業継続と人事管理(6)
  〜副業容認企業の増加と厚労省の「副業ガイドライン」〜

 新型コロナウイルス感染拡大により緊急避難的に始まったテレワークを
今も多くの企業が継続中だ。
多くの大企業は週2〜3日のテレワークが一般的であり、IT企業やネット企業の
中には原則在宅勤務を打ち出しているところもある。
その一方で社員の副業の解禁や副業人材を募集する大手企業が相次いでいる。

 テレワーク勤務になり、在宅での副業がやりやすくなった面もあるが、
一方でANAのように業績悪化を契機に副業を幅広く認める企業もある。
そうした中、9月1日。
厚労省から「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(改定)が出された。
これまで政府内で具体策を巡っての議論が長く続いてきたが、
このガイドラインによってようやく一定のルールが明確化された。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■■■ 労働時間の通算で規制される個人の時間外労働の上限は、
              単月100時間未満、複数月平均80時間以内 ■■■
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 経済同友会の「ダイバーシティと働き方に関するアンケート調査結果
(2019年11月6日〜12月8日調査、168社)によると副業容認企業は38.7%。
2016年は17.7%にすぎなかったが着実に増えている。
その一方で「認めておらず、検討もしていない」企業が35.1%もある。
認めようとしない大きな理由は以下の3つだ。

(1)(兼業・副業先との)労働時間通算が困難となるため(74.1%)
(2)社員の長時間労働の助長につながるため(72.4%)
(3)(兼業・副業先等での)労働災害への懸念があるため(50.0%)
 この問題に一定の解決策を示したのがガイドラインと改正労災保険法だ。

 労基法38条1項では「労働時間は、事業場を異にする場合においても、
労働時間に関する規定の適用については通算する」と規定され、事業場を異にする
場合とは、事業主を異にする場合も含むとする行政通達もある。

本業・副業の労働時間の通算規定に加えて、働き方改革関連法によって新たに
時間外労働の上限規制もクリアしなければならない。

 改定されたガイドラインの主なポイントは以下の3つである。
(1)法定労働時間、上限規制(単月100時間未満、複数月平均80時間以内)
  について労働時間を通算して適用される

(2)使用者は労働者からの申告等により、副業・兼業の有無・内容を届出制などに
  よって確認する。労働時間の通算は、自社の労働時間と、労働者からの申告等に
  より把握した他社の労働時間を通算することによって行う

(3)労働時間の通算によって時間外労働となる部分のうち、自社で労働させた
  時間について、時間外労働の割増賃金を支払う必要がある。

 1日8時間、週40時間の法定労働時間を超えて働かせる場合は36協定を締結する
必要がある。上限規制によって時間外労働が月45時間、年間360時間を超える場合は
特別条項の締結によって年間720時間の限度時間が設けられた。
ただし副業先との労働時間の通算で規制される個人の時間外労働の上限は、
単月100時間未満、複数月平均80時間以内であり、36協定で定めた特別条項の延長時間の
上限の720時間に拘束されない。

「個人の場合は36協定に拘束されないし、上限の720時間は個々の事業場の36協定の限度時間。
したがって個人の場合は、通算して単月100時間未満、
複数月平均80時間以内を守っていただくことになる」(厚労省労働基準局労働条件政策課)


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■■■ 本業・副業先は労働者の自己申告によって労働時間を把握すれば
                       労基法上問題はない ■■■
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 最大のポイントは、通算の労働時間を労働者の自己申告によって把握することにした
ことだ。ガイドラインでは「自らの事業場における労働時間と労働者からの申告等に
より把握した他の使用者の事業場における労働時間と通算する」と明記している。

本業先だけが通算時間を管理するのではなく、労働者の申告に基づいて本業・副業先の
双方が管理する。
ただし、申告に基づくといっても、実際は副業しても申告しない社員もいれば、
虚偽の労働時間を申告する社員もいるかもしれない。

