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新型コロナウイルス影響下の事業継続と人事管理(10)
 〜テレワーク利用の二極化で進む人材獲得競争力〜

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┃\/┃    ★雇用システム研究所メールマガジン★
┗━━┛                           第232号
                              2021/08/01

           http://www.koyousystem.jp
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暑い日が続きます。
東京都は新型コロナ感染確認数が過去最多を更新しています。
皆様いかがお過ごしでしょうか。

雇用システム研究所メールマガジン第232号をお送りします。

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□ 目次 INDEX‥‥‥‥‥

◆新型コロナウイルス影響下の事業継続と人事管理(10)
〜テレワーク利用の二極化で進む人材獲得競争力〜

■大企業と中小企業、都市部と地方で利用が二極化
■「完全テレワーカー」を会社が認定。手当を支給
■テレワークを望む転職者。人材獲得競争力にも影響
                 (以上執筆者 溝上 憲文)

■地域別最賃は全国一律で28円の引上げ目安を答申
■連合の今季闘争まとめで「賃上げの流れは継続している」と総括
■2年ぶりの労働経済白書はコロナ感染拡大の影響を分析
                  (以上執筆者 荻野 登)


編集後記(白石多賀子)

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◆新型コロナウイルス影響下の事業継続と人事管理(10)
 〜テレワーク利用の二極化で進む人材獲得競争力〜

 昨年の緊急事態宣言の発令以降急速に広まったテレワークであるが、
1年を経て、地域・企業間の利用率の二極化の様相を呈している。

 久々に都心に向かう朝の電車に乗ったが、まるでコロナ前に戻ったように
混雑している。
テレワークを呼びかける政府のかけ声もどこ吹く風の通勤ラッシュぶりだ。
ところがターミナル駅から50メートルほどの距離にある大手メーカーの本社ビル前に来ると、
玄関に入る社員はまばらだった。
同社は昨年4月以降、原則テレワークに移行し、今も継続中だ。
面会した人事担当者は「私が1ヶ月に出社するのはせいぜい2〜3日。
昨年3月までは本社に3000人の社員が出勤していたが、今はほとんど出社していない。
しかもこの1年間に1度も出社していない社員は半分の1500人に上るのではないか」と語る。

 同社だけではない。
NTTグループもこの1年間、出社率を2割以下に抑制している。
グループ企業の社員も「原則テレワークであり、
逆に出社する場合は事前に申請をしなくてはいけない」と語る。


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■■■ 大企業と中小企業、都市部と地方で利用が二極化 ■■■
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 大企業でテレワークが広まる中、利用が進まないところもある。
日本テレワーク協会の村田瑞枝事務局長は
「テレワーク人口は昨年4月に東京都は67.3%、全国平均は27.9%だったが、
11月に東京は50%程度に下がったものの、地方では10〜5%未満のところも多い。
都市部と地方、大企業と中小企業でテレワーク利用の二極化が進んでいる」
と指摘する。

 東京商工会議所の「中小企業のテレワーク実施状況調査」(5月下旬調査)によると、
東京23区の企業の実施率は38.4%。従業員301人以上は64.5%と高いが、
50人以下は29.8%と規模間格差が生じている。
テレワークを実施していない企業の理由として最も多かったのは
「テレワーク可能な業務がない」(64.7%)、次いで「生産性の低下」(24.0%)、
「PCや通信環境の整備状況」(19.6%)、
「取引先とのコミュニケーション」(18.9%)、
「社内コミュニケーション」(15.4%)の順となっている。

 対面など顧客対応の業務は難しいとしても中小企業で実施が進まない理由について
前出の村田事務局長は「ITに詳しい人が社内にいないことが大きなカベになっている。
中小企業でもITに通じた人が主導し、トップを説得してテレワークだけではなく
仕事の効率化を促進している企業もある。
また、紙文化や決済の電子化の遅れも一因となっている」と指摘する。


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■■■ 「完全テレワーカー」を会社が認定。手当を支給 ■■■
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 一方、テレワークの定着に向けた制度の整備を進めている企業もある。
通信事業のUSEN−NEXT HOLDINGSは2018年6月からオフィスのフリーアドレス化や
コアタイムのないフレックスタイムと利用制限のないテレワークを使って
時間と場所にとらわれない自由度の高い働き方を推進してきた。
コロナ下で当然、テレワーク利用者が増えたが、2020年11月には週3日以上在宅で
業務を行う社員を「完全リモートワーカー」に認定する制度をスタート。
6月末時点で4800人の社員のうち2割超の社員が認定を受けている。

 制度を設けたのは「3年前の働き方改革時から部署によってリモートワークが
できるのに認めてくれないという相談があり、その都度マネージャーを指導していた。
コロナ下で社員の要望が強くなったことで社員自ら申請し、会社が認定すれば大手を
振ってリモートワークができる」(同社執行役員)というのが理由だ。

 リモートワーカーに認定されると通勤手当が停止され、出勤時は実費精算になるが、
1ヶ月5000円のリモートワーカー手当が支給される。
「定期代もなくなるので希望者はせいぜい1割程度と思っていたが、
蓋を開けたら募集時に15%を超え、今も増え続け、いずれ25%になっても不思議ではない」
(執行役員)という。
また、リモートワークの利便性を高めるために同社の町田、渋谷、横浜の拠点を
リノベーションしてサテライトオフィスに転換。
今後も増やしていく予定だ。

 もちろんテレワークが難しい業務もあるが、今も環境整備に取り組む。
「例えば紙を使うなど仕事に物理的なマテリアルが存在している業務は難しいが、
経理部門の領収証や請求書についてもペーパレス化を推進している。
営業部門のリモートワーカーは少ないがオンライン商談も増加している。
コールセンターについては昨年の第1回目の緊急事態宣言の時に360席のスペースを
半分に削減し、2分の1の人員が在宅で業務が行えるようにしている」
(執行役員)という。


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■■■ テレワークを望む転職者。人材獲得競争力にも影響 ■■■
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 また、採用活動では2021年入社の社員から最終面接までオールオンラインで選考。
2022年度もオンラインでの採用活動を実施しているが、地方の優秀な学生を
獲得しやすいというメリットもある。
また今年から新潟県長岡市と共催し、長岡市の大学などの学生を対象に正社員として
採用し、地元でリモートワークを行う「長岡ワーカー」制度を創設。
初年度7人の内定者が出るなどリモートワークが人材獲得にも大きく寄与している。

 テレワークができる会社とできない会社では中途人材の獲得でも影響を与える
可能性もある。エン・ジャパンの「コロナ禍での企業選びの軸の変化」調査
(2021年2月17日調査)によると、特に重視しているものとして
「希望の働き方(テレワーク・副業など)ができるか」が最も高く42%、
次いで「企業・事業に将来性があるか(38%)となっている。

 前出の執行役員は今後テレワークが中途人材の獲得する上でも有利になると語る。

「テレワークが増えたことによって、在宅中に転職志望先のオンライン面接が
昼間でも受けることができ、転職しやすい環境になっている。
実際に当社の中途入社の面接も昼間行っている。
最近感じるのは必ずしも金銭報酬の高さではなく、テレワークを含めて自分の
ライフスタイルに合わせた働き方ができる企業を求める傾向が強くなっていることだ。
逆に言えば、そうした働き方が難しい企業は人材競争力を失ってしまうのではないか」

 ポストコロナの働き方については
「今後リモートワークを希望する人が増えていくのは間違いない。
会社としてはさまざまな働き方のスタイルを提供し、一人ひとりの社員が自分に
適している働き方を考えて選択しなさいと言い続けてきた。
社員が自立的に考えて仕事をすることが成果を生み出すことにつながるというのが
当社の基本的考えであり、今後も多様な働き方を提供していく」と語る。

 大手企業はIT投資を増やし、単なるテレワークだけではなく、
ICTツールやデジタルデバイスを使いこなすことによって業務の効率化も同時に
推進している。
テレワーク可能な企業とそうでない企業との間で人材競争力だけではなく、
ビジネス上の競争力でも大きな格差が発生する可能性もあるかもしれない。
                             (溝上 憲文)