 厚労省の担当者は「申告した労働時間を通算してもらえば労基法上問題はない
という解釈を示した。後でわかった場合にどうすればよいのかと悩む使用者もいる。
事前に労働者と話し合って申告してもらうことが大事になるが、客観的に上限規制を
超えていたことがわかった場合、申告した時間を守ってもらえばよい。
労基法は刑罰法規の側面があるが、知らなかったことは罪に問われないのが
大原則であり、その点の解釈をガイドラインで明確にした」
(労働基準局労働条件政策課)と説明する。

 ただし、企業は「安全配慮義務」を負う。
ガイドラインでは就業規則などに「届出制」を明記し、事前に副業の内容を
話し合っておくこと、副業開始後に健康に問題があれば適切な措置を講じることを
勧める。
しかし「自己申告に委ねれば、結局、申告がないので会社は何の責任も負えない
ということになりかねない。
使用者が労働者にヒアリングするなど調査する義務を課すべき」
(日本労働弁護団の笠置裕亮弁護士)との意見もある。

 また、改正労災保険法により、これまでは過重労働で過労死した場合、
2社で時間外労働の合計が過労死認定基準の100時間であっても、1つの会社の
労働時間でしか判断されず、労災認定されなかったが、副業先での労働時間も通算
されることになった。
また、労災事故による入院や休職を余儀なくされた場合、病院にかかる療養給付や
休職中の休業補償給付の給付基礎日額の算定はどちらか一方の給与のみで算定して
いたが、本業と副業先の賃金額を合算した額をベースに給付基礎日額が決定される
ことになった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■■■ 増える業務委託による副業。労働者の健康と安全をどう守るのか ■■■
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 今回のガイドラインや法改正によって労働時間の通算や労働災害などに対する
企業の懸念がある程度解消されたといえる。しかしガイドラインで示された労働時間
の通算規定や労災保険の適用などは副業先と雇用契約を結んだ「労働者」に
限定されている。
いわゆる労基法が適用されないフリーランスなど業務委託契約を結んで副業する
場合は「労働時間は通算されない」としている。
しかし、業務委託契約による副業が多いのが実態だ。
例えばライオン、三菱地所、みずほFG、SMBC日興證券などは雇用契約を結ぶ
ことは認めていない。

一方、ANAは雇用契約も認めているが少数派だ。

 折しもコロナ禍の業績低迷による賃金減の収入補てんのために副業する人が
増えている。副業先が雇用契約を嫌い、業務委託契約で働かせるケースが増える
可能性もある。
実態は労働者なのに個人請負契約で働かせる脱法的フリーランスを防止するための
監督指導体制を強化していく必要があるとの声もある。
こうした人たちの健康や生活保障などのセーフティネットどう守っていくのか、
今後の重要な課題でもある。                (溝上 憲文)


---------------------------------------------------------------------------


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■■■ コロナ対策で「雇用維持・失業予防・再就職」に重点
             -----------厚労省の来年度予算概算要求 ■■■
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 厚生労働省は9月25日、令和3(2021)年度予算の概算要求を発表した。
一般会計の総額は、国の全体の予算の約3分の2を占める32兆9,895億円で、前年度の
当初予算額(32兆9,861億円)を34億円上回り、過去最大となった。
一方、新型コロナウイルス対策費は、感染の広がりが見通せないことから、要求額
を明示しない事項要求とした。
そのため、年末までの予算編成で、最終的には数兆円規模で増額される見込みだ。

 労働政策関連の要求の柱として「ウィズ・ポストコロナ時代の雇用就業機会の確保」
を前面に打ち出し、
(1)雇用維持・失業予防・再就職に向けた支援、
(2)多様な人材の活躍促進、
(3)誰もが働きやすい職場づくり------を3本の柱に据えた。

 10月9日の労働政策審議会で厚労省は、「雇用維持」「失業なき労働移動」を
キーワードに重点項目を説明。
「業種・地域・職種を超えた再就職の促進」「高齢者の就労・社会参加の支援」
 ------などを軸に雇用の安定・維持と再就職を支援する。

 「業種・地域・職種を超えた再就職促進」では、
(1)職業訓練を通じた職業スキルや知識の習得(990億円)、
(2)ハローワークの就職支援ナビゲーターによる業種を超えた再就職支援(31億円)、
(3)業種・職種を超えた再就職を促進する都道府県の取り組みへの支援(68億円)、
(4)都市部から地方への移住を伴う地域を超えた再就職支援(8.7億円)、
(5)成長企業への再就職支援(24億円)----------などの予算措置を盛り込んだ。

 こうした「新たな日常」の下における再就職支援策の予算は総額1,206億円にのぼる。
このうち、職業訓練を通じた職業スキル・知識の習得では、国・都道府県が設置する
公共職業能力開発施設や、専修学校、
必要な技能・知識を習得するための職業訓練を推進。ハローワークでは、
就職支援ナビゲーターが再就職支援計画を作成し、日本版O-NET(職業情報提供サイト)
を活用したキャリアコンサルティング等の個別支援を行い、労働市場や産業構造の変化
を踏まえたニーズの高い職種、雇用吸収力の高い分野への再就職支援を推進するための
体制を強化する。

 都市部から地方への移住を伴う地域を超えた再就職支援では、地方への就職希望者に
対して、ハローワークの全国ネットワークを活用した職業紹介や生活関連情報を一体的
に提供する。あわせて、大都市圏に新たに専門の相談員を配置して、個々のニーズに
応じた支援を行う。審議会で労使の委員はともに「失業なき労働移動」の促進に期待感
を表明していることもあり、雇用の維持とともに、失職・失業を経ない労働移動が
労働政策の焦点になるだろう。

 このほか、コロナ禍で広がるテレワーク支援に今年度当初予算の10倍となる31億円、
またウィズ・コロナ時代に安全で健康に働くことができる職場づくりに向けた施策には
293億円を計上。
さらに、長時間労働の是正に向けた施策では、
(1)生産性を高めながら労働時間の縮減等に取り組む事業者への支援(124億円)
(2)自動車運送業、建設業、情報サービス業における勤務環境の改善(60億円)
(3)勤務間インターバル制度の導入促進(24億円)
(4)長時間労働の是正に向けた監督指導体制の強化等(32億円)
  ------などを要求に盛り込んだ。

 菅政権で重視する男性の育児休業取得の推進では、企業に対する男性の育児休業等の
取得促進に係るセミナー、「両立支援等助成金」による支援を実施する(136億円)。
高齢者の就労・社会参加の促進では、70歳までの就業機会確保に向けた環境整備を図る
ため、65歳を超える定年引き上げや継続雇用制度の導入を行う企業および60歳から
64歳までの高年齢労働者の処遇改善を行う企業を支援(96億円)。
65歳以上の再就職支援に重点的に取り組むため、ハローワークに設置する
「生涯現役支援窓口」で、退職予定者のキャリア情報等を登録し、活用を希望する
企業に紹介する「高年齢退職予定者キャリア人材バンク事業」でのマッチング機能を
強化する(34億円)。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■■■ 中高年よハンコ/ペーパーを捨ててデジタルの街へ出よう ■■■
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 来年4月1日から施行される高年齢者雇用安定法(高年法)における65歳から70歳まで
の就業機会の確保および就業促進について労働政策審議会は9月25日、
厚労相から諮問された同法施行規則の一部を改正する省令案要綱、
高年齢者等職業安定対策基本方針の改正案および高年齢者就業確保措置の実施及び
運用に関する指針案について、「おおむね妥当」と答申した。