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■■■ 地域別最賃は全国一律で28円の引上げ目安を答申 ■■■
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 中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関、会長・藤村博之法政大学大学院
イノベーション・マネジメント研究科教授)は7月16日、2021年度の最低賃金に
ついて全国一律で時給28円を目安に引き上げるよう田村憲久厚労相に答申した。
目安が示した引上げ額の全国加重平均は28円となり、1978年度に目安制度が
始まって以降で最高額(引上げ率に換算すると3.1%)。
この目安をもとに各都道府県の審議会が議論し、10月から新たな最低賃金が
発効することになる。

 引き上げの目安は、地域の経済実態などにあわせて、都道府県をABCDの4つの
ランクに分けて、都市部で高く、地方で低く設定されることが多いが、
今年度は地域間格差への配慮や、都市部で雇用情勢が悪化していることなどを踏まえ、
すべてのランクで同額の28円が示された。

 20年度は、新型コロナの影響で雇用を守ることが最優先とされ、
使用者側が据え置きを主張し続けたこともあり、引き上げ目安は示されなかった。
使用者側は今年度の改定にあっても2年連続の据え置きを求め、審議は難航。
目安に関する小委員会に続いて、中央最低賃金審議会本審でも、使用者側の一部委員が
「公益委員見解を地方最低賃金審議会に示すことは適当ではない」との意見を表明し、
異例の採決を求めた。
しかし、反対少数で小委員会報告のとおりの改定目安を地方最低賃金審議会に示すことに
なった。目安どおりに改定されると、今年度の地域別最低賃金額は、
全国加重平均額で930円となる。都道府県別に同改定額が適用されると、
もっとも高い東京都が1,041円、もっとも低い県が820円となり、
800円未満の地域がなくなることになる。

 今回の目安は、6月18 日に閣議決定された「骨太の方針2021」で、最低賃金について、
「感染症下でも最低賃金を引き上げてきた諸外国の取組も参考にして、
感染症拡大前に我が国で引き上げてきた実績を踏まえて、地域間格差にも配慮しながら、
より早期に全国加重平均1000 円とすることを目指し、本年の引上げに取り組む」と
明記されたことが影響していることは間違いないだろう。
安倍政権下で掲げてきた年率3%程度の引き上げにより1000円を目指す路線に回帰した
といえる。
20年度はリーマンショックの影響を受けた09年度以来、11年ぶりに目安を示さなかった。

中央最低賃金審議会は6月22日、引き上げ幅の「目安」策定に向けた議論を開始し、
同日の審議会で三原じゅん子厚労副大臣は
「経済の好循環の継続、拡大に向けて最低賃金の引き上げは非常に重要。
1000円実現への第一歩となるよう審議をお願いしたい」と強調していた。
審議の中で、労働側は最低賃金を改定しないことは社会不安を増大させ格差を是認する
こととなることから、最低賃金の確実な引上げにつながる有額の目安を示すことで、
セーフティネットとしての機能を果たすべきだと主張。
さらに、日本の最低賃金は国際的に見ても低位であり、諸外国ではコロナ禍でも
最低賃金の引上げを行っている中、グローバルスタンダードを見据え、
ナショナルミニマムにふさわしい水準に引き上げるべきであるとした。

 一方、使用者側は、最低賃金は各種データによる明確な根拠をもとに、
納得感のある水準とすべきであり、今年度は、コロナ禍において厳しい状況にある
業種の中小企業の窮状を考慮すると、3要素のうち通常の事業の賃金支払能力を
最も重視して審議を進めるべきであるとし、
「現行水準を維持」すべきであると主張した。

本審の下に「目安に関する小委員会」を設置し、5回にわたる審議を重ねたものの、
労使の意見の隔たりが大きく、最終的には「目安に関する公益委員見解」が示された。
7月14日の審議では小委員会の報告内容を決める採決で使用者側の委員2人が
反対の意志を示した。
同日、日本商工会議所などの中小企業団体は談話を発表し、
「政府方針を追認するような結論となったことは、審議会及び最低賃金決定のあり
方自体に疑問を抱かざるを得ない」と非難。
一方、連合は「誰もが時給1000円」の実現に向けて一歩前進と評価している。