 65歳から70歳までの就業機会確保に関わる努力義務の就業確保措置の選択肢としては、
(1)定年制の廃止、
(2)70歳までの定年の引き上げ、
(3)継続雇用制度導入(現行の65歳までの制度と同様)といったこれまでの制度の枠組みに加え、
(4)本人が希望する場合の70歳まで継続的な業務委託契約を締結する制度の導入、
(5)本人が希望する場合の70歳まで継続的に事業主が実施するNPOなどの社会貢献事業、
  事業主が委託・出資等をするNPO団体が行う社会貢献事業に維持できる制度
  ------の選択肢が加わった。

 このうち、高年法施行規則の改正省令案要綱では、65歳以上の就業確保措置として、
(4)(5)の雇用以外のいわゆる「創業支援等措置」(高年齢者との業務委託契約または
事業主が実施あるいは委託・出資等をして行う社会貢献事業に従事するもの)を
講じる場合は、その実施計画を作成し、過半数労働組合(ない場合は過半数代表者)
の同意を得ること。
あわせて、措置を講じる理由や、対象となる高年齢者と締結する業務委託契約等で定める
べき事項などの実施計画に盛り込む内容を示している。

 企業としては、従来の就業先とは異なる「創業支援等措置」について、イメージしにくい
こともあり、対応に苦慮するかもしれない。
しかし、働く側としては、こうしたフリーランス型の就業への備えが必要になってくるだろう。
デジタル・トランスフォーメーション(DX)が進むと、当然ながらメンバーシップ型の
定型業務がAI等に置き換えられ、キャリアの途中で職種転換を余儀なくされる人は増加する。
これに伴って企業はプロフェッショナル人材の確保に力を入れだし、中途採用の拡大ととも
にもジョブ型雇用の範囲が広がってくるだろう。

 こうしたなかで、コロナ後ではリモートワークおよびハンコ・ペーパーレスが
ニューノーマルになると、それに対応するための学びは不可欠になる。
そして、職業キャリアの後半にフリーランス的な就業が組み合わされることになると、
ジョブ型の仕事また兼業・副業を通じて、専門性を磨くことがますます重要になる。
そのためにはデジタル・トランスフォーメーション(DX)の流れにあらがっても仕方ない。
とはいえ、デジタルが大切だと頭では理解していても、その有用性・利便性を本当に
わかっている中高年はどのくらいいるだろうか。

 テレワークが常態化するなか、最近、ヒアリング調査した企業事例からは出社を
余儀なくされる理由として、テレワーク中なのに多くの管理職が出社していること、
また押印する仕事があることが指摘されている。中高年は少なくともその阻害要因に
なってはならないだろう。
先に触れた厚労省の来年度予算では、コロナ禍における「新たな日常」の下、
柔軟な働き方の環境整備に向けて、
(1)良質な雇用型テレワークの導入・定着促進(31億円)、
(2)副業・兼業を行う労働者の健康確保に取り組む企業への支援(2.4億円)、
(3)雇用類似の形態で働く者と発注者とのトラブルに関する相談支援(8,600万円)
  -------を盛り込んでいる。

 ニューノーマルに対応するため、中高年は自らハンコ/ペーパーを捨てて、
デジタルの街に繰り出さなければならない。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■■■ 最高裁判決と正社員登用制度 ■■■
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 正社員と非正規雇用者の同一労働同一賃金に関する2つの最高裁判決が大きな
注目を集めた。
9月13日の大阪医科薬科大学事件は賞与、またメトロコマース事件では退職金を
支給しないことが「不合理ではない」とされ、続く同15日の日本郵便事件では、
各種手当・休暇等に関する待遇差が「不合理」であるとされ、
メディアでは判断が分かれたと報道された。

 この判決については、労働法の研究者、弁護士のなかでも意見が分かれており、
しばらくは関係者の間で、議論が続くものとみられる。
しかし、最高裁が立て続けに下した判断には何らかのメッセージが込められている
ことは想像がつつく。

 一つはこの判断が、関連する事件や職場で生起する問題すべてに適用される
ものではなく、事件ごとに判断が分かれる可能性があることを示唆している
点を見逃すことはできない。