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■■■ 連合の今季闘争まとめで「賃上げの流れは継続している」と総括 ■■■
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 連合が7月1日時点でまとめた2021春季生活闘争の最終回答集計によると、
平均賃金方式で要求・交渉した4,772組合が引き出した賃上げ回答の加重平均は
定期昇給相当分を含め5,180円(1.78%)となり、前年同時期に比べて額で326円、
率で0.12ポイントそれぞれ下回った。
このうち定昇分を除いたベースアップ・賃金改善などが明確に分かる1,498組合の
賃上げ分の加重平均は1,602円(0.55%)となり、前年同期を132円(0.05ポイント)
とわずかではあるが上回った。

 連合では今季闘争で従来にも増して規模間格差の是正を重視したが、
300人未満の中小組合でベア等の賃上げ分が明確に分かる926組合の賃上げ額で
全体平均を下回る1,382円だが、引き上げ率でみると全体平均を上回る0.57%となった。
また、パートタイマーなどの有期・短時間・契約等労働者の賃上げ額は、
時給では加重平均19.91円(前年比7.20円減)だったが、時給の賃上げ率は1.95%(参考値)
となっており、先に見た一般組合員(平均賃金方式)の定昇込み賃上げ率を上回った。

 なお一時金の回答(1933組合)は組合員一人あたり平均(加重平均)で、
年間4.62カ月(同0.17カ月減)とややダウンしているが、リーマンショック後の
大幅ダウンのような状況はなく、減少幅は小さかった。

 こうした結果を踏まえて、連合は7月15日に「2021 春季生活闘争まとめ」を確認した。
「2021春季生活闘争は、緊急事態下にあっても、賃上げの流れを継続することの重要性を
確認した闘争であった」と総括。
そのうえで、今季交渉の特徴として、「賃上げ獲得水準は、全体として昨年を下回り、
また業種・業態によって違いがあるものの、企業規模間、雇用形態間等の格差是正の
動きの前進とともに賃上げの流れが継続している」との見解を示している。

 さらに、個々人のニーズにあった多様な働き方を実現する労働諸条件改善についても
「多岐にわたる項目で前進した」と評価している。
「働き方改革」に関連しては、4月1日から「同一労働・同一賃金」にかかわる法律が
中小企業に適用拡大されたこともあり、最終集計によると、
「正社員への転換ルールの整備と運用状況点検」が230件となったのをはじめ、
同一労働同一賃金の実現に向けた労働条件の点検もしくは改善として
「基本給などの賃金決定等に関するルールの整備」で131件の回答・妥結を引き出している。
また、働き方改革のもう一つ柱である長時間労働の是正に向けた労使交渉・協議が
進展したことがうかがえる。
「36協定の点検や見直し」では交渉単位で見た回答・妥結件数が714件。
その内容は、
(1)「月45時間、年360時間以内」を原則に締結(247件)、
(2)やむを得ず特別条項を締結する場合においても年720時間以内とする(61件)、
(3)休日労働を含め、年720時間以内となるように取り組む(51件)などとなっている。

年次有給休暇の取得促進に向けた取り組みに関する回答・妥結件数は697件となっている。
こうした結果を踏まえて、まとめは、
「これまでの労使の信頼関係を礎に生産性三原則にもとづく真摯な協議・交渉が行われ、
企業・産業の持続性とコロナ禍からの経済回復に向けた大きな基盤づくりにつながった
ものと受け止める」との評価を下している。


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■■■ 2年ぶりの労働経済白書はコロナ感染拡大の影響を分析 ■■■
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 「令和3年版 労働経済の分析」(労働経済白書)が7月16日の閣議で報告された。
「労働経済白書」は、一般経済や雇用、労働時間などの現状や課題について、
統計データを活用して分析する報告書で、今回で72回目の公表となる。
令和2年度の白書は、新型コロナウイルスの感染拡大が労働経済に多大な影響を
及ぼしたこと等を踏まえての作成が見送られており、
2019年及び2020年の2年間の労働経済の動について分析する異例の形態となった。

 分析のテーマは「新型コロナウイルス感染症が雇用・労働に及ぼした影響」。
コロナ危機がもたらした影響をリーマンショック期などとの比較を含めて概観し、
今般の危機下において働く人の雇用や生活を守り、誰もが意欲をもって
働き続けられる環境整備に向けて、さまざまな観点から分析している。

 まず、労働市場の動向としては、産業別に雇用者数の増減(前年同月差)をみると、
「情報通信業」「医療,福祉」等では堅調に増加が続いている一方で、
「宿泊業,飲食サービス業」「卸売業,小売業」「生活関連サービス業,娯楽業」
など対人サービスを中心とする産業の雇用者数が減少。
とくに女性の就業者が多い「宿泊業,飲食サービス業」は2020年平均で
対前年比25万人減となった。
リーマンショック期に「製造業」での男性の雇用者数の減少が目立ったこととは
様相が異なる。
 また非労働力人口の増加も今回の特徴で、子育て世代の女性や学生の非労働力化が
2020年4−6月期に大幅に進んだ。
しかし、2020年12月時点では前年並みに戻った。
雇用動向全般をみると特例を講じた雇用調整助成金等により2020年4〜10月の
完全失業率は2.6%ポイント程度抑制されたとする政策効果を試算。
こうした政策の下支え効果もあり、リーマンショック期と比べて総雇用者所得の
減少も小幅だったとしている。

 一方、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響とは別に、
働き方改革の進展を背景として、2019年には月間総実労働時間や長時間労働者の減少、
年次有給休暇の取得率が上昇し、2010年には、パートタイム労働者の特別給与の増加が
みられた。
同時に、感染拡大下で業務の継続を求められた労働者の分析によると、
「医療業」「社会保険・社会福祉・介護事業」等の業種において、
特に女性の労働者で肉体的負担や精神的負担が増大する傾向がみられた。
しかし、勤め先において、業種別ガイドラインの遵守、人員体制の強化、柔軟な働き方を
実施している場合に、「仕事を通じた満足度」が上昇した労働者の割合が高いとしている。
そのため、感染拡大下においても業務の継続が不可欠な分野で働く人が意欲を持ち充実した
形で働き続けるために、
「感染防止対策、人員体制の強化、柔軟な働き方の実施などの取り組みが重要である」
としている。

 緊急事態宣言を契機に拡大したテレワーク(在宅勤務)についても分析している。
テレワークの活用については、同感染症拡大前から実施していた企業・労働者の
継続割合が82.2%となる一方、感染拡大下で取り組み始めた企業・労働者では56.7%と
比較的低い割合となった。
 また、テレワークで仕事をする際の生産性や満足感は、オフィスで働く場合と比べて
一般的に低下するものの、感染拡大前からテレワークを実施していた労働者では
低下幅が小さいとしている。

 加えて、業務範囲・期限や仕事の評価基準を明確にすること、業務の裁量をもたせる
こと等のマネジメント上の工夫や、テレワークをする際の環境整備に取り組むことで、
テレワークをする際の充実感・満足感が高くなっていると分析。
そのため、テレワークの定着のためには、企業によるこうしたマネジメント上の工夫や、
テレワーク時の環境整備などの取り組みが重要であると強調している。 (荻野 登)



編┃集┃後┃記┃
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 東京オリンピックが開催されています。
一方、新規感染者数が予想以上に増加しています。

 今後の東京の感染状況について、
7月28日、厚生労働省の専門家会合で京都大学の西浦博教授グループが示した数字は、
今のペースで感染が拡大し続けた場合、8月中旬には5000人を超え、
8月26日には1日1万643人に上る計算になるとのことです。

「緊急事態宣言」、「まん延防止」対象地域が拡大され、
30日の首相会見では「今回の宣言が最後となる覚悟で・・・」とのことです。
新型コロナ発生から1年7ヶ月間、自粛・自粛の日々を守ってきましたので、
最後にしていただきたいです。

 中央最低賃金審議会の2021年度の最低賃金全国一律で時給28円目安の引き上げ
を参考に、東京都審議会は、7月21日に28円(2.76%)引き上げ1041円にするよう
東京労働局長に答申しました。
今回の審議会の答申案の採決では、使用者側委員全員が採決を退席・棄権しました。

 コロナ禍の猛暑の日々です。熱中症と思っても感染している場合があるです。
体調に異変を感じたときは病院で診察を受けましょう。        (白石)




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発行者 社会保険労務士法人雇用システム研究所
代表社員 白石多賀子 東京都新宿区神楽坂2-13末よしビル4階
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