 もう一つ注目すべきは、手当・休暇等については支給の目的・趣旨が正規・
非正規を問わず同一であるとされやすいため、待遇の相違は不合理と認められた一方、
賞与、退職金をめぐる判断については、アルバイト職員から契約社員、正社員への
登用制度が設けられていることを指摘している点だ。

 手当・休暇等については
(1)職務内容、
(2)職務内容・配置の変更範囲、
(3)その他の事情の3要素を考慮しても、業務内容や責任、配置変更範囲の相違から
待遇差を説明できないので、「不合理」とされた。

 その一方、退職金については「労務の対価の後払い」や「功労報償」などの複合的な
性質を持ち、正社員の人材確保・定着を目的としていたものと評価。
あわせて判断要素として、正社員(職員)登用制度の設定と運用実績をあげた。
また、賞与をめぐる判断でも、アルバイト職員が契約職員及び正職員へと段階的に
職種変更することができる試験による登用制度が設けられていたことを
判断要素のひとつとした。

 現時点での職務内容の同一性の比較だけではなく、キャリアパスとして、
無期契約への転換や正社員登用という制度が整備されており、実績があることが、
「その他の事情」として考慮され、判断に大きく影響したといえる。

「その他の事情」としては、このほか労使間での交渉・協議の状況や従業員への
説明なども重視されることになる。
そのため、退職金をめぐる判断の補足意見として「労使交渉等を踏まえて、
賃金体系全体を見据えた制度設計がされるのが通例」とされているとおり、
労使の話し合いが不合理性を判断するにあたって重要な意味合いを持つ。

 中小企業では正社員登用制度が整備されていないケースが多いものとみられるが、
こうした最高裁の判断を受け、労使間の話し合いを通じて、
正社員転換制度の整備や待遇改善を進めることが重要になっていくと考える。
                              (荻野 登)



編┃集┃後┃記┃
━┛━┛━┛━┛********************************************************


 東京でも“GO TO キャンペーン”がスタートし、神楽坂も人出が増えてきました。
しかし、店舗の撤退でテナント募集の貼り紙が目立ちます。

菅首相の所信表明で
「新規陽性者数の減少は鈍化し予断を許さないが、爆発的な感染は絶対に防ぎ、
国民の生命と健康を守り抜く。
その上で、社会経済活動を再開して、経済を回復していく」と述べました。

コロナ禍が10ヶ月となり、雇用維持のため雇用調整助成金の特例が今年末まで
延期され、来年1月以降は段階的に縮減していく方針でしたが、
急激に雇用情勢が悪化した場合は延長もあると厚生労働大臣が記者会見で述べています。

 最近は、企業も雇用維持の限界にきています。
 感染増加を回避しながら経済の回復を祈るばかりです。
 
コロナ禍でのインフルエンザの時季、風邪を含めて高熱がでないよう
手洗い・うがい等で予防し、元気な日々を過ごしましょう。       (白石)



-------------☆ ☆ ☆ --------------

発行者 社会保険労務士法人雇用システム研究所
代表社員 白石多賀子 東京都新宿区神楽坂2-13末よしビル4階
アドレス:info@koyousystem.jp

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今月のメールマガジン第223号はいかがだったでしょうか。
お楽しみいただければ幸いです。
今後もさらに内容充実していきたいと思います。
ご感想は info@koyousystem.jp にお願いします。

「こんな記事が読みたい!」というリクエストも、遠慮なくどうぞ。

次回の配信は12月初旬頃情報を送らせて頂きます。

e-mail: info@koyousystem.jp

[過去のメルマガ随時更新]⇒ http://www.koyousystem.jp
=============================================
メールマガジンの配信が不要な方は、お手数ですが、
こちらhttp://www.koyousystem.jp/mail_magazine.html から
配信停止を行って下さい。

社会保険労務士法人
雇用システム研究所
雇用システム研究所

〒162-0825
東京都新宿区神楽坂2-13
        末よしビル4階
TEL 03-5206-5991
FAX 03-5206-5